JIM 20巻11号 (2010年11月)

特集 疲れとだるさ

今月のQuestion & Keyword Index
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より早く,より的確に内容をとらえるために,QuestionとKeywordによるIndexをご利用ください.それぞれ各論文の要点を示す質問とキーワードで構成されています.

Question

Q1 疲労のメカニズムはかなりわかってきたのでしょうか? 814

Q2 慢性的な「疲れ・だるさ」を訴えるが,通常の検診では胃常なしとされた患者に尋ねるべき問診項目を5つ以上挙げよ. 822

Q3 疲労の評価方法について教えてください. 832

Q4 疲労を訴える労働者に対する注意点は? 840

Q5 オーバートレーニング症候群からの回復にはどれくらいの期間がかかりますか? 844

Q6 “Active Rest(積極的休養)”とは? 847

Q7 慢性疲労に対する心身医学的治療とは? 850

Q8 疲労を医薬や食品で軽減あるいは回復することは可能ですか? 854

Q9 がん緩和ケアで,倦怠感を訴えた場合に留意することは? 858

Q10 長期間に及ぶ全身倦怠感を訴える患者が来院した時は? 862

Q11 小児慢性疲労症候群(CCFS)と自律神経失調症との関連性を教えてください. 866

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疲労とは?

疲労の研究進展と解明されてきたメカニズム概説

 疲労は,私たちに休息の必要性を知らしめ,過剰活動により疲弊してしまうのを防御するための重要な生体警報(アラーム)の一つである.痛み,発熱,疲労といった三大生体アラーム機構であるが,痛み,発熱の分子神経メカニズムがかなり解明されているのに対し,疲労の分子神経メカニズムに関しては,筆者らが本格的な研究に取り組む以前は,ほとんど断片的な研究しかなかった.

 疲労について,研究のうえでは,「作業能率や作業効率が統計的有意に低下した状態」を疲労と定義している.これは,このように定義すれば,疲労が客観的に計測できることになるからである.

疲れ・だるさの鑑別診断 田中 まゆみ
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Case 1

患者:27歳,女性.

疲れ切っている,との訴えで受診.15カ月の子どもの育児で,夜も眠れず,いらいらして,良い母親ではないと思う,と精神的にも不安定になってきた,とのこと.憔悴のあまり体重も2週間で3kg減少.心療内科で睡眠導入剤をもらったが,まだ授乳中なのであまりクスリは飲みたくないとのことで飲んでいない.しかしあまりにしんどくて,とのことであった.身体所見で頻脈(不整)あり,発熱なし,甲状腺びまん性腫大,圧痛なし,両手の震顫あり,TSH(甲状腺刺激ホルモン)測定値以下,心電図では洞性頻脈のみで心房細動はなかった.

診断:バセドウ病(鑑別は,無痛性甲状腺炎).妊娠の可能性はないことを確認し,βブロッカーとチアマゾールを処方したところ,症状が改善した.

One more JIM
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Q1 半年ぐらい前から,とくに思い当たる原因がないのに慢性的な「疲れ・だるさ」を感じるようになった65歳の男性患者.2週間前に受けた通常の検診(年齢相応のがん検診[PSA・便潜血・上部消化管内視鏡も含む])では初めて糖尿病を指摘された以外異常なしとされたが,「血縁にがんが多いので心配で,がんではないかと鬱々として食欲が落ち,不眠となり,1カ月間で体重が2kg減った」と,さらに精査を希望している.5年前に禁煙に成功するまで30本/日40年間の喫煙者.表在リンパ節も含め,身体所見では異常を見いだせなかった.追加検査として,最も適切でないものは何か?

①TSH(検診項目に含まれていなかった),②早朝コルチゾール,③腫瘍マーカー(CEA, CA-A19,SCC),④肺機能検査,⑤胸腹部造影CT

A1 ③.(田中まゆみ→p822)

【診断】

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慢性疲労症候群

chronic fatigue syndrome:CFS

 慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome:CFS)とは,これまで健康に生活していた人が対人的・物理的・化学的・生物学的な複合ストレスがきっかけとなり,ある日突然原因不明の激しい全身倦怠感に襲われ,それ以降強度の疲労感とともに微熱,頭痛,脱力感や,思考力の障害,抑うつなどの精神神経症状などが長期にわたって続くため,健全な社会生活が送れなくなるという疾患である.

 1984年,米国ネバダ州インクラインという人口約2万人の村で,原因不明の疲労患者の集団発生が報告された.その数は200名にも及び,村の人口の約1%にも達するものであった.当時,アメリカではEpstein-Barr(EB)ウイルス感染症が微熱や倦怠感などと関連していることが注目されていたことより,米国疾病対策センター(CDC)がEBウイルスを含めたさまざまな病原体についての調査を行った.しかし,この不可解な疲労病態の存在は認めるものの,その明らかな病原体は見出すことはできなかった.そこで,この病因・病態の解明を行うために,今後研究を行う対象症例を明確にするための基準(working case definition)1)を1988年に設定した.これが,その後世界中でCFSの患者を診察する際に広く使われるようになったCDC(Holmesら)のCFS診断基準である.

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 近年,過重労働,過密労働などに関連した脳・心臟疾患や自殺を含めた精神神経疾患の発症が社会問題となっている.疲労は生体のアラームサインであり,労働者の慢性的な疲労を適切にとらえ早期に対応していくことが,いわゆる過労死とその関連疾患の未然防止に必要と考えられる.本稿では,慢性疲労の背景にある要因としての過重労働,ストレスや睡眠時間との関連,健康障害の未然防止を目的とした長時間労働者を対象とした面接のポイントについて述べる.

オーバートレーニング症候群 川原 貴
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Case

自己記録更新の後にオーバートレーニング症候群に陥った長距離選手

患者:24歳,男性.

既往歴:とくになし.

現病歴:9月箱根駅伝を目指し,200~400kmだった月間走行距離を640kmに増やした.10月は好調で自己記録をたびたび更新した.11月も成績は良かったが,疲労が抜けきれない感じがあった.12月かぜをひいた後に初マラソンに出場し,疲労症状が悪化,練習もほとんどできなくなった.大学の保健センターを受診したが,検査などでは異常はなかった.歩行中に失神,不眠となり昼夜逆転,日常生活に支障をきたし,7月に1カ月入院.検査などでは異常なく,自覚症状が軽快したため退院したが,練習をするとすぐ息があがり,回復することなく引退した.

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 疲労とは,ある作業を続けていると疲れを感じるとともに,作業量と作業効率が低下する状態であり,身体諸機能の低下した現象である1).スポーツにおける疲労の多くは“筋疲労”である.しかし,その要因に関しては,筋内への乳酸などの疲労物質の蓄積,エネルギー源の枯渇,筋温の過度な上昇,血液のうっ血および循環不全などいろいろな要素がからみ,いまだに複雑で不明な点は多い.また,それらに伴い筋活動が正常に行われなくなると,筋や腱のいわゆる硬さが生じ,筋力低下や関節可動域低下としてあらわれる.よって,スポーツ選手にとって,疲労の蓄積はパフォーマンスを低下させ,傷害発生の要因となる.そのため,運動中または運動後できる限り速やかに疲労回復を行う必要がある.

 スポーツ選手において広く行われている疲労回復の手段としては,軽運動,ストレッチング,物理療法(ホットパック,アイシング,交代浴など),マッサージなどが挙げられる.

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 疲労とは過度の肉体的,精神的な活動により生じた独特の病的不快感と休養を求める欲求を伴う身体機構の減退状態であるといわれる1,2).しかし,肉体的な疲労と精神的な疲労の様相はかなり異なっているにもかかわらず,同じ言葉で表現されることが多く,表現方法のみでは区別はつきにくい.しかも社会のシステムや構造が急速に変化するにつれ,現代社会に生きる人びとの心理社会的ストレス要因も多様に変化しており人間の訴える疲労も複雑な様相を呈するようになった.とくに疲労の蓄積により生じる慢性疲労は現代人のライフスタイルや美徳観や価値観などに裏付けされた行動特性を伴っていることが多く,その対応には認知の転換をはかるなど臨床心理学的な視点が必要である3).病的状態である慢性疲労症候群の発症要因に何らかのウイルス感染や内分泌的あるいは免疫学的な異常がかかわっているにせよ,診断と治療のためにはその背景にある心理行動特性の認識は重要である4)

 本稿では慢性疲労を訴えて心療内科を受診する患者をモデルとして,診断と治療に必要な心身医学的視点について論じてみたい.

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 一般に疲労に効果がある物質や食品としては,ビタミンB1,アスコルビン酸,タウリン,カフェインなどの医薬成分や,ウナギ,ニンニクなどの栄養食品が広く認知されている.しかし,これらの成分において,ヒトに対して抗疲労効果を科学的に実証した論文はほとんどないのが現状である.カフェインは,確かに一時的に眠気を抑えることで疲労によるパフォーマンスの低下を抑制するが,効果は一時的であり摂取中止時にはリバウンドも起きやすい.また,覚醒剤は疲労感を劇的に改善する作用を有するが,これは疲労感をマスクしているに過ぎず,疲労を軽減あるいは改善するとは言い難い.

 さらに,栄養状態が悪かった終戦直後の日本と異なり,現在,ほとんどの日本人は栄養状態良好にある.ゆえに,トライアスロンなど特殊な競技を除いてカロリー不足により疲労をきたすことは稀である.過去,運動前日にスタミナ食と称し焼肉やステーキなど脂肪分豊富な高カロリー食の摂取を勧めていた時代もあったが,現代の日本においては,高カロリー食を運動前に摂取しても抗疲労効果はほとんど認められない.すでに,「スタミナ食を食べて疲労を克服」は,時代錯誤といってよいだろう.

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Case

患者:50歳代,女性.腹腔内肉腫,癌性腹膜炎,腹水.

現病歴:腹腔内肉腫にて,術後再発,腹腔内に腫瘍多発,腹水.化学療法を繰り返していたが,効なく,腹水,腹満感が辛くなり,当院緩和ケア病棟紹介入院.車いすで移動可能であったが,腹部膨満感と腹痛,背部痛がNRS 8/10あり,オキシコンチンは,20mg/分2で効果なかった.オキシコンチン中止し,デュロテップMT4.2mg貼付にて,完全に疼痛緩和された.その後徐々に慢性貧血が進行し,全身倦怠感を訴え,ベッドから起きられなくなった.Hb5.2g/dlになったことを確認し,本人の希望もあり,赤血球輸血2単位を施行としたところ,全身倦怠感は改善し,ベッドから起きられるようになり,食欲,会話,ADLが改善しQOLが上昇した.

【スペシャル・アーティクル】

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CFS病名の淵源と疾患概念の変遷

 慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)は,1988年,ネバダ州Tahoe湖畔のInclineという町で慢性単核球症症候群類似の疾患が集団発生した時,米国CDCより18名の専門家が症例の臨床的特徴および疾患概念を検討したことに始まる.その結果,EBVが原因であるという証拠に乏しいことが判明したが,この病気をさらに検討するためには患者症例の質をできるだけ均一にすることを目的としたworking case definitionを作成した.その主症状である「長期にわたるだるさ」をそのまま病名に採用してChronic Fatigue Syndromeと命名した1).一般にHolmes Criteriaと呼ばれるものである.しかしこれが臨床の現場で用いられると,さまざまな問題が持ち上がった2).NIHはこれに対応するためにHolmes Criteriaを明確にするための勧告を行った(表1)3)

小児の慢性疲労 三池 輝久
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Case

患者:14歳,女子中学生.

家族歴:とくになし.

現病歴:4月,部活で小さなことから友人関係に緊張が始まり,次第に夜の寝つきが悪くなっていった.かなり悩んでいたがトラブルは1カ月ほどで解決することができた.ところが,入眠時間は0時を超えるようになり,2時過ぎまで寝つきが得られないため睡眠不足状態を続けながら朝は6時過ぎに起きて,部活の朝練に参加し授業も受けていた.6月に入りテストのために徹夜で勉強した日,帰宅と同時に眠ってしまったところ,翌日から朝起きが全くできなくなり睡眠時間も10時間を超えてしまい,起床が昼ころになって登校できなくなった.メラトニン,カタプレス,抗ヒスタミン薬などを使用し早寝早起き型生活に戻し元気になった.

Editorial

疲労とだるさと生活と 伊藤 澄信
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 私事であるが,最近「ごみ屋敷の清掃」に1カ月を費やし大変疲れた.日本家屋は押入れという広い収納スペースがある.そのなかには使わない物や使い古した物が集積している.もったいないという思想は大切である.しかしながら,ごみ屋敷というのは恐ろしいところで,押入れのなかから古い寝具とともにネズミやゴキブリの糞は出てくるし,家具の後ろには2cmほどほこりが堆積している.病気になるのが当たり前だと思った.ごみ屋敷に住んでいながら健康でいられる父親がおかしい.ごみ屋敷の主(母親)が喘息・心不全で入院したのを契機に主も同意したため片づけることができた.ごみ屋敷を整理して1カ月,母親の喘息発作は起きていない.吸入ステロイドのコンプライアンスがよくなったのかもしれないが,生活環境の重要性を改めて感じさせられた.

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病歴

患者:77歳男性.

主訴:嘔気,嘔吐.

現病歴:ADLは自立しており10月14日まではとくに問題なく日常生活を過ごしていた.10月15日から嘔気が出現し食欲が低下したため,経口摂取ができない状態となった.10月16日かかりつけ医を受診し,メトクロプラミド内服の処方を受けた.しかし嘔気は軽減せず,頻回に嘔吐するようになったため同日18時ごろ当院の救急外来を受診した.腹痛や下痢などほかの消化器症状はない.経過を通じて発熱なし.

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 2000年の介護保険法施行から10年が経ち,在宅ケアの現場の現在(いま)は,そして在宅ケアにかかわる意義とはどのようなものだろうか.

 フェミニスト社会学の旗手であり,近年は『当事者主権』『おひとりさまの老後』など介護・福祉分野でも数々の話題作を発表し,インタビュアーとしても卓越した腕を持つ社会学者の上野千鶴子氏.そして,東京・世田谷のプライマリ・ケア医/家庭医として,地域に根ざした在宅ケアにかかわる松村真司氏.本対談では,お二人それぞれの立場から「在宅のいま」をディスカッションしていただくことにより,在宅ケアにおける展望・課題とその魅力を明らかにします.(本対談は,全2回で掲載します)

シネマ解題 映画は楽しい考える糧[41]

「ミスト」 浅井 篤
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現代社会の縮図を観る「本当に怖い映画」

 久しぶりの「本当に怖い映画」でした.R15指定もうなずけます.普通のホラーは見ている間だけ恐怖を感じるわけですが,この作品は鑑賞中やその直後だけでなく,何日か過ぎた後でも恐ろしさがジワジワと持続し,その種類も多彩でした.スーパーマーケットという狭い閉鎖空間で物語のほとんどが展開しますが,退屈している暇などありません.「映画力」はリアルなCGや派手なアクションではなく,ストーリーと役者の演技,そして作品に含まれる人間についてのメッセージにあるのだと実感しました.ただ,金曜日の夕方に恋人や家族と観る映画ではありません.空腹時に,覚悟を決めて観てくださいね.

 ある日突然,正体不明の霧が発生したためにスーパーマーケットに閉じ込められた人びとの2日間が活写されます.情報が遮断され,状況がわからないことに対する恐怖,怪物に対する恐怖,狂信に対する恐怖,集団心理に対する恐怖,人間の本性に対する恐怖,人生の不条理に対する恐怖,銃に対する恐怖.まさにホラーのオンパレード.とりわけ私が怖いと感じたことを少し述べてみましょう.

IDATEN感染症セミナー 病院内/免疫不全関連感染症の考え方と進め方・1【新連載】

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IDATENとは?

 日本感染症教育研究会(Infectious Diseases Association for Teaching and Education in Nippon:以下IDATEN)は,日本の感染症診療と教育を普及・確立・発展させるために活動している団体です.2005年の1月に設立され,本年で6年目を迎えます.

 IDATENでは,現場の医師・医学生たちが,臨床感染症に関するPeer reviewed journalなどの良質の一次資料を通じて正しい知識を得ることを期待しています.良質な資料は英文が多いですが,英文の資料を読みこなすのはハードルも高いのが実情です.一方で邦文の良質な学習資材は数が少なく,多くの方が標準的な感染症診療の方法の学びに困難を感じています.これに対して,良質の教育資材を求める声がIDATENに多く寄せられてきています.

 IDATENではこうした切実な声に応えるべく,臨床感染症の良質な教育資材を提供していくための活動を行っています.昨年8月には,『市中感染症診療の考え方と進め方』(医学書院刊)を発行しました.そして,今年から来年にかけては,本連載および書籍『病院内/免疫不全関連感染症診療の考え方と進め方』の発行を行います.皆様の日常診療のお役に立てれば幸いです.

構造と診断 ゼロからの診断学・8

誤診から学ぶという話 岩田 健太郎
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内省とはつらくて孤独で含羞を伴うもの

■誤診をした.それもやってはならない,どうしようもない誤診だった.隣に窓でもあったら飛び降りたくなるような,拳銃でもあったら口に突っ込んで引き金を引きたくなるような誤診だった.後で診た救急の先生がさくっと診断して治してくださったことくらいが救いと言えば救いだった.しかし,そのありがたい先生にぼくの間抜けなカルテを見られた,という事実もあまりきまりがよいものではなかった.ぼくには少なからぬ虚栄心があり,その見栄が(患者を余計に苦しめた良心の呵責と同じかそれ以上に)自分を苦しめているのだということも自覚した.

■内省的学習,reflective learning,なんてかっこのよい言葉があるが,現実には「真の」内省的学習はこのように惨めでかっこわるいものである.だから内省的学習をしましょう,なんて明るく堂々と喧伝する感覚が理解できない.内省は大事なことだが,人前で喧伝したりおおっぴらに行うものではない(また,できるものでもない).「さあ,みなさんもごいっしょに,リフレクティブ・ラーニングウ!!! いち,にのさん!」なんて感じでやるものではない.

オバマ政権下の米国プライマリ・ケア事情[11]

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 米国でも人間の死についての概念は,日本と同様に百人百様にその受け入れ方が異なります.とくに多民族の米国では,宗教,道徳,文化が民族によっても違うので,なおさら複雑です.しかし,日米ともに回復の見込みのない患者への終末医療に関する対応は変わりつつあると言ってよいでしょう.今日,病気の性質や予後などから助かる見込みのない患者に対しては,肉体的,精神的苦痛を軽減することによってQOL(Quality of Life,生活や人生の質)を確保することが重視されるなど,総合的な医療が求められるようになりました.今回はこれらに関係する生命倫理と終末医療を取り上げます.

臨床の勘と画像診断力を鍛える コレクション呼吸器疾患[14]

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本連載では,沖縄県臨床呼吸器同好会の症例検討会をもとに,実況中継形式で読者のみなさんに呼吸器内科疾患を診る際のポイントとアプローチ方法を伝授したいと思います.宮城征四郎先生の豊富な臨床経験に基づいたコメントに注目しながら読み進めてください.画像診断のポイントと文献学的考察も押さえています.それでは早速始めましょう.今月のテーマは,胸痛にて救急搬送され多発結節性陰影を指摘された62歳男性に対するアプローチです.

基本情報

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JIM
20巻11号 (2010年11月)
電子版ISSN:1882-1197 印刷版ISSN:0917-138X 医学書院

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