連載 先を読むナースマネジャーのための発想法・11
―多様性を重視していく その3―多様な看護を引き出す組織にする
坂本 すが
1
1日本看護協会
pp.1075
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102618
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「昨日と今日で,同じ日はない。昨年と今年で,同じ年はない」。映画のセリフみたいですが,看護の現場もしかり,です。ところが看護管理者の立場にあると,仕事が山積みで,何をしたらいいかわからない。だからつい,「今日も昨日と同じような仕事の仕方だとか,今年も昨年と同じような一年になりそうだ」と安易に思いがちです。少し気を緩めただけで,人は楽ができる安住の地を求めてしまいます。しかし,それでは組織や自身の成長は見込めないし,看護の質は発展しません。こんな気持ちになったときは,「いや,これではいけない。何か新しいことに取り組まなくては」と自分を奮い立たせてください。
昨年と同じことに,今年も取り組む。これは前進ではなく後退を意味します。例えば,昨年の目標が10個あるとします。今年も同じ10個の目標を掲げても,そのうち3つは昨年中に解決してしまったとしたら,今年は7つの目標に対処することになります。それでは昨年培った10ある目標の達成に取り組むマンパワーを活かしきれていません。マンパワー活用の面で,昨年より後退しています。看護管理者は,新たに3つの目標を設定し直して,プラスに組織を前進させる役割です。
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