特集 疲れとだるさ
【治療】
急性疲労回復のための知恵―スポーツ選手の疲労回復
丸山 麻子
1
,
桜庭 景植
1,2
1順天堂大学スポーツ健康科学部スポーツ医学
2順天堂大学大学院医学研究科スポーツ医学
キーワード:
筋疲労
,
軽運動
,
交代浴
,
ストレッチング
,
Active Rest(積極的休養)
Keyword:
筋疲労
,
軽運動
,
交代浴
,
ストレッチング
,
Active Rest(積極的休養)
pp.847-849
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102031
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疲労とは,ある作業を続けていると疲れを感じるとともに,作業量と作業効率が低下する状態であり,身体諸機能の低下した現象である1).スポーツにおける疲労の多くは“筋疲労”である.しかし,その要因に関しては,筋内への乳酸などの疲労物質の蓄積,エネルギー源の枯渇,筋温の過度な上昇,血液のうっ血および循環不全などいろいろな要素がからみ,いまだに複雑で不明な点は多い.また,それらに伴い筋活動が正常に行われなくなると,筋や腱のいわゆる硬さが生じ,筋力低下や関節可動域低下としてあらわれる.よって,スポーツ選手にとって,疲労の蓄積はパフォーマンスを低下させ,傷害発生の要因となる.そのため,運動中または運動後できる限り速やかに疲労回復を行う必要がある.
スポーツ選手において広く行われている疲労回復の手段としては,軽運動,ストレッチング,物理療法(ホットパック,アイシング,交代浴など),マッサージなどが挙げられる.
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