NAレポート
調査報告書「がん患者・家族の闘病記録に関する調査,集計結果」を読んで
本誌編集室
pp.777
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101287
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過日,編集室にひとつの報告書が届けられた。患者の視点からの情報発信を中心に活動する「いいなステーション」と,闘病経験を共有するインターネット上のコミュニティサイト「ライフパレット」による「がん患者・家族の闘病記録に関する調査,集計結果」である。この報告書は,がんの患者会,コミュニティサイトなどに協力を求め,がん患者やその家族が闘病記録に対してどのような意識をもっているのか,ということを実数値で明らかにしたものである。調査期間は2008(平成20)年5月9日から同月25日までの17日間。調査対象である患者会,コミュニティサイト9団体にホームページ上からアンケート調査への呼びかけを行ない,182人からの有効回答を得た。
調査結果からは次の4つの結論が得られたとある。(1)9割以上のがん患者が闘病記を読んでいる,(2)7割のがん患者が闘病中の思いをつづっている,(3)6割のがん患者が闘病記を公開したいと考えている,(4)4割は個人的な体験を公開する気はないと考えている。このなかで最も興味深いものは,やはり「9割以上のがん患者が闘病記を読んでいる」という結果だろう。
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