看護管理 22巻12号 (2012年11月)

特集 看護管理の実力をつけるマインド・スキル・ツールメソッド

  • 文献概要を表示

 マネジメントスキル・ワークショップの展開から1年が経過し,各施設・個人が組織のなかで具体的に看護管理として,実務に沿ったマネジメントに自信と成果を得たという報告が寄せられている。本稿では,看護界で必要とされるマネジメントスキルを身につけるM-S-Tメソッドの展開を紹介する。

 さらに,1年間の実績から施設・看護部・主任等の実務としての変容,これからの日本の看護管理者が自信をもち,元気に活動できる「実力を身につける」ノウハウを解説し,実例を報告する。

  • 文献概要を表示

 すべての看護師に必要とされるマネジメント能力をどのようにして手にいれるか。日本臨床看護マネジメント学会では,「看護管理者のためのM-S-Tメソッド マネジメントスキル・ワークショップ(以下,M-S-T研修)」を行なっている。本稿では,学会創設とワークショップ提供の目的を示し,特集の導入とする。

  • 文献概要を表示

 効果的なマネジメント・スキルの基本は,企業でも看護でも共通である。看護管理者に不足しているのは,学問と実践をつなぐノウハウと自信だ。本稿では,P&Gなどでの実践経験からマネジメントのノウハウを体系的にまとめた,M-S-Tメソッドとは何か紹介する。

  • 文献概要を表示

 師長の役割は「優秀なスタッフ」として働くことではない。本稿では,師長として,めざしたい職場を明確化し,部署の特徴を把握し,魅力ある職場づくりをしていくことを促す取り組み,看護管理者のためのマネジメントスキル・ワークショップを受講したことによる変化を紹介する。

  • 文献概要を表示

 看護師と看護補助者がどのように協働していくのか。単に役割分担をすればうまくいくことではない。本稿では,どのようなマネジメントスキルを学び,活用することで,成果が得られたのか。さらに,看護管理者がそこで何を感じ,自身の役割の見直しを図ったのかを具体例で紹介する。

  • 文献概要を表示

 看護師個々の活動計画は,組織目標達成のために,看護部目標,部署目標にあわせて立案される。本稿では,一方的に指示するのではなく,自ら考え,気づいていきながら,方針を共有するために行なった研修,それによる看護師長の考え方の変化を紹介する。

  • 文献概要を表示

 看護部の理念や活動方針,目標を,常に意識的かつ意欲的に共有し,具現化に向けて相互に歩み寄り,協力し合う基本的なマインドをもって選ばれた看護師長が,どのようにマネジメントスキルを獲得してくのか。そして,大学病院という大組織のなかで,効果的でシステマティックな教育・研修プログラムによって,どのような変化がもたらされたのかを示す。

  • 文献概要を表示

 組織の改革にはポジションパワーが必要となる。しかしそのポジションを手に入れても,使い方がわからなければ,組織は陳腐化していく。本稿では,管理職が管理業務を適切に行ない,病棟の問題を一つひとつ解決しながら,看護部長としての成長と部下である看護師長の成長を支援しながら,看護部という組織が進化していくプロセスを紹介する。

  • 文献概要を表示

 管理者個々の能力が高くとも,ノウハウが共有されていないと自信をもって管理を行なっていけないこともある。本稿では,日常に起こる看護管理上の問題を共有するとともに,師長・主任合同の研修を行なうことで,組織的に発展していく看護部をつくる取り組みを紹介する。

  • 文献概要を表示

 マネジメント能力という実力を身につけるためには,日々のトレーニングが欠かせない。本稿では,「M-S-Tメソッド 看護管理者のためのマネジメントスキル・ワークショップ(以下,M-S-T研修)」に加えて,日常のなかでもマネジメント力をトレーニングしていく方法を紹介する。

  • 文献概要を表示

マネジメントスキルを身につける方法は,基本的にはビジネスの世界でも,看護の世界でも変わらないという。

本稿では,一般企業における優れたマネジメントのノウハウを教示している高田誠氏の研修理論と臨床看護マネジメント学会が行なっている「看護管理者のM -S -Tメソッド マネジメントスキル・ワークショップ」を紹介し,これからの日本の看護管理者に求められるものを探る。

  • 文献概要を表示

 「医師不足」によって誘発された医学部新設をめぐる議論は,東日本大震災の勃発によって再燃し,くすぶり続けている。決定権を握る文部科学省は,医大や大学医学部の定員を操作することによって「不足」に対処するという従来の姿勢を崩していない。当然のことである。むしろ,いま為すべきことは,世界一の超高齢社会を支えるために必要なわが国の医療の形を国民とともに議論し,新しい医療を担う医師をどのように養成するかということではないか。

  • 文献概要を表示

はじめに

 2012(平成24)年度診療報酬改定は,①病院・病床機能の分化・強化と連携(急性期医療への医療資源の集中投入等),②在宅医療の充実,重点化・効率化等を着実に実現していくことが必要である,との基本方針のもと実施された。

 この基本方針は,「社会保障・税一体改革成案」(平成23年6月30日政府・与党社会保障改革検討本部決定)にもとづき,社会保障審議会において示されたものであり,今後の医療サービス提供体制を方向づけるものである。今後は,この「社会保障・税一体改革成案」に沿って,医療・介護サービス提供体制は構築されていくこととなる。

 図1は2025年に向けた医療・介護サービス提供体制の再編イメージである。2025年に向けて,「施設」から「地域」へ,「医療」から「介護」へとサービスの提供体制は変化する予定である。具体的な取組の方向性としては,「入院医療の機能分化・強化と連携」「在宅医療の充実」「在宅介護の充実」が挙げられている。

 そこで本稿では,2025年の医療・介護サービス提供体制の再編イメージを見据えつつ,今回の診療報酬改定でどのような変化が起こったのか,また今後起こるのか,そしてそれにどのように対応していけばよいのかを考えてみる。

 具体的にはまず,2012年度診療報酬改定における急性期入院医療の診断群分類にもとづく定額報酬算定制度(DPC/PDPS:Diagnosis Procedure Combination/Per-Diem Payment System)の改定内容や今後の方向性について説明する。

 次に,それらが実際の現場(DPC病院や看護部門)にどのような影響をもたらすのかについて検討する。最後に,DPC病院や看護管理者が,その影響にどのように対応していくのが望ましいのかについて考えてみたい。

  • 文献概要を表示

 「日本の介護保険を世界に冠たる制度に育てるのがライフワーク」という池田省三さんが,大腸がんの手術をしたのは2010年11月のこと。肝臓,肺などに転移したステージⅣで,「抗がん剤が効いても,余命は1年程度」とご家族は告げられていました。その後,化学療法と分子標的薬が効果を現し,がんの進行を抑え込んでいます。そんな池田さんにとって“良きケア”とは……。本誌シリーズ「患者の目線」シーン15(Vol.22 No.6)に続き,スペシャルバージョンをお願いしました。

連載 先を読むナースマネジャーのための発想法・11

  • 文献概要を表示

 「昨日と今日で,同じ日はない。昨年と今年で,同じ年はない」。映画のセリフみたいですが,看護の現場もしかり,です。ところが看護管理者の立場にあると,仕事が山積みで,何をしたらいいかわからない。だからつい,「今日も昨日と同じような仕事の仕方だとか,今年も昨年と同じような一年になりそうだ」と安易に思いがちです。少し気を緩めただけで,人は楽ができる安住の地を求めてしまいます。しかし,それでは組織や自身の成長は見込めないし,看護の質は発展しません。こんな気持ちになったときは,「いや,これではいけない。何か新しいことに取り組まなくては」と自分を奮い立たせてください。

 昨年と同じことに,今年も取り組む。これは前進ではなく後退を意味します。例えば,昨年の目標が10個あるとします。今年も同じ10個の目標を掲げても,そのうち3つは昨年中に解決してしまったとしたら,今年は7つの目標に対処することになります。それでは昨年培った10ある目標の達成に取り組むマンパワーを活かしきれていません。マンパワー活用の面で,昨年より後退しています。看護管理者は,新たに3つの目標を設定し直して,プラスに組織を前進させる役割です。

連載 職員の安心を支える病院デカ・11

  • 文献概要を表示

入電入電! 逆探! 逮捕!

 まさか病院内で,誘拐事件まがいの逆探知捜査(以下,逆探)が展開されるとは思ってもいませんでした。

 逆探とは,誘拐事件をはじめ,重要凶悪事件の捜査で犯人などから金銭の要求や脅迫があった場合の基本的な捜査手法です。昨今は,誘拐事件はあまり耳にしなくなりました。しかし,大事件はいつ起きるかわかりません。特に,身代金目的の誘拐事件の場合は,被害者を安全に救出することが最大の目的です。そのために,プロである警察官は,常に訓練に訓練を重ねています。私自身も何回となく,訓練はもちろんのこと,本番にも従事してきました。

連載 政治と看護の話をしよう!・9

  • 文献概要を表示

 多くの看護管理者にとって,年に一度の大イベントである日本看護管理学会年次大会が,残暑残る北海道で開かれた。2000人以上が参加した盛会であった。

 この学会はもともと日本看護政策研究会といっていた(英語名は今もJapan Academy of Nursing Administration and Policies)。そのころにも参加したことがあるが,名の通り看護政策について活発な議論があった。最近は看護管理が中心になり,政策に関わってきた者としては少しさみしい。しかし,パネルディスカッションなどでは,今話題の看護師特定能力認証制度など,政策課題にもスポットが当たっており,面目躍如か。

  • 文献概要を表示

 時代を問わず,子どもの死亡原因で上位を占めるのが「不慮の事故」である。事故後,突如訪れた限られた時間・空間のなかで,家族はさまざまな意思決定を求められる。そして,小児看護の領域においては,その意思決定が,治療に関わることだけでなく,成長・発達・教育に及ぶことも多い。

 本稿では,交通事故により回復の見込みが難しいとされた子どもの教育環境を巡り,母親の悩みに向き合う。専門看護師としてケアの対象者である家族と,現場の最前線で家族同様に思い悩むスタッフの意思決定をどのように支えるか。対象の真のニーズを明らかにし,それを叶えるために,どのように周囲を巻き込み環境を整えるか,そのプロセスを紹介する。

連載 師長の臨床・3

「知」の身体性 佐藤 紀子 , 中野 りか
  • 文献概要を表示

 連載の第3回目からは,師長の実践を,当事者である師長に具体的に記述していただき,その記述から「師長の臨床実践」を,読み解く試みをしようと考えている1,2)

 これからの3回は,昨年,私が講師として研修をお引き受けした,札幌市にあるKKR札幌医療センターの師長たちによって描かれた「師長の臨床」の事例を使うことにした。私はこの研修で,師長たちの描き出す臨床に豊かな看護を見出したと感じたが,この感覚は師長の実践に埋め込まれている看護学としての意味から生じるものであると確信している。その埋め込まれた実践知を私自身が確認するためにもこの仕事に取り組もうと思う。

連載 しなやかに家族を看護するスタッフに育てよう・5

  • 文献概要を表示

臨床場面

Aさんは60歳独居女性,脳梗塞のため近所の人が救急車を呼び入院した,妻と10代の息子がいる一人息子が遠方におり,急性期病院を退院時に同居を申し出たため,息子宅近くの当院(回復期リハビリテーション病院)に転院した。Aさんは,元気だったこれまでも頻繁に息子宅に滞在し,ゆくゆくは同居も考えていた。

 息子夫妻は,リハビリテーションに参加するAさんの姿に,「これまで入院していた病院とは違う,専門病院を探してここにきてよかった」と言った。それを聞いてN子は,安心できる家族だと思った。入院7週目,食事は粗刻みスプーン使用で問題ないが,車いすからトイレに移るときに1人では不安定なこと,入浴などに介護保険のサービスを提案されたころから,息子と連絡がつきにくくなった。

 退院期日が迫ってきたころ,息子が「本人には,今は施設に,もっと回復してから在宅へと話してほしい。でも,正直これからどうなるか不安だ」と訴えた。N子は,初期の家族アセスメントに誤りがあったのか,もっと早期にこの患者・家族にできることはなかったのか,悔やまれるうちにAさんは転院した。

連載 やじうま宮子の看護管理な日々・80

出来心実現化社会 宮子 あずさ
  • 文献概要を表示

盗撮事件が多すぎる!

 暑い夏もようやく終わり,やっと秋の気配です。この夏どうしても気になったことがあって,今回はそれを書かせていただきますね。

 何かといえば,新聞で見かけた盗撮事件の数。皆さんは,気になりませんでしたか? 8月中に報道された事件を見ると,以下のようになります。ちなみに( )内日付は容疑となる事件の日付。なかには8月より前のものもあるのですが,報道された時点で8月だったものを集めてみました。

連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・80

  • 文献概要を表示

 この夏,私が撮り溜めてきた雲の写真の一部をはじめて公開した写真展が,長野県安曇野市の有明岳麓にある絵本美術館森のおうちで,2か月間,開かれた。中学生のころから雲を観察するのが好きで,気象台の測候技士になりたいほどだったが,雲の写真を積極的に撮るようになったのは,50歳を過ぎたころからだった。撮り溜めてきた雲の写真は1万枚を超えているだろう。

 珍しい形の雲,いろいろな動物や魚の形の雲,美しい感動的な雲など,雲の世界は変化に富んでいて飽きることがない。いつの日か,雲の写真集や雲の絵本をつくりたいと思ってきた。雲と文学,わが町の雲,雲のカーニバル,モニュメントと雲,などなどの構想を心に描いてきた。

  • 文献概要を表示

 さる9月1日,聖路加看護大学にて日本医療・病院管理学会第308回例会が開催された。ここでは,「わが国の病院に勤務する看護師の交代制勤務のあり方に関する研究」(文部科学省科学研究費平成22~24年度基盤研究/研究代表者 井部俊子)をもとに,欧州の病院の調査と日本の病院の事例報告から,「日本の病院勤務看護師の新たな勤務体制のあり方」が議論された。

  • 文献概要を表示

 さる7月27日,東京慈恵会医科大学を会場にHKO会第9回勉強会が開催された。弊誌連載でもその活動が報告されている「HKO(ホスピタル・警察・OB)」会は,2004年に警視庁刑事部捜査第一課を退職後に慈恵医大に入職した横内昭光氏が事務局となり,病院内のよりよい安全確保に向けて雇用されている警察OB病院職員のネットワークを広げるために設立された。勉強会の開催は今年で9回目となり,首都圏だけでなく,北海道,東北,大阪,福岡など全国から137名(警察OB121名,病院関係者16名)の参加があった。

  • 文献概要を表示

看護師による日々のケアの質を変える

 ある学会の懇親会の場で,久しぶりに出会った友人に「肩凝っているのでは?」と問われ,「すごく凝ってる。パソコンに向かい過ぎかしら……」と答えた私の右手の人差し指の根元を,彼女は「ちょっと失礼」と言うが早いかぎゅっとつまんだ。あっけにとられながら,そのまま首をぐるぐる回してみると,首筋から肩胛骨にかけて突っ張っていた感じが取れているのを感じた。これがM-Testとの最初の出会いであった。

 本書によると,M-Testとは経絡テストのことで,「からだの動きを負荷することで,経絡・経穴の異常を見つけ出す診断治療体系」のことをいい,その特徴は,西洋医学では見えてこない病気の側面を観察しながら,個々の患者の症状発現の背景をその人の日常生活動作から発見できるという。友人は,この技術を看護師がマスターすれば,かなり応用範囲が広がるはずとも言った。

DVD評

  • 文献概要を表示

“看護技術を支える要素”をほぼ網羅

 社会情勢,医療情勢の変化に伴い,看護師には多種多様な知識・技術が求められている。しかし,最近は,結婚・介護などで離職した後,復職してくる者が増えており,基礎教育を終えたばかりの新人看護師も多い臨床現場での実践能力は十分とはいえない状況にある。安全な医療・看護を提供するには,入職後の教育が重要となっている。

 当院看護部には部署の教育の支援や教育環境の整備,研修運営など教育体制づくりを担う教育専従看護師が配置されている。新年度の4月は,新人看護師と復職者に対し,基本的な技術・知識・態度についての集合研修を行なっている。

--------------------

INFORMATION

今月のPick Up

投稿規定

バックナンバーのご案内

次号予告・編集後記 西窪 金子

基本情報

09171355.22.12.jpg
看護管理
22巻12号 (2012年11月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

文献閲覧数ランキング(
5月20日~5月26日
)