シネマ解題 映画は楽しい考える糧[96]
「ハッピー・フライト」
浅井 篤
1
1東北大学大学院医学系研究科社会医学講座医療倫理学分野
pp.600
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200266
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「飛行機」の物語から新人教育を学ぶ
ANA全面協力による楽しい航空パニック映画.飛行機を舞台にしたサスペンスやパニック作品には,『大空港』『エアポート75』などのエアポート物が有名ですね.そう言えば『ダイハード2』や『エアフォース・ワン』,『狂っちゃいないぜ』そして『フライトプラン』も航空機が重要な舞台でした.きっと他にもたくさんあるでしょう.しかし,多数の「飛行機」作品があるなかで,新人教育や実地試験,一機のボーイング747がフライトするために必要な地上スタッフのさまざまな共同作業を描いたのは,本作が初めてではないでしょうか.
羽田発ホノルル行きのジャンボが,機体に異常が発生したため途中で引き返します.羽田には大型台風が迫っており,着陸できるかどうか危うい状態でした.機長になるための実地試験を受けている鈴木,国際線に搭乗するのが初めての新人客室乗務員(CA)斎藤,コックピットとキャビン(客室)それぞれのリーダーらの活躍が,個性的な乗客たちの起こす騒ぎや地上スタッフのバックアップ活動と共に,テンポよくコミカルに描かれます.さすが『ウォーター・ボーイズ』『スイング・ガールズ』の矢口監督ですね.今回も今まで同様,本作を見て私の頭に浮かんだ医療現場や,医学教育に関わる事項を少し書いてみたいと思います.
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