特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時
【症状別ピットフォール─atypical presentationを中心に】
腹痛—血管系疾患,悪性腫瘍,ヘルニア,腹部外臓器にご用心
竹之内 盛志
1
,
佐田 竜一
2
1帝京大学ちば総合医療センター
2亀田総合病院 総合内科
キーワード:
腹痛
,
高齢者(若年者との違い)
,
救急外来
,
鑑別診断
Keyword:
腹痛
,
高齢者(若年者との違い)
,
救急外来
,
鑑別診断
pp.547-549
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200249
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Case
患者:82歳,女性.認知症.
現病歴:5日前からの持続的な腹痛を主訴に,家族とともに救急外来を深夜に受診した.認知症と難聴により病歴聴取は困難であった.バイタルサインは安定し,腹部は平坦で軟らかく,明らかな圧痛は認めなかった.血液検査では軽度の貧血以外に特に異常は認めず,問題なしとして帰宅とした.2日後,他院の内科外来を受診し,造影CTで膵臓癌と診断された.患者はここ1カ月で約4kgの体重減少を認めていた.
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