看護管理 18巻9号 (2008年8月)

特集 産科医療の充実と看護管理―院内助産所・助産師外来を中心に

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産科医不足などを理由にした産科診療の休止,その煽りを受けた1施設あたりの分娩件数の増大,産科救急受け入れ体制の不備など,産科医療をめぐる状況の厳しさが取沙汰されている。そのなかで,病院勤務の助産師が自立して正常妊婦の健診を行なう「助産師外来」,さらには助産所と同じ機能をもつ「院内助産所」の取り組みが注目され,厚生労働省や日本看護協会の支援も始まっている。

本号では看護管理の視点から,院内助産所・助産師外来実現のポイントを探り,あわせて産科診療の休止と再開を経験した公的病院における看護管理者の対応を報告する。産科医療の充実にはスタッフだけでなく看護管理者の理解と行動が不可欠であることを学びたい。

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はじめに

 現在の産科医療は,分娩場所が自宅分娩95.5%(1950)から施設内分娩99.8%(2006)へ,分娩の介助者が助産師79.6%(1950)から医師99%(1990)へと変化している1)。また妊産婦死亡率は176.1(1950)から劇的に低下して4.4(2004)となり2),施設での分娩により安全性が確保されつつある。

 そして,保健政策においても,厚生労働省の2010年までの行動計画である「健やか親子21」の中で「妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保」を提言し,産科医療のめざすところとなっている。加えて,女性の出産に関する意識は,安全だけではなく,個々のライフスタイルに合わせた形を求めるものになってきている。このように,妊産婦の生命を守り,快適性を確保するという視点において,助産師が医師と協働することは必須であり,産科医の不足3)からも,産科医療を担う一員として助産師の果たす役割は大きい。

 大森赤十字病院(以下,当院)では,助産師が主体となって妊婦健康診査(以下,妊婦健診)を実施する「助産師外来」の開設に向けて取り組んだ。本稿では,この経過を通じ,産科医療における看護管理者としての役割を考えたい。

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はじめに

 わが国の分娩場所の推移をみると,1965(昭和40)年には自宅分娩と施設分娩は半々であったが,現在では99%以上が施設となっている。施設分娩の増加に呼応するように乳幼児死亡率は減少し,出産の安全性を高める大きな役割を果たしてきたといえる。主要な母子保健指標である周産期死亡率は2004(平成16)年に3.3(出生1000対),妊産婦死亡率に関しては4.4(出生10万対)となり,国際比較でもトップクラスの水準となっている。この背景には安全を最優先してきたことが大きな要因としてあげられる。

 しかし,現在では「お産難民」「産科医療崩壊」などと表現されるように分娩施設の存続が危機にさらされている。一方では,出産の安全に加え,数少ない出産をよい体験にしたいという妊産婦とその家族のニーズは高まっている。妊産婦の意思が尊重され,できるだけ希望に沿った出産が実現できるように,バースプランをはじめとして,医療者とともに出産を考えていくような産科医療が実現しつつある。

 このように相反するともいえる2つの課題,すなわち産科医療施設減少と多様化する出産ニーズに応えるために,助産師を活用した本格的な次世代に通用する産科医療提供システムの構築が急がれている。

 本稿では産科医療の実態と,日本看護協会のこれまでの取り組みおよび新たな支援策を踏まえ,助産師活動の今後の可能性と課題について述べる。

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院内助産所・助産師外来への期待とその背景

 厚生労働省(以下,厚労省)では,さる3月20日に「院内助産所・助産師外来を進めよう――先駆事例に学ぶ」と題するシンポジウムを開催し,多くの参加を得て先行施設の実践を共有しました。また,2008年度予算において,院内助産所・助産師外来の開設やそのための研修を補助する事業費を計上し,支援に取り組んでいます。

 助産師外来や院内助産所は以前から先進的な施設で実践されていましたが,ここに来て注目された背景としては,いくつかの要因があると思います。そのなかの1つは産科医が足りないという社会的状況であり,もう1つは助産師という資格を十分に活かすための環境の整備,さらには妊産婦の側のニーズの高まりもあります。特に医師との協働・連携関係の下で助産師の専門性を発揮する方策を模索するなかで,すでに行なわれていた助産師外来や院内助産院の取り組みに着目し,ぜひ厚労省としても推進していくべきではないかと考えるに至ったわけです。

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産婦人科医の引き上げによる診療休止

 八尾市立病院は,1948(昭和23)年4月の八尾市誕生後,1950(昭和25)年2月に市立八尾市民病院として,内科・外科・産婦人科・歯科・放射線科の5科,病床数32床で開院した。1953(昭和28)年2月に八尾市立病院と名称変更し,多くの変遷を経て,2004(平成16)年5月には全16診療科を有する380床の急性期病院として新築移転した。

 新病院は日本初の運営型PFI(private finance initiative)事業や総合医療システムを導入し,十分な設備を整えており,産婦人科も医師3人,助産師20人,看護師4人体制でスタートした。しかし,2004年10月,開業により産婦人科部長が退職した後は,全国的な医師不足により後任部長の選任が困難になった。関連大学からの短期間配置予定などが決定されたが,2005(平成17)年2月には他の医師も退職予定となり,結果的に2005年6月で産婦人科医を全員引き上げるとの通告を受けた。

院内助産院の目的とその実現に向けた戦略―愛仁会千船病院の実践

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「助産師の自立」のために

 千船病院に院内助産院が設置されたのは2007(平成19)年5月です。この計画は,愛仁会グループの2007年度の事業計画の重点施策として「周産期看護の充実」があげられたことに始まります。

 愛仁会では毎年,法人グループとしての事業計画が出されるのですが,事業計画は各部門の理事が重点施策として何をしたいかを提案し,それを理事長がすくい上げ決定されます。その決定過程で,周産期医療の現状を述べつつ「今こそ,助産師の専門能力を主体的に発揮し,自然分娩への妊婦のニーズに対応していくチャンスである」ことを提示し,「周産期看護の充実」という施策をあげました。

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当院と産科病棟の概要

 特別・特定医療法人愛仁会千船病院(以下,当院)は,大阪市の西端に位置し,隣は川を隔てて兵庫県尼崎市となっています。

 産科病棟は41床で,産科医師9名,助産師47名(科長1名,主任2名,副主任3名,スタッフ常勤40名非常勤1名)が勤務しています。外来と病棟を一体化運営しているため継続看護が可能であり,看護学科4校,助産学科2校の実習も受け入れています。

連載 看護部長から新人ナースへ,新人ナースから看護部長へ・9

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社会福祉法人聖隷福祉事業団は,静岡県浜松市を中心に,病院をはじめ,訪問看護ステーション,介護老人福祉施設,有料老人ホームなどの高齢者施設,障害者福祉施設,保育園など数多くの総合的医療・福祉サービスのシステムをもつ。

聖隷浜松病院は,同三方原病院に次ぐ規模の病床数744床で,1600名を超える常勤職員を抱える。

勝原裕美子副院長・総看護部長は,看護の本質を誰にでも理解してもらうための「看護の可視化」を看護部のテーマに,「国際化」「学究化」「起業家育成」の3つの戦略を掲げて,発信する看護部をめざす。

連載 今に生きるあのヒトコト・8

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 私は,当時の数少ない選択肢のなかから選んだ道が看護でしたが,この34年間は本当に充実した年月であったと思います。

 1974(昭和49)年,助産師学校で名古屋大学産婦人科助教授(当時)だった川島吉良先生と出会い,研究の担当教授としてご指導いただきました。それからの20数年間は,助産師一筋に分娩の経過を適切に判断する能力や,乳房管理の技術をいかに洗練すべきかに没頭していました。その後看護管理者になりあらためて看護を考えることになりました。その時の看護部では「看護とは何か」をテーマに議論が大いに盛り上がりました。

連載 スクラブナース4年生・39

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 今年はいわずと知れたアメリカ大統領選挙の年。メディアが何かと人々の関心を政治に向けようとしている。私もそのあおりを受け,アメリカの連邦議会に看護職経験のある議員がいるのか,少々気になりだしたので調べてみた。

 アメリカの連邦議会の歴史は1774年の第1回大陸会議にさかのぼる。当時からのすべての議員のバックグラウンドを調べるのは骨が折れるので,女性議員に絞って調べてみた。

連載 はじめてのMaIN――『ナースのための管理指標MaIN』活用レシピ・8

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はじめに

 看護管理とは,ケア,治療,安楽を与えるための仕事の過程です。最良の看護を患者やその家族に提供するには,看護資源(人,物,金,情報,時間)の全要素間の有効な相互作用が発現されるように,看護システムを運用しなければなりません。すなわち,看護管理者が,最大の成果と貢献を目指してビジョンをもち看護資源を方向づける責任を負うことです。

 1993(平成5)年より日本看護協会で看護管理者教育が制度化されたものの,日本の看護管理者たちの多くは,専門的な看護管理学の知識に裏づけられた看護管理の実践というより,必要から得られた知識と,何人かの先達看護管理者のモデルから培った管理実践を行なっているのがいまだ主流です。大半は管理を学問として体系的に学んだわけでなく,日本の看護事情に馴染む客観的な評価のツールがないために,自分の管理がどの程度のものか,現状の分析評価や課題を見出せないのが現状ではないでしょうか。

 ところが今回,日本の看護事情を十分踏まえ,病院の規模によらない,看護管理の本質的な最低限の課題を厳選して指標化したツールとして,いつでも,どこでも,必要時に手軽に利用できるすぐれものが登場したことに驚かされました。「MaIN」です。本稿では,MaINの看護管理自己評価によって管理実践の工夫や改善ヒントをつかむことができた当院での活用事例を踏まえ,MaINの活用法と可能性について述べます。

連載 医者ときどき看護師・8

永遠のジレンマ 平林 大輔
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 ちょっと前のことになるが,今年の春,新入職の医師・看護師を相手に採血の指導を行なった。主催は看護部だったが,そこに2年目以降の研修医も加わって,ああでもないこうでもないと知った顔をして説明したり,腕を貸して練習台になったりした。その一方で,額に汗を浮かべ,指先を震わせながら針を刺す彼ら彼女らの様子を見ていると,自分の1年目の頃を思い出して,なんだかちょっと懐かしくなった。

 私が看護師1年目として入職した当時は,採血のための練習時間などとってはもらえなかった。初日から他の看護師たちと一緒に病棟を回り,翼状針を使って点滴を刺していた。

連載 医療安全リーダーシップ・8

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医療安全教育に必要なリーダーシップ

 医療機関における施設内医療安全教育は急速に広まり,すでに多くの医療機関が独自の取り組みを実施している。これには2002(平成14)年10月から特定機能病院,臨床研修病院,一般病院,有床診療所に義務化された院内安全管理体制の整備が大きく影響していると考えられる。これ以前から,さまざまな分野の施設内教育が実施され,その一部として医療安全に関する研修も行なわれてきたが,安全管理体制整備の一環として安全に関する職員研修の実施が義務化されたことによって,否応なく自施設内で職員を対象とする医療安全研修の積極的な取り組みが始まった。

 また,制度化されたことだけでなく,定期的に報告されるインシデント・アクシデント事例への対策としても,施設内の医療安全教育の重要性が再認識されている。

 あらためて具体的な医療安全研修の企画・実施を検討すると,そこにはいくつもの課題があることに気づいたというのが現状ではないだろうか。

連載 仕事に燃える現場づくりのヒント・5

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マナーって何?

 そもそもマナーって何でしょう? まずマナーの語源を紐解いてみましょう。マナーの語源は,ラテン語で「手」を意味するmanusです。

 つまり手で表現するコミュニュケーション,つまり礼儀作法や身だしなみが原点なのです。そこから派生して習慣や芸術などの流儀にもなりました。

連載 やじうま宮子の看護管理な日々――看護師長でいこう!・29

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なんとなく……現場が殺伐としています

 後期高齢者医療制度をめぐって,日々年配者の方の憤怒の声がマスコミを賑わせています。私自身も医療の現場にいて,本当にこれでいいのかと問題に思うことが山のよう。医療費削減の国策をひしひし感じながら,患者さんを在宅へ戻さねばならない状況に,なんとも言えないやましさも感じているのです。世の中は在宅医療を望む人ばかりではありませんし,望んでも無理な人もいるでしょう。もう少しゆっくりしたペースでことを進めたい,と多くの看護師が感じているのではないでしょうか。

 「金持ち喧嘩せず」の豊かな時代が終わり,せちがらい時代になりました。世情の変化は,そのまま医療の現場にも反映します。患者さんとそのご家族が不寛容になり,ちょっとしたことでキレて逸脱する――。そんな恐怖を私も時に身近に感じます。

連載 おとなが読む絵本――ケアする人,ケアされる人のために・37

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 人間には「心の故郷」とでも呼ぶべきものがあるのだろうと思う。

 生まれ育った故郷の風景というものは,記憶の深いところに刻まれていて,いくつになっても人生の原点として懐しさをたたえている。老人ホームやホスピスなどで過ごしている人たちに,ギターを弾きながら歌を届けているある音楽療法士によると,リクエストされる曲の第1位は,「故郷」だという。故郷というものは,振り子に似ていると思う。振り子はどんなに大きく振れようとも,最後には中心軸のところへ戻って静止する。その中心軸に相当するのが故郷というものなのだろう。

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はじめに

 2007(平成19)年4月のがん対策基本法の施行により,がん医療とともに緩和ケアについての社会の関心が高まっている。以前は治療中の患者から「緩和ケア」という言葉が聞かれることは少なかったが,筆者がボランティアで参加している「がんを知って歩む会」の参加者から「緩和ケアというのはがんの治療を始める初期から関わるほうがよいと聞いたが,どこの病院ならそのような緩和ケアが受けられるのか」といった質問を受け,メディアの力と人々の関心の高さを感じた。しかし,このように期待が高まる一方で,医師や看護師不足の現場では専任の医師や看護師の確保が難しく,緩和ケアを充実させたいがチームメンバーは兼任で活動せざるを得ない,などのジレンマを抱える急性期病院の緩和ケアチームも多いのではないだろうか。

 市立池田病院(以下,当院)もそのひとつである。現在,緩和ケアチームがコンサルテーション活動を行なうようになって3年が経過した。緩和ケアチームとは,緩和ケア医,精神科医,緩和ケアに関する教育を受けた専従看護師の3名がチームを組み,一般病棟で緩和が困難な身体症状・精神症状をもつ患者に対する直接的ケアおよびコンサルテーションを行なうチームである1)。一定の条件を満たせば緩和ケア診療加算が申請できる。急性期病院の機能を果たす当院では,緩和ケアを定着させ,WHO除痛ラダーに沿った疼痛治療ができるよう,支援・教育することが最優先課題であった。緩和ケアチームの活動はその課題への取り組みとともに発展してきた。緩和ケアチームとしてはまだまだ未熟ではあるが,当院の緩和ケアチームの発展における看護師とがん看護専門看護師(以下,OCNS)の役割,そして急性期病院における緩和ケアの質確保について述べたい。

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はじめに

 緩和ケアは,患者の苦痛からの解放とかけがえのない尊い存在としての日々を支えることを目指している。したがって,苦痛・苦悩を和らげるための専門知識や技を伝える緩和ケア教育は,看護師が質の高い緩和ケアを行なううえで必要不可欠なものである。しかし,緩和ケアに従事する看護師に必要とされる教育カリキュラムはいくつか作成されているものの,全国的な活用には至っていないのが現状である。

 静岡がんセンター(以下,当院)の看護部門では,専門職業人として,自ら学び,自らを高めることを教育の基本方針としている。看護師の継続教育としては,がん看護の基礎知識を習得するための基礎教育と,専門性の高い知識と技術を発揮する看護師を育成するための専門教育がある。

 基礎教育における緩和ケア教育は,がん性疼痛をもつ患者をケアするための基礎的な知識,技術,態度について習得することを目標としている。この基礎教育を修了した看護師は,自己能力向上のための専門教育を選択して受講することができ,緩和ケア領域では,がん性疼痛緩和の初級コースと中級コースがある。この専門教育は,専門性の高い緩和ケアの知識と技術が発揮できることを目標としているが,緩和ケア領域の認定看護師を目指す者を輩出するなど,看護師のキャリアアップに関する意欲を高めることも目的としている。

 また,当院は静岡県の都道府県がん診療連携拠点病院でもあり,県内全体のがん看護の質を向上させることも大きな役割である。2006(平成18)年度より厚生労働省の委託事業である「がん医療における質の高い看護師育成研修」を静岡県と共催で開始しており,そのなかで院外の看護師に対する緩和ケア教育も行なっている。

 本稿では,当院での看護師人材育成のための,院内および院外における緩和ケア教育の実際と今後の課題について述べる。

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 診療報酬改定から読み取れる今後の政策の方向性が,病院運営にとって重要な制約条件であることは,論を待たない。ただし,病院事業は診療圏のニーズに応える直接かつ固有の責任を負っており,行政当局の意向は考慮すべきファクターのひとつに過ぎない。

 筆者の勤務する柳原リハビリテーション病院(以下,当院)は,比較的小規模の地域のニーズに応えるリハビリテーション(以下,リハ)病院として運営されている。本稿では,そこでの経験からみたリハ病院の役割と課題にもとづいて,今回の診療報酬改定について意見を述べ,自らはどう進むかを考察する。

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自己完結型から地域完結型医療

●松山2次医療圏の概要

 松山2次医療圏は,愛媛県北東部に位置する松山市,伊予市など3市3町,人口65万人を抱える。愛媛県内には,医療施設として153の病院(全国7.1:愛媛10.4/人口10万人,以下同じ)と1208の一般診療所(全国76.3:愛媛82.3)があり,病床数は病院23774(全国1276.9:愛媛1619.7),一般診療所5501(全国130.7:愛媛374.8)と,全国平均を大きく上回っている。これらの医療施設・病床の半数を,松山2次医療圏が有している。

 この松山2次医療圏の最大の特徴は,救急2次輪番制にある。松山市内の18の救急告示病院を8つのグループに分け,毎日そのうち1つのグループ(2~3病院)が救急当番となる。当番病院は,当番日にはスタッフの数,入院ベッドの確保などに救急体制をとり,救急患者の大部分は当番病院で医療を受けている。3次救急は,主に愛媛県立中央病院が担当しており,地域で救急体制を完結させようとする仕組みである。

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 過日,編集室にひとつの報告書が届けられた。患者の視点からの情報発信を中心に活動する「いいなステーション」と,闘病経験を共有するインターネット上のコミュニティサイト「ライフパレット」による「がん患者・家族の闘病記録に関する調査,集計結果」である。この報告書は,がんの患者会,コミュニティサイトなどに協力を求め,がん患者やその家族が闘病記録に対してどのような意識をもっているのか,ということを実数値で明らかにしたものである。調査期間は2008(平成20)年5月9日から同月25日までの17日間。調査対象である患者会,コミュニティサイト9団体にホームページ上からアンケート調査への呼びかけを行ない,182人からの有効回答を得た。

 調査結果からは次の4つの結論が得られたとある。(1)9割以上のがん患者が闘病記を読んでいる,(2)7割のがん患者が闘病中の思いをつづっている,(3)6割のがん患者が闘病記を公開したいと考えている,(4)4割は個人的な体験を公開する気はないと考えている。このなかで最も興味深いものは,やはり「9割以上のがん患者が闘病記を読んでいる」という結果だろう。

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 去る6月4日,東京都港区高輪の全社連研修センターにて,日本医療メディエーター協会主催による「アメリカにおける医療メディエーションの展開:キャロル・リーブマン教授講演会」が開催された。コメンテーターは棚瀬孝雄氏(中央大学法科大学院,弁護士)と白浜雅司氏(佐賀市立国民健康保険三瀬診療所)。

 キャロル・リーブマン氏はかつてペンシルバニア州医療事故責任制度改革のための調査責任者として,医療機関での初期対応へのメディエーション技法の導入を提言した人物である。現在,コロンビア大学ロースクールでメディエーションを教育するほか,医療者であるナンシー・ダブラー氏とともに医療者向けの医療メディエーション・トレーニングを行なっている。さらに終末期の意思決定場面においてもメディエーションの適用を推進し,そのための研修も実施している。

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 看護技術を対象者に提供する際には,技術のみならず,さまざまな刺激を一緒に伝えています。ここでの刺激とは,人間から人間に伝わる「何ものか」であり,その影響により思わぬ効果が得られることもあります。

 この度開催いたします日本看護技術学会第7回学術集会では「人から人へ伝える・伝わる看護技術」をテーマに,看護技術を伝える側のあり方や,提供される対象者側から見た看護技術のあり方,また,看護技術はどのように伝えられるべきか,などについて5つのキーセッションを企画し,テーマに精通したコーディネーターのもと,数名の発表者から発表をいただいて皆様と論議を深めたいと思っております。

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 固定チームナーシング全国研究集会は,第1回を1994(平成6)年に神戸国際会議場で開催して以来,今日まで毎年9月に1800~1900名の参加者を集めるまでに至った。参加者の多くは臨床看護職であり,午後から行なわれる分科会の演題発表も年々増え続け,今年は180余題もの申し込みを受け取った。

 午前中のシンポジウムとフォーラムでは,4名のシンポジストが固定チームナーシングの目的である「成果のある現任教育」を目指した提案と実践報告を行う。恒例のフォーラムは,この研究集会の特徴でもあり会場からの発言も多い。

基本情報

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看護管理
18巻9号 (2008年8月)
電子版ISSN:1345-8590 印刷版ISSN:0917-1355 医学書院

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