書評
M-Test―経絡と動きでつかむ症候へのアプローチ
川嶋 みどり
1
1健和会臨床看護学研究所
pp.1071
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102615
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看護師による日々のケアの質を変える
ある学会の懇親会の場で,久しぶりに出会った友人に「肩凝っているのでは?」と問われ,「すごく凝ってる。パソコンに向かい過ぎかしら……」と答えた私の右手の人差し指の根元を,彼女は「ちょっと失礼」と言うが早いかぎゅっとつまんだ。あっけにとられながら,そのまま首をぐるぐる回してみると,首筋から肩胛骨にかけて突っ張っていた感じが取れているのを感じた。これがM-Testとの最初の出会いであった。
本書によると,M-Testとは経絡テストのことで,「からだの動きを負荷することで,経絡・経穴の異常を見つけ出す診断治療体系」のことをいい,その特徴は,西洋医学では見えてこない病気の側面を観察しながら,個々の患者の症状発現の背景をその人の日常生活動作から発見できるという。友人は,この技術を看護師がマスターすれば,かなり応用範囲が広がるはずとも言った。
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