特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時
【症状別ピットフォール─atypical presentationを中心に】
このところ元気がない,食欲がない—「歳だから」では済まない複数の疾患の可能性
宮道 亮輔
1
1聖路加国際病院 救急部
キーワード:
急性発症
,
普段と違う
,
ヒッカムの格言
Keyword:
急性発症
,
普段と違う
,
ヒッカムの格言
pp.553-555
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200251
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Case
外傷を契機に受診した電解質異常の1例
患者:77歳,女性.
現病歴:来院3日前に重い箱を持った時に腰背部痛が出現.その後から元気がなくなり,食欲もなくなった.来院当日,料理中に突然倒れた.夫が駆け寄ったところ,普段との違いはなさそうだが後頭部からの出血があり,救急車にて来院された.
診断・経過:身体診察では,後頭部挫創と腰背部棘突起上の叩打痛あり.その他,体幹・四肢に圧痛や動揺なし.神経学的巣症状を認めなかった.
頭部CTでは,頭蓋内出血や頭蓋骨骨折は認めなかった.腰椎単純X線では,L1圧迫骨折あり.血液検査では,Na 120mmol/lと低ナトリウム血症を認めた.
頭部を縫合した後,ICUに入院.低ナトリウム血症の原因精査と加療を行った.
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