連載 専門看護師の臨床推論・11
母親が子どもにしたいことを実現する―ベッド上で行なわれた卒園式・入学式
渡邊 輝子
1
,
大生 定義
2
,
井部 俊子
3
1済生会横浜市東部病院
2立教大学
3聖路加看護大学
pp.1078-1081
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102621
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時代を問わず,子どもの死亡原因で上位を占めるのが「不慮の事故」である。事故後,突如訪れた限られた時間・空間のなかで,家族はさまざまな意思決定を求められる。そして,小児看護の領域においては,その意思決定が,治療に関わることだけでなく,成長・発達・教育に及ぶことも多い。
本稿では,交通事故により回復の見込みが難しいとされた子どもの教育環境を巡り,母親の悩みに向き合う。専門看護師としてケアの対象者である家族と,現場の最前線で家族同様に思い悩むスタッフの意思決定をどのように支えるか。対象の真のニーズを明らかにし,それを叶えるために,どのように周囲を巻き込み環境を整えるか,そのプロセスを紹介する。
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