特集 高齢者救急の落とし穴─紹介する時,される時
ONE MORE GM
pp.578-580
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200258
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Q1 高齢者外傷の特殊性について教えてください.
A1 ・頭部外傷:少量の頭蓋内の血液貯留では症状が出現しないことがある.急性硬膜下血腫や脳挫傷で,受傷時は軽度な意識障害でも急速に悪化することが高齢者には多い.初療時に所見がなくても慢性硬膜下血腫を発症することがある.
・胸部外傷:呼吸機能の低下や慢性の肺疾患などの影響により,肺炎などの合併症が起きやすい.胸壁の弾力性が低下し,肋骨骨折,肺挫傷,気胸や血胸を起こしやすい.
・腹部外傷:腹部臓器が損傷しても圧痛,反跳痛や筋性防御を起こさないことがある.
・骨・軟部組織外傷:軽微な外力で骨損傷をきたす.結合組織が密ではないため数カ所の軟部組織内出血で容易に出血性ショックとなりうる.
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