看護管理 20巻7号 (2010年7月)

特集 NSTが実現する医療の質向上――診療報酬改定をさらなる契機に

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2001年頃から各施設で栄養サポートチーム(以下,NST)の発足が始まり,2006年の診療報酬改定で,「栄養管理実施加算」が新設されたことを契機に一気に弾みがついた。そして,2010年の診療報酬改定では,「栄養サポートチーム加算」(週1回200点)が新設された。専任チームのなかに1名の専従要件がついたことにより,ハードルの高いものとなったが,より質の高いNST活動に向けた価値あるインセンティブである。

この機に,わが国全体のNSTにかかわる看護師の活動実態,院内でのより質の高いNST活動に向けた組織づくり,在院日数の短縮が進むなか,地域・在宅と連携した地域一体型NST体制の構築に向けた取り組みをご紹介し,NST活動をブラッシュアップしていただく機会としたい。

*なお,栄養サポートチーム加算の詳細については本文568ページからの矢吹浩子氏の稿をご参照ください。

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はじめに

 栄養療法はすべての治療法の根幹にかかわる重要な患者ケアであり,今ではその重要性が周知され,栄養サポートチーム(Nutrition Support Team:以下,NST)の活動が普及しているが,わが国におけるNSTの歴史は浅く,ほんの十数年前まではNSTという言葉自体ほとんど知られていなかった。

 わが国では,1998(平成10)年に鈴鹿総合中央病院が初めて全科型NSTとして活動を始めて以来,NSTは徐々に普及し,2004(平成16)年に日本医療機能評価機構の病院機能評価Ver.5.0の評価項目で栄養管理組織の設置や栄養管理の組織横断的実践を取り上げられた頃から,NSTを設置する医療施設は急激に増加した。現在,日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)によるNST稼動認定施設は1355施設である。また今年度の診療報酬改定で栄養サポートチーム加算が新設されたことから,NSTの設置施設は今後ますます増加していくであろう。

 ところで,栄養管理は,「栄養」という言葉に管理栄養士の専門領域というイメージがあり,看護ではなかなか研鑽の進まなかった領域である。

 しかし,ベッドサイドケアを担う看護師にとって栄養管理は,実のところ,きちんと修得しておかなければならない知識と技術である。看護師による観察と正確な実施技術がなければ,良質の栄養管理は行なえないといっても過言ではない。医療の質向上のために,栄養管理において看護師および管理者がすべきことは,NSTをいかに活性化させ,栄養管理活動にいかに参加するかである。

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 2006(平成18)年の診療報酬改定において,栄養管理実施加算が算定されるようになった時には,病院の職員に栄養管理の大切さを理解してもらえる良いきっかけになった。そして,ついに今回2010(平成22)年には,栄養サポートチーム加算(以下,NST加算)が算定できるようになった。

 栄養管理実施加算は,すべての患者さんの栄養状態に注意することを喚起したが,NST加算は,栄養管理は多職種のチームで行なうべきこと,栄養不良の患者さんの栄養状態を改善することで,合併症が減り,早く病気が治ることが認められたと思われる。

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 新日鐵八幡記念病院(以下,当院)は,政令都市の中でも最も高齢化が進む福岡県北九州市に位置する。私は,これまで同病院のICUで10数年スタッフ,主任として勤務,以後外科病棟・循環器・脳卒中病棟主任,師長を得て現在外来部門の腎センター師長とNST職能委員の看護師長の役割を担っている。現在の職能委員の看護師長の立場から当院NST活動の現状を述べる。

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全病棟に栄養管理担当看護師委員会を配置した経緯

 久留米大学病院(以下,当院)のNST活動は全科型として2004(平成16)年度から病院長直属の「NST運営委員会」として活動を開始した。NST運営委員会は,医師,看護師,薬剤師,栄養士,臨床検査技師および医事課や情報システム室などのスタッフがチームとなり,患者によりよい栄養療法が提供できることを目的としている。

 図1は当院におけるNSTチーム医療の概念図である。NST専門療法士は看護師18名,薬剤師3名,栄養士6名,臨床検査技師3名の合計30名で,各診療科の医師・看護師から栄養管理に関する相談を受けたり,情報提供を行なうことで,よりよい医療が提供できるための役割を担っている。

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はじめに

 石川県輪島市は能登半島の北西部にあり,沖合い48kmには離島「舳倉島」がある。2006(平成18)年には当時高齢化率48%であった隣の門前町と合併し,県下で3番目に面積が広い市となった。しかしながら2010(平成22)年5月現在,人口は31,913人と少なく,高齢化率は約37%と高い。輪島市の中心部から県都金沢市へは120kmの距離で車では約2時間かかる過疎地である。

 このようななか,市立輪島病院(以下,当院)は少子高齢化,過疎化が進む能登半島北部の中核病院,市内唯一の自治体立病院として地域住民のニーズに応えるべく鋭意努力している。医師の異動も多く,専門医数も少ないなかで(表1),2004(平成16)年4月に栄養サポートチーム(以下,NST)を立ち上げ,看護師やコメディカルが中心となって活動してきた。一方,能登NST研究会は,能登中部以北の自治体病院などの有志が集って同年11月に発足し,現在まで多職種が連携し,活発に活動を行なっている。本稿では能登地区におけるNST活動の軌跡と能登脳卒中地域連携パスにおける栄養情報共有化までの取り組みを報告する。

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 クリニカルパス,電子カルテシステムをいち早く導入し,医療の標準化,地域連携を推進する前橋赤十字病院では,2002(平成14)年に栄養サポートチーム(以下,NST)を立ち上げた。

 本年の診療報酬改定において,栄養サポートチーム加算が新設され,チームの構成スタッフのうち1名を専従配置することなどにより,200点(週1回)の加算が算定可能となった。しかし,構成メンバー4職種のうち1名の専従要件がついたことから,特に看護師を専従とした算定はハードルが高くなっている。

 必要な患者にもれなく栄養管理を実施するためには,病棟のスタッフナースによるアセスメントが不可欠であり,その最終的なスクリーニングなど質管理を統括する役割として,NST専従の任を,看護師が務めることは理にかなっているのではないだろうか。

 そのようななか,前橋赤十字病院では,他施設に先駆けてNST専任チームに看護師を専従配置し,加算算定を5月から開始している。本誌では,同院NST設立以来のメンバーで,専従看護師を務める伊東七奈子氏に専従としての活動の実際や組織づくり,教育的かかわりについて話を伺うとともに,1日同行取材を行なった。

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 群馬県ドクターヘリの運用に参画し,前橋保健医療圏のみならず,群馬県全体の保健医療の質改善に貢献している前橋赤十字病院(以下,同院)には,クリニカルパスの先駆的な導入などを背景に,標準的医療・質改善の文化が全職種に浸透し,NSTをはじめとするチーム医療が有機的かつ職種横断的に展開されている。毎年,多くの新人看護師,初期研修医を迎える「教育病院」でもある同院では,多職種が「教え―学び合う」体制も当たり前のものとなっているが,この基盤を質の高いチーム医療が担っていることは言うまでもない。

 在院日数の短縮化に伴い,栄養状態が十分に改善しないまま急性期病院を退院する患者も少なくない。同院では栄養サポートを通じた地域連携ネットワークである「群馬NST研究会」を主宰し,後方施設や在宅関係者との情報交換,学習の場を,月1度の頻度で開催したり,近隣施設と「前橋胃ろうネットワーク」を発足するなど,患者がQOLを高め,ADLを維持・向上しながら生活していくための院内外での栄養管理を支援している。

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 慢性的な人員不足に悩む医療界。なかでも看護の領域では,看護師不足を解消する一方策として,組織における看護人員の適正配置を目的とした看護必要度を導入,活用してきた。

 また,それと並行して日本看護協会や各病院組織による離職防止や多様な働き方の導入など,看護師不足解消への取り組みを継続しているが,いまだ解決したとは言えないのが現状である。

 以前,弊誌では同様の事態に陥った英国において,ナショナルヘルスサービス(以下,NHS)が政策としてどのように看護師不足に取り組み,解消させていったか,その道筋を当時NHS国家労働力開発検討委員であったJames Buchan氏に聞いた(弊誌13巻4号「看護労働市場に対する英国政府の介入」)。

 NHSの取り組みから7年後の現在,日本を含む世界の経済情勢の悪化から,政策を転換しつつある英国の現状について,そしてその英国が辿った道程から日本はどのような方向に進むべきか。再び来日したJames Buchan氏に聞いた。

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「知」という林檎に手を伸ばす人

 この連載は,成長したい,成長してほしいという人に役立つことを望んで書いています。私も成長したいと切望しています。向上心にあふれた看護師さんに会ったときなど一層,その感は高まります。その強い気持ちは,就職や昇進,資格取得のためなど外からのものでなく,成長したい,伸びたいという,内深くから湧きあがる本能や欲求に似ています。それはきっと生命ある者はみな水や栄養を身体が欲するように,すべての人に「知」という林檎を求める精神が内在しているのではないかと思います。特に看護師さんは目の前に患者さんをよくしてあげたいという明確なモチベーションがありますから,知を得たい,学びたいという成長欲求は一層強いものがあります。そして師長など看護管理者の人はみな,スタッフに自ら「知」を獲得する人であってほしい,その成長欲求をずっと持ち続けてほしいと願っています。

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●目的

 2006,2007(平成18,19)年度において,横浜市立大学医学部看護学科(以下,本学科)の実習施設の実習指導者を対象として,「経験型臨地実習指導者研修会」(以下,研修会)を実施した。この研修会の目的は,リフレクションやロールプレイングの手法を用い,自己や他者,教育観などへの気づきを高め,より自分らしい指導を意識化することであった。今回,2007年度に実施した研修会前後での参加者の変化を比嘉1-3)が開発した神気性評定尺度(Spirituality Rating Scale,以下,SRS)を用いて,研修会参加者(以下,参加者)の「心の持ちようや実習指導に対する感じ・思い」を分析し,効果的な指導者育成のあり方を検討したので報告する。

短期連載 ナースのストレスマネジメント・3

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 今回は特に初期キャリアといわれている年代について取り上げてみたいと思います。ここでいう初期キャリアとは,5月号でも説明したとおり,経験7,8年目の20代後半までの看護師を意味する言葉として使いたいと思います。いわゆる中堅看護師という分類に入ってくる年代であり,特にストレスが強い年代といわれています。

 ある文献によると,中堅看護師のストレス調査で高い順から,日勤リーダー業務(89%),夜勤リーダー業務(85%),責任の重い係活動の委譲(84%),急変時の対応・リーダーシップ発揮で係活動・リーダーとしての発言や医師との意見交換・状況を総合的にまとめ上司へ報告(80%前後),リーダーとして信頼されるようにする・リーダーとしての自覚・自己啓発・後輩フォロー・チーム医療間の問題を上司へ報告・医師への報告(70%台)だったという報告があります。この結果を見るだけでも,初期キャリアナースにはリーダーシップという役割が強く求められており,それだけストレスが高いというのが分かります。

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名古屋セントラル病院は2006(平成18)年7月に開院した。病院の過当競争状態にある名古屋医療圏にあっては最後発組とも言える。だが来歴をたどれば,前身の名古屋鉄道病院の創設は大正時代にさかのぼることができる。いわゆる老舗病院である。しかし長年の鉄道病院のイメージが災いして一般には無名の老舗病院であったがゆえに,先端医療機器を揃えたり,全室個室にしたりと知恵を絞った。開院して4年が経過するなかでスタッフが充実し,医療実績が形となって現れ始めたことで,評価も定着し,2009(平成21)年度には病院機能評価の認定も受けた。5年目に入った同院はどのような病院を指向するのか? どんな医療を提供するのか? 激戦のなか,どう頭角を現そうとしているか? 同院の若いリーダー4人にそれぞれの所信や思いをうかがった。

連載 サービス・イノベーションの経営学・7

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医療の世界はまさに異分野の知見が影響を与えあって融合している進化の坩堝です。また医療・看護界を取り巻く諸問題も,単一のアプローチではなかなか解決ができません。看護管理に関与する方々にとっても,看護の世界に閉じこもるのではなく,あえて異分野に越境して問題にアプローチする「視野と行動の幅」の広さが求められます。この連載では,サービス・イノベーションという切り口から,「視野と行動の幅」を拡げる機会を読者の方々と共有したいと思います。

ブログ『マネジメント徒然草』を更新中。ご質問などはTwitterをお使いの方はhttp://twitter.com/HiroMatsushitaまで。e-mailの方は,hiromat@cc.tuat.ac.jpまで。

連載 スタッフの倫理的感受性を高める ナースマネジャーがともに考える臨床倫理――臨床看護師が直面する倫理的ジレンマを紐解く・7

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看護師と臨床研究

 近年多くの看護師が,妥当で信頼性のある研究によって,良い看護ケアの根拠を示すことに価値と関心をもち,患者にとって効果的で,疾病からの回復を促進するような看護ケアの研究に従事している。

 また,他の医療者が行なう研究に参加したり,研究参加を検討している患者や研究対象者のケアを担当することもある1)。いずれの場合においても,看護師は研究の倫理的な問題点について理解し,自身が担当する患者や研究参加者を無用の危害から守る責任がある2)。日本看護協会の「看護研究における倫理指針」では,看護研究に関する倫理的配慮が分かりやすくまとめられているので,看護スタッフの計画・実施する臨床研究を指導される際には,ぜひ参照されたい3)。またこの機会に,2008(平成20)年に改正された世界医師会のヘルシンキ宣言や,それに基づく臨床研究に関する倫理指針にも目を通したい。

連載 看護と医療政策を考えるヒント・16

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 ある日の急性期病院での出来事です。

 ……某日。89歳女性。救急で急性心筋梗塞と診断,当病院へ搬送。心電図を測定すると重度の不整脈で,直ちにペースメーカーを入れる必要あり。腎不全も併発し時間とともに心不全が進行することが懸念。担当医から家族に現在の診断と状況を説明。家族は「やれることはすべてやってください!」とフルファイトの依頼。直ちに体外式ペースメーカーが施行され心カテを開始。PCIを行なうが70%の回復。全身管理が必要なためPCPSを回す必要あり。

連載 ヒトを育てる秘訣・3

「シンプルに伝える」 渋谷 美香
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理解してもらいたい!と思うと,つい話が長くなることがあります。

「はい! わかりました!」と相手の反応があると,すぐ終わるのに無反応や首をかしげる動作,明らかに話を受け流している表情に自分が気づいてしまうと「それでね,こうなってね。たとえばね……」と,畳みかけるように話すこと,ありますよね。

連載 王様の耳はパンの耳――この国の看護のゆくえ・14

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 医療における情報化に向けたITの活用は,2001(平成13)年12月に策定された「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」にもとづいて,厚生労働省を中心に推進されてきました。このグランドデザインでは,今後の医療がめざすべき姿として「患者の選択の尊重と情報提供」「質の高い効率的な医療提供体制」「国民の安全のための基盤づくり」の3点が示され,「医療の将来像を踏まえた医療の課題と情報化」「医療情報システム構築のための戦略」「情報化の進展に伴う保健医療福祉総合ネットワーク化への展開」が展開されてきたのです。

 電子カルテ導入初期の時代を過ぎ,新人看護師として就職したときから電子カルテのある環境で育ってきたという看護師も数多く誕生しています。私たちの看護実践は,どのように影響を受け,今後どのように変化していくのでしょうか。

連載 スクラブナース6年生・62

口腔ケア 鈴木 美穂
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 アメリカ人の歯列は美しい。渡米して最初の数年はあまり日本のテレビを見ることもなかったので,目がアメリカ人のスマイルに慣らされてきたころ,たまに日本のテレビを見ると,まず目に留まるのがタレントの歯列の悪さだったというほどである。日本では八重歯がチャームポイントにもなり,アメリカとは歯列の審美に対する基準が違う。

 デンタルコンシャスでないかといえば,間逆で,日本人は相当歯磨きが好きだ。毎食後磨かなければ気がすまないという人も少なくないだろう。歯ブラシのヘッドは年々小さくなり,大人用のものも乳児用のものと見間違えるほどだ。対照的に,アメリカでは毎食後磨く人などついぞ見かけず,歯列が整っていると歯磨きが容易なのか,歯ブラシは一度に5本は磨ける大きさだ。この10年間,歯ブラシのヘッドが小さくなる傾向もみられない。

連載 やじうま宮子の看護管理な日々・52

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半年の苦悩が形になりました

 5月12日,ナイチンゲール生誕の良き日に,私は博士論文の研究計画書を大学に提出しました。わざわざこの日を選んだのではありません。この日の13時が提出期限。つまり,締め切りぎりぎりの提出だったのです。

 山のように本を読み,何度も迷宮に迷い込みながら,方向性が決まってきたのが去年の12月。それから半年,長い追い込みが続きました。

連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・57

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 手紙を書くというのは,おっくうなことと思う人が少なくないようだ。何かの礼状ひとつにしても,早く出さなければと思いつつも,1日のび,1週間のびてしまう。遅れたからには,それなりの事情やいろいろと近況も加えなければと思うと,ますます負担感がつのって,時間がかかることになる。私もそのひとりで,反省することしきりだ。そこに“革命”を起こしたのが,ケータイやパソコンによるメールの登場だ。メールとなると,「拝啓」とか季節のあいさつなどの前置きはいらないし,用件や気持ちをずばっと短文で打ち込めばいい。いまや,家族,友人,仕事関係などで,時間刻みあるいは分刻みのスピードでメールが飛び交っている。何と便利なコミュニケーション手段が発明されたことかと思う。

 しかし,メールにも“落とし穴”がある。手紙の場合は,じっくりと考え,言葉や表現に気を遣い,文脈というものを大事にする。時間がゆっくりと流れ,相手に対する気遣いのゆとりもある。自分の手を使って一字一句に思いをこめて,文字の字画をたどっていく作業の過程では,自分が書いている言葉を,視覚をとおして客観視し,もう一度脳内で咀嚼するという営みがなされる。そこがスピードと簡潔さを優先するメールと,本質的に違うところだ。メールはどうしても発信者からの一方的な言葉の投げかけになりがちだ。

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患者の栄養管理をするのは誰?

 机上で考えれば,栄養のことなら栄養士ということになる。同様に,薬のことなら薬剤師,処置や観察なら看護師と単純に考えられがちであるが,実際の現場では決してそうではない。

 かつて友人が消化器系のがんの手術をしたあと,手術はうまくいったと言われながら急激に廋せていったのを目にした。見舞いに行った病室で,彼女はか細い声で「口から食べられないから」と言った。このとき,何が起こっているのか,手術でなぜこれほど廋せてしまったのか,手術と栄養状態の関連はどうなっているのか,このままではがんではなく栄養失調で死んでしまうのではないか,と不安になったことを覚えている。

基本情報

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看護管理
20巻7号 (2010年7月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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