連載 スタッフの倫理的感受性を高める ナースマネジャーがともに考える臨床倫理――臨床看護師が直面する倫理的ジレンマを紐解く・7
研究倫理:研究における利益と負担
竹之内 沙弥香
1
,
田村 恵子
2
,
浅井 篤
3
1京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻臨床看護学講座
2淀川キリスト教病院
3熊本大学大学院生命科学研究部生命倫理学分野
pp.616-621
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101788
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看護師と臨床研究
近年多くの看護師が,妥当で信頼性のある研究によって,良い看護ケアの根拠を示すことに価値と関心をもち,患者にとって効果的で,疾病からの回復を促進するような看護ケアの研究に従事している。
また,他の医療者が行なう研究に参加したり,研究参加を検討している患者や研究対象者のケアを担当することもある1)。いずれの場合においても,看護師は研究の倫理的な問題点について理解し,自身が担当する患者や研究参加者を無用の危害から守る責任がある2)。日本看護協会の「看護研究における倫理指針」では,看護研究に関する倫理的配慮が分かりやすくまとめられているので,看護スタッフの計画・実施する臨床研究を指導される際には,ぜひ参照されたい3)。またこの機会に,2008(平成20)年に改正された世界医師会のヘルシンキ宣言や,それに基づく臨床研究に関する倫理指針にも目を通したい。
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