連載 はじめてのMaIN――『ナースのための管理指標MaIN』活用レシピ・8
実践編3 認定看護管理者からみた「MaIN」
塚﨑 惠子
1
1福岡市民病院看護部
pp.796-800
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101292
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はじめに
看護管理とは,ケア,治療,安楽を与えるための仕事の過程です。最良の看護を患者やその家族に提供するには,看護資源(人,物,金,情報,時間)の全要素間の有効な相互作用が発現されるように,看護システムを運用しなければなりません。すなわち,看護管理者が,最大の成果と貢献を目指してビジョンをもち看護資源を方向づける責任を負うことです。
1993(平成5)年より日本看護協会で看護管理者教育が制度化されたものの,日本の看護管理者たちの多くは,専門的な看護管理学の知識に裏づけられた看護管理の実践というより,必要から得られた知識と,何人かの先達看護管理者のモデルから培った管理実践を行なっているのがいまだ主流です。大半は管理を学問として体系的に学んだわけでなく,日本の看護事情に馴染む客観的な評価のツールがないために,自分の管理がどの程度のものか,現状の分析評価や課題を見出せないのが現状ではないでしょうか。
ところが今回,日本の看護事情を十分踏まえ,病院の規模によらない,看護管理の本質的な最低限の課題を厳選して指標化したツールとして,いつでも,どこでも,必要時に手軽に利用できるすぐれものが登場したことに驚かされました。「MaIN」です。本稿では,MaINの看護管理自己評価によって管理実践の工夫や改善ヒントをつかむことができた当院での活用事例を踏まえ,MaINの活用法と可能性について述べます。
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