特集 産科医療の充実と看護管理―院内助産所・助産師外来を中心に
助産師外来開設を通して産科医療と看護管理を考える
内木 美恵
1
1大森赤十字病院看護部
pp.748-755
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101281
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はじめに
現在の産科医療は,分娩場所が自宅分娩95.5%(1950)から施設内分娩99.8%(2006)へ,分娩の介助者が助産師79.6%(1950)から医師99%(1990)へと変化している1)。また妊産婦死亡率は176.1(1950)から劇的に低下して4.4(2004)となり2),施設での分娩により安全性が確保されつつある。
そして,保健政策においても,厚生労働省の2010年までの行動計画である「健やか親子21」の中で「妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保」を提言し,産科医療のめざすところとなっている。加えて,女性の出産に関する意識は,安全だけではなく,個々のライフスタイルに合わせた形を求めるものになってきている。このように,妊産婦の生命を守り,快適性を確保するという視点において,助産師が医師と協働することは必須であり,産科医の不足3)からも,産科医療を担う一員として助産師の果たす役割は大きい。
大森赤十字病院(以下,当院)では,助産師が主体となって妊婦健康診査(以下,妊婦健診)を実施する「助産師外来」の開設に向けて取り組んだ。本稿では,この経過を通じ,産科医療における看護管理者としての役割を考えたい。
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