総合診療 25巻6号 (2015年6月)

特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時

今月のQuestion & Keyword Index
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より早く,より的確に内容をとらえるために,QuestionとKeywordによるIndexをご利用ください.それぞれ各論文の要点を示す質問とキーワードで構成されています.

Question

Q1 高齢者救急患者のアセスメントの注意点は? 524

Q2 高齢者外傷初期診療で大事なことは? 528

Q3 外傷に隠れている内因性疾患を見つけるきっかけは? 528

Q4 高齢者外傷で気をつけるべき薬剤は? 528

Q5 高齢者虐待を疑うときは? 528

Q6 「熱源は何か」の精査で注意することは? 532

Q7 高齢者が訴えるめまいの原因を,大まかに分類すると? 535

Q8 どのような性状の頭痛患者において,積極的な検索が必要か? 538

Q9 高齢者の胸痛診療において注意すべきポイントは? 541

Q10 高齢者の腰背部痛で,緊急の対応を要する場合は? 544

Q11 高齢者の腹痛の鑑別診断で注意することは? 547

Q12 高齢者のせん妄は,認知症とどう違う? 550

Q13 高齢者の「元気がない」「食欲がない」という訴えで留意することは? 553

Q14 高齢者救急で入院希望があった時に留意することは? 557

Q15 救急外来から帰宅する継承高齢者で留意することは? 560

Q16 ACSCs(ambulatory care-sensitive conditions)をケアするうえでの注意点は? 560

Q17 高齢者救急事例になることを予防するために,プライマリ・ケア現場では何をすべきか? 567

ONE MORE GM
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Q1 高齢者外傷の特殊性について教えてください.

A1 ・頭部外傷:少量の頭蓋内の血液貯留では症状が出現しないことがある.急性硬膜下血腫や脳挫傷で,受傷時は軽度な意識障害でも急速に悪化することが高齢者には多い.初療時に所見がなくても慢性硬膜下血腫を発症することがある.

・胸部外傷:呼吸機能の低下や慢性の肺疾患などの影響により,肺炎などの合併症が起きやすい.胸壁の弾力性が低下し,肋骨骨折,肺挫傷,気胸や血胸を起こしやすい.

・腹部外傷:腹部臓器が損傷しても圧痛,反跳痛や筋性防御を起こさないことがある.

・骨・軟部組織外傷:軽微な外力で骨損傷をきたす.結合組織が密ではないため数カ所の軟部組織内出血で容易に出血性ショックとなりうる.

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 高齢者の救急受診が増加しており,すべての医療者にとってその特徴を理解しておくことは非常に重要である.本稿では,高齢者の救急診療におけるアセスメントの3つの注意点を述べる.

【症状別ピットフォール─atypical presentationを中心に】

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Case

肺塞栓が原因で階段から転落した1例

患者:82歳,女性.

主訴:階段から転落.

現病歴:階段の最上段から転がるように転落した.転落時の健忘あり.転落後,自分で家族に連絡し,家族が救急要請.

外傷初期診療:ERでのprimary surveyでは,SpO2 90%(室内気)とB(breathing)に異常あり.secondary surveyでは,右頰部,右上腕,右大腿に打撲痕あり.背部自発痛と上部胸椎の叩打痛あり.FAST(G3)と胸部単純X線写真では,肋骨骨折,血胸,気胸などの外傷性変化なし.しかし,背部痛と低酸素血症は持続していた.階段転落前から背部痛を自覚しており,D-dimer 5.5μg/mlと高値だったため,肺塞栓を含めた血管病態を疑い,造影CTを撮影.左肺動脈末梢に肺塞栓および胸椎圧迫骨折が見つかった.今回の階段転落は肺塞栓が先行して受傷したものと判断した.抗凝固療法を第3病日より開始し,約3カ月で血栓は消失した.

診断:肺塞栓症,腰椎圧迫骨折,右上腕打撲,右大腿打撲.

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Case

膠原病がベースにある発熱患者の1例

患者:77歳,女性.

既往歴:関節リウマチ,腰痛.

現病歴:2週間ほど前に発熱と悪寒が出現し,近医で抗菌薬投与されるも改善なく,40℃近い発熱が持続するため当救命センターへ搬送された.来院時,激しい悪寒や倦怠感,手指のこわばり,腰痛などを訴えていたが,39℃の発熱以外はバイタルサインに問題なかった.直ちに全身造影CT・心エコーなどを施行したが明らかな異常所見を認めず,喀痰・尿・髄液・血液培養検査はいずれも陰性であった.一般血液検査では,白血球数12,500/μl,CRP 12.9mg/dlと高値を示す以外は,目立った臓器不全や凝固異常も認めなかった.そのため,感染源不明のまま抗菌薬(セフトリアキソン・クリンダマイシン)投与を継続し,細菌感染症以外の発熱精査を行った.

 しかし数日後の結果では,関節リウマチ以外の各種膠原病抗体,甲状腺や副腎などのホルモン,ウイルス抗体,腫瘍マーカーなどいずれも異常を認めなかった.この時点でも37℃台の微熱が持続していたが,抗菌薬による薬剤熱の可能性もあると判断し投与を中止した.同時に関節リウマチ再燃の可能性も考慮し,プレドニゾロンを常用量の5mg/日から20mg/日へと増量した.翌日より36℃台に解熱し,手指のこわばりや腰痛も徐々に緩和した.血液検査でも白血球数正常化,CRP 5.0mg/dlまで改善したため,数日後に退院となった.

 しかし,帰宅後に腰痛が再発し,微熱も出現したため再度受診.再び全身精査行ったところ造影CTにて左腸腰筋膿瘍を認めた.この時点で腰椎感染症も疑いMRIを施行したところ,L1の圧迫骨折と,L2・L3椎体の破壊像,椎間板の不整が見られた(図1).加えて,骨シンチグラフィ(99mTC-MDP SPECT)でも腰椎に集積を認めた(図2).後日に同部位の洗浄・掻爬ならびに骨移殖を行い,それ以降は発熱・腰痛とも消失した.全身状態良好のため入院30日目に退院となった.

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Case

ゲートボール中に繰り返すめまい

患者:73歳,男性.息子さんと2人暮らし.

既往歴:高血圧,慢性腎臓病,高尿酸血症.

現病歴:この1カ月,ゲートボール中にクラクラとするような「めまい」が出現し,自然軽快することを繰り返していると診療所を受診.「ボールを打つ瞬間,クラクラとした」という訴えであり,「目が回った」とのことで,回転性めまいと判断.受診時には,めまいなく,意識状態や血圧などのバイタルサインは正常,神経学的所見も問題なかった.心電図・血液検査も特に問題なく,再現性はないものの良性頭位性めまいの疑いで内服薬にて経過観察とした.

 その1カ月後,同様の訴えにて受診あり.その1週間後にも同様の訴えあり.4度目の受診時,症状が繰り返しているということで,経過観察ベッドにて心電図モニター下に経過を見ていたところ,症状出現時に高度徐脈あり,最長6秒の洞停止を認めたため,洞不全症候群として緊急に循環器科に紹介し,ペースメーカー挿入となった.

教訓:高齢者の訴えるめまいは,症状の聞き取りが診断に大きく寄与するが,表現力や理解力の違いなどもあり,気をつけないと誘導尋問になりかねないことを肝に命じる.毎回ひととおりの鑑別,特に脳神経系・心血管系の評価は怠らずに繰り返し行うべきである.また,特に診察時無症状の時は,オーバートリアージで重篤な疾患の可能性も必ず鑑別に入れておくことを忘れない.このケースは毎回心電図チェックをしていたが,たまたま受診時に症状があり診断しえたケースである.

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Case

巨細胞性動脈炎(GCA)による頭痛とリウマチ性多発筋痛症による筋肉痛をきたした1例

患者:83歳,男性.

主訴:持続する両側性頭痛.

現病歴:来院の3カ月ほど前より,持続する両側性の頭痛あり.嘔気なし.1〜2週間前より増強したため,他院を受診し,頭部CT,頭部MRIを施行され,特に異常はなかった.筋緊張性頭痛として鎮痛薬処方となり,内服するも改善せず,当科紹介となった.

 硬いものを噛み続けると顎が疲れることを再度の病歴聴取で確認した.また,もともと頭痛もちではないとのこと.理学所見は,意識レベル・会話ともに正常.脳神経系・運動系・感覚系に異常なし.深部反射正常範囲でBabinski徴候なし.左側頭部と項部,上肢帯・下肢帯筋の近位筋に圧痛あり.

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Case

胸痛を主訴に受診した血管リスクの高い80歳男性

患者:80歳,男性.認知症および高血圧で通院中,重喫煙者である.

現病歴:就寝中に急激に生じた激しい胸痛を主訴に受診となった.来院時,バイタルは安定していたが,激しい前胸部痛が持続していた.身体所見上はっきりとした所見を認めなかった.心電図でⅡ,Ⅲ,aVFにST-T変化を認めたために,緊急で心臓カテーテル検査を行ったところ,冠動脈に有意狭窄は認めなかった.

 入院後の検査で肝胆道系酵素の上昇を認めた.本人は相変わらず前胸部痛を訴えている.改めて身体所見をとってみるが,特に腹部の所見を認めなかった.腹部画像検査を行ったところ,胆石および総胆管結石の所見を認めたために,抗菌薬投与とEST(内視鏡的乳頭切開術)が施行された.その後,本人の前胸部痛も改善し,退院の運びとなった.

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Case

頸部の背部痛と四肢脱力を呈した70代男性

患者:70代,男性.糖尿病・高血圧・脳梗塞の既往あり.ADLは自立.

主訴:日曜大工を連日行っていたところ,起床時に両肩・頸部の背部痛を認め,四肢の脱力と歩行困難があり,救急外来を受診.

診察:筋力低下(下肢>上肢),感覚障害あり.脳CT異常なし.血圧左右差なし.低カリウムおよび低血糖なし.発熱なし.自然軽快し,歩行可能となり,周期性四肢麻痺の診断で帰宅の判断となったが…….

転帰:脳梗塞でアスピリンを内服中であるが,脳の病変だけでは全部の症状を説明できない.軽快はしているが,四肢の病変があることから,大動脈解離,低カリウム性周期性麻痺,脊髄硬膜外血腫や膿瘍などの頸髄病変が疑われる.

 この症例では,頸部CTでは,異常を認めず,頸部MRIにて広範な脊髄硬膜外血腫を認め,後に膀胱直腸障害を呈した.抗血小板薬が誘因になっていたと考えられる.注意すべき所見(Red flag)としては,安静時痛,新たに生じた筋力低下があてはまる症例である.

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Case

患者:82歳,女性.認知症.

現病歴:5日前からの持続的な腹痛を主訴に,家族とともに救急外来を深夜に受診した.認知症と難聴により病歴聴取は困難であった.バイタルサインは安定し,腹部は平坦で軟らかく,明らかな圧痛は認めなかった.血液検査では軽度の貧血以外に特に異常は認めず,問題なしとして帰宅とした.2日後,他院の内科外来を受診し,造影CTで膵臓癌と診断された.患者はここ1カ月で約4kgの体重減少を認めていた.

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「認知症が進んだ」ではなかった見当識障害

患者:89歳,男性.

現病歴:軽度の物忘れはあるが,生活は自立している.前夜,瘙痒を伴う膨疹が出現したため救急外来を受診し,蕁麻疹の診断で抗ヒスタミン薬(マレイン酸クロルフェニラミン)の処方を受けた.抗ヒスタミン薬の内服により皮膚症状は軽快したが,夜間不眠と徘徊が出現したため,本日,かかりつけ医を受診し,睡眠導入薬ブロチゾラムの処方を受けた.夜になり睡眠導入薬を服用するも入眠せず,「虫がみえる」「財布をとられた」と言うようになったため,「急に呆けた」と心配した妻に付き添われ再度の救急受診となった.

身体所見:バイタルサイン正常.自発開眼し指示に従うが,やや朦朧としており見当識障害が著明で注意力低下あり.顔面四肢に運動感覚障害を認めず.

検査:血液検査・髄液検査とも正常.頭部単純CTでは脳萎縮を認めるのみ.

診断・治療経過:以上の経過より,症状は認知症の進行ではなく薬剤性せん妄を疑った.抗ヒスタミン薬と睡眠導入薬を中止したところ,見当識障害は改善し,幻視症状は消失した.

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外傷を契機に受診した電解質異常の1例

患者:77歳,女性.

現病歴:来院3日前に重い箱を持った時に腰背部痛が出現.その後から元気がなくなり,食欲もなくなった.来院当日,料理中に突然倒れた.夫が駆け寄ったところ,普段との違いはなさそうだが後頭部からの出血があり,救急車にて来院された.

診断・経過:身体診察では,後頭部挫創と腰背部棘突起上の叩打痛あり.その他,体幹・四肢に圧痛や動揺なし.神経学的巣症状を認めなかった.

 頭部CTでは,頭蓋内出血や頭蓋骨骨折は認めなかった.腰椎単純X線では,L1圧迫骨折あり.血液検査では,Na 120mmol/lと低ナトリウム血症を認めた.

 頭部を縫合した後,ICUに入院.低ナトリウム血症の原因精査と加療を行った.

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 高齢者救急現場での「入院希望」,よくありますよね.診察室に入るなり「入院させてほしいんです……」と訴える方もいますし,救急要請を受けて救急隊が到着すると「着替えも済ませて入院道具一式そろえて玄関で待っている」なんてツワモノもいるようです.

 それでは,“医学的には入院適応はないが「どうしても入院させてほしい」と言われた時”にどのように説明したらよいのでしょうか?

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軽症でも見逃してはならない虚弱高齢者

 救急外来(ER)は,地域の患者がヘルスケアシステムの入口として集中する部門であるが,高齢者人口の増加に伴い「高齢者救急」の数も増えている.救急車で搬送される高齢者は2001年までは全体の4割未満であったが,2010年以降は5割を超え,以降も増え続けている1).今後の人口動態を考慮すると,この傾向はしばらく続くことが予想されるため,医療機関には高齢者救急に適応したシステムが求められる.

【高齢者救急を防ぐ─プライマリ・ケア側の課題】

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ACSCsとは

 ACSCs(ambulatory care sensitive conditions)は,まだ日本では馴染みの薄い用語かもしれない.試みに,医学中央雑誌で「ambulatory care sensitive conditions」を検索してみるが,1件もヒットしない(2015年3月30日現在).

 ACSCsとは,「適切なタイミングで効果的なケアをすることで入院のリスクを減らせるような状態」のことである1).それらは次の3つに分類できる.

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Case

微熱があると救急車を呼んでしまう独居高齢者

患者:80歳,男性.独居.

現病歴:A病院からの紹介で,訪問診療開始となった.COPD(慢性閉塞性肺疾患),気管支拡張症による慢性呼吸不全でHOT(在宅酸素療法)を導入されている.肺炎で2度A病院に入院してから,「また肺炎になるのではないか」と不安になり,自宅で頻回に体温を測っては,37℃を超えると救急車を呼び,A病院に搬送されていた.対応に困ったA病院呼吸器内科主治医から紹介.月2回の定期訪問診療開始と同時に,訪問看護を導入.

 その後,年に何度か肺炎に罹患し,在宅加療で治癒したこともあれば,在宅加療では改善乏しくA病院へ紹介入院としたこともある.抗菌薬の連日点滴が必要な際は,訪問看護と連携して治療にあたった.体調悪化時,不安時に電話で相談できる環境があること,定期的な訪問診療・訪問看護,臨時往診を受けられることへの安心感から,自己判断で救急車を呼ぶことはなくなった.

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Case

重篤疾患であるにもかかわらず治療継続を希望しなかった1例

患者:94歳,女性.長男夫婦と3人暮らし.

ADLは自立.通院歴はない.

現病歴:突然の意識消失発作があり,長男が119番し救急センターに搬送された.来院時には意識は清明で,バイタルサインにも問題はなかった.身体所見で心音異常(収縮期駆出性雑音)があり,心エコー検査で,重度の大動脈弁狭窄症が見つかった.他の検査からも,意識消失発作の原因は大動脈弁狭窄症による可能性が高いという診断となった.本人は「早く家に帰してほしい」「どこも悪いところはないので(医療機関には)通院しない」との訴えがあった.今後の方針をどうしたらよいか?

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 痛みを訴えて救急外来を受診する患者は実に多い.診断がつく前に痛み止めを使ってよいのかについては,これまでによく議論の的になってきた.本当のところはどうなのだろうか?

Editorial

「医者の老後」 藤沼 康樹
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 いわゆる「2025年問題」は,本当に“問題”だけなのだろうか?

 認知症の患者数が増える,介護が必要な高齢者数が増える,死亡者数が現在より年間で40万人増えるとか,危機感をあおるような言葉が羅列されている.しかし僕は,前提として,高齢社会は人類史における進歩のひとつであり,喜ばしい事態であると捉えたいと思う.しかし,実感として寿命が延長しているのであるが,ポジティブに「高齢社会」を捉え,そのなかで高齢者の生き方をどう構想するかについての議論は少ないように思う.

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病歴

患者:84歳,男性.

主訴:発熱,意識レベル低下.

現病歴:3日前から40℃の発熱,下痢・嘔吐を認め,近医を受診.抗菌薬を処方されるも内服せず,当院救急外来を受診.急性腸炎の診断にてラックビーRやロキソニンR・ムコスタ錠Rを処方されて帰宅.その後,下痢・嘔吐は改善したが,昨日,呼びかけに対する反応が低下し,本日になって電気の消し忘れや,朝食の準備を忘れる,床に座り込んでしまうなどと,いつもと違う状況になったため,再度当院救急外来を受診された.

Review of Systems:陽性症状:発熱,下痢,嘔吐,下肢脱力.陰性症状:悪寒戦慄,頭痛,呂律困難,痙攣,咽喉頭痛,呼吸困難,咳,痰,鼻汁,胸痛,動悸,関節痛,しびれ,発汗,体重減少,便秘,血便,頻尿,残尿感,排尿時痛,肉眼的血尿.

職業:お弁当屋さん(立ち仕事).

生活習慣:ADL自立.

嗜好品:喫煙;なし,アルコール;機会飲酒.

既往歴:高血圧,脂質異常症,糖尿病,慢性心不全,脳梗塞,心筋梗塞(冠動脈バイパス術後).

内服薬:①ブロプレスR,②アーチストR,③ラシックス細粒R,④ベイスンODR,⑤ファスティックR,⑥マドパーR,⑦ドプスR,⑧アスピリン末R,⑨パナルジンR,⑩ガスターDR,⑪リバロR,⑫マーズレンS顆粒R,⑬パントシン散R,⑭酸化マグネシウムR,⑮キサラタン点眼液.

Dr.徳田と学ぶ 病歴と診察によるエビデンス内科診断・10

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徳田:みなさん,こんにちは.この連載では「臨床疫学」を用いた診断ロジックを学びます.症例に基づきながら,レジデントのみなさんとの対話形式で進めていきます.

 今回も,前回に引き続き「腹痛」を主訴とする患者さんで,中高年の上腹部痛です.頻度の多い症状ですが,原因疾患も多彩です.では,今回のケースの病歴と身体所見をみてみましょう.

Dr.山中のダイナマイト・レクチャー・8

問題13 山中 克郎 , 寺西 智史
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問題13 以下の患者に必要な処置は何か.4つ挙げよ.

 75歳女性.昨夜からの発熱と腰痛を主訴に来院した.体温37.8℃,血圧76/40mmHg,心拍数110回/分,呼吸数24回/分.

血液内科学が得意科目になるシリーズ・15

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 今回は前回に続き,見逃してはならない形質細胞性疾患について症例を通じて考えてみます.

みるトレ

Case 89 忽那 賢志
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Case 89

患者:30代,男性.

主訴:発熱,頭痛,関節痛.

現病歴:2日前より発熱,頭痛,関節痛が出現した.その後も症状が改善しないため当院感染症内科を受診した.

既往歴:特記事項なし.

海外渡航歴:来院の13〜3日前までベトナムのホーチミン市を観光で訪れていた.防蚊対策は特にしておらず,トラベラーズワクチンも接種していない.現地の屋台でも食事をしており,生野菜,カットフルーツなどを食べているが,水の摂取はミネラルウォーターのみであった.淡水曝露はなく,またダニにも咬まれた覚えはない.

身体所見:血圧114/80mmHg,脈拍114回/分,呼吸数17回/分,SpO2 99%(室内気),体温39.6℃.身体所見上,眼球結膜の充血を認める以外は特に異常所見なし.

検査所見: WBC 2,560/μl,RBC 4.74×104/μl,Hb 13.1g/dl,Plt 6.2×103/μl,AST 82IU/l,ALT 91IU/l,CRP 0.17mg/dl.

左上肢で血圧測定を行った直後,無数の出血斑が現れた(図1).

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◆高齢者の皮疹を伴う頭痛は帯状疱疹を鑑別に挙げる必要がある.皮疹の診察において皮疹の範囲や性状が重要になってくる.また,その合併症にも注意を要する.

憧れのジェネラリストが語る「努力はこうして実を結ぶ!」・6

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●つねに意識している言葉

 卒後19年目にもなり,臨床的にも職場的にもベテランになってきて,一緒に仕事をする仲間も増えました.そんな自分が意識している言葉があります.

 『信頼』です.

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 日本は世界に類を見ない超高齢社会を迎え,地域包括ケアや介護保険など世界の最先端を行くケアシステムの構築が着々と進んでいる.医学においても,細胞の老化に関する科学的な解明が進み,老化を予防する研究はミクロの世界を越え,ナノの世界となり,それを活用するナノテクノロジーは日進月歩である.しかしその一方で,高齢者をどう診療していくかはまだまだ試行錯誤のところがあり,十分なエビデンスが蓄積されてはいない.

 そのため,一般的な高齢者外来診療のテキストは,細胞の老化を中心に,生理学的な変化や生化学的な変化が人間に及ぼす影響や,老人特有な病気の解説が中心であり,老人を人として診ていく視点,社会的な存在としてケアしていく視点がやや弱いように思われる.

シネマ解題 映画は楽しい考える糧[96]

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「飛行機」の物語から新人教育を学ぶ

 ANA全面協力による楽しい航空パニック映画.飛行機を舞台にしたサスペンスやパニック作品には,『大空港』『エアポート75』などのエアポート物が有名ですね.そう言えば『ダイハード2』や『エアフォース・ワン』,『狂っちゃいないぜ』そして『フライトプラン』も航空機が重要な舞台でした.きっと他にもたくさんあるでしょう.しかし,多数の「飛行機」作品があるなかで,新人教育や実地試験,一機のボーイング747がフライトするために必要な地上スタッフのさまざまな共同作業を描いたのは,本作が初めてではないでしょうか.

 羽田発ホノルル行きのジャンボが,機体に異常が発生したため途中で引き返します.羽田には大型台風が迫っており,着陸できるかどうか危うい状態でした.機長になるための実地試験を受けている鈴木,国際線に搭乗するのが初めての新人客室乗務員(CA)斎藤,コックピットとキャビン(客室)それぞれのリーダーらの活躍が,個性的な乗客たちの起こす騒ぎや地上スタッフのバックアップ活動と共に,テンポよくコミカルに描かれます.さすが『ウォーター・ボーイズ』『スイング・ガールズ』の矢口監督ですね.今回も今まで同様,本作を見て私の頭に浮かんだ医療現場や,医学教育に関わる事項を少し書いてみたいと思います.

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基本情報

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総合診療
25巻6号 (2015年6月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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