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はじめに
2012(平成24)年度診療報酬改定は,①病院・病床機能の分化・強化と連携(急性期医療への医療資源の集中投入等),②在宅医療の充実,重点化・効率化等を着実に実現していくことが必要である,との基本方針のもと実施された。
この基本方針は,「社会保障・税一体改革成案」(平成23年6月30日政府・与党社会保障改革検討本部決定)にもとづき,社会保障審議会において示されたものであり,今後の医療サービス提供体制を方向づけるものである。今後は,この「社会保障・税一体改革成案」に沿って,医療・介護サービス提供体制は構築されていくこととなる。
図1は2025年に向けた医療・介護サービス提供体制の再編イメージである。2025年に向けて,「施設」から「地域」へ,「医療」から「介護」へとサービスの提供体制は変化する予定である。具体的な取組の方向性としては,「入院医療の機能分化・強化と連携」「在宅医療の充実」「在宅介護の充実」が挙げられている。
そこで本稿では,2025年の医療・介護サービス提供体制の再編イメージを見据えつつ,今回の診療報酬改定でどのような変化が起こったのか,また今後起こるのか,そしてそれにどのように対応していけばよいのかを考えてみる。
具体的にはまず,2012年度診療報酬改定における急性期入院医療の診断群分類にもとづく定額報酬算定制度(DPC/PDPS:Diagnosis Procedure Combination/Per-Diem Payment System)の改定内容や今後の方向性について説明する。
次に,それらが実際の現場(DPC病院や看護部門)にどのような影響をもたらすのかについて検討する。最後に,DPC病院や看護管理者が,その影響にどのように対応していくのが望ましいのかについて考えてみたい。
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