特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時
【高齢者救急を防ぐ─プライマリ・ケア側の課題】
在宅・施設ケアからの救急受診を防ぐためのパール
石川 美緒
1
1東京ほくと医療生協 鹿浜診療所
キーワード:
在宅での急性期治療
,
サポート体制
,
不安の解消
Keyword:
在宅での急性期治療
,
サポート体制
,
不安の解消
pp.567-569
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200255
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Case
微熱があると救急車を呼んでしまう独居高齢者
患者:80歳,男性.独居.
現病歴:A病院からの紹介で,訪問診療開始となった.COPD(慢性閉塞性肺疾患),気管支拡張症による慢性呼吸不全でHOT(在宅酸素療法)を導入されている.肺炎で2度A病院に入院してから,「また肺炎になるのではないか」と不安になり,自宅で頻回に体温を測っては,37℃を超えると救急車を呼び,A病院に搬送されていた.対応に困ったA病院呼吸器内科主治医から紹介.月2回の定期訪問診療開始と同時に,訪問看護を導入.
その後,年に何度か肺炎に罹患し,在宅加療で治癒したこともあれば,在宅加療では改善乏しくA病院へ紹介入院としたこともある.抗菌薬の連日点滴が必要な際は,訪問看護と連携して治療にあたった.体調悪化時,不安時に電話で相談できる環境があること,定期的な訪問診療・訪問看護,臨時往診を受けられることへの安心感から,自己判断で救急車を呼ぶことはなくなった.
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