特集 疲れとだるさ
【スペシャル・アーティクル】
慢性疲労症候群の歴史・変遷
橋本 信也
1,2
1日本疲労学会
2医療教育情報センター
キーワード:
慢性疲労症候群
,
慢性疲労症候群の診断基準
,
特発性慢性疲労
,
機能性身体症候群
,
身体表現性障害
Keyword:
慢性疲労症候群
,
慢性疲労症候群の診断基準
,
特発性慢性疲労
,
機能性身体症候群
,
身体表現性障害
pp.862-865
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102035
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CFS病名の淵源と疾患概念の変遷
慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)は,1988年,ネバダ州Tahoe湖畔のInclineという町で慢性単核球症症候群類似の疾患が集団発生した時,米国CDCより18名の専門家が症例の臨床的特徴および疾患概念を検討したことに始まる.その結果,EBVが原因であるという証拠に乏しいことが判明したが,この病気をさらに検討するためには患者症例の質をできるだけ均一にすることを目的としたworking case definitionを作成した.その主症状である「長期にわたるだるさ」をそのまま病名に採用してChronic Fatigue Syndromeと命名した1).一般にHolmes Criteriaと呼ばれるものである.しかしこれが臨床の現場で用いられると,さまざまな問題が持ち上がった2).NIHはこれに対応するためにHolmes Criteriaを明確にするための勧告を行った(表1)3).
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