特集 NSTが実現する医療の質向上――診療報酬改定をさらなる契機に
地域が一体となった栄養サポートチーム体制づくり―能登地域の取り組みから
中村 悦子
1,2
1市立輪島病院看護部
2能登NST研究会事務局
pp.582-586
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101781
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はじめに
石川県輪島市は能登半島の北西部にあり,沖合い48kmには離島「舳倉島」がある。2006(平成18)年には当時高齢化率48%であった隣の門前町と合併し,県下で3番目に面積が広い市となった。しかしながら2010(平成22)年5月現在,人口は31,913人と少なく,高齢化率は約37%と高い。輪島市の中心部から県都金沢市へは120kmの距離で車では約2時間かかる過疎地である。
このようななか,市立輪島病院(以下,当院)は少子高齢化,過疎化が進む能登半島北部の中核病院,市内唯一の自治体立病院として地域住民のニーズに応えるべく鋭意努力している。医師の異動も多く,専門医数も少ないなかで(表1),2004(平成16)年4月に栄養サポートチーム(以下,NST)を立ち上げ,看護師やコメディカルが中心となって活動してきた。一方,能登NST研究会は,能登中部以北の自治体病院などの有志が集って同年11月に発足し,現在まで多職種が連携し,活発に活動を行なっている。本稿では能登地区におけるNST活動の軌跡と能登脳卒中地域連携パスにおける栄養情報共有化までの取り組みを報告する。
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