連載 医者ときどき看護師・8
永遠のジレンマ
平林 大輔
1
1(社)地域医療振興協会・東京北社会保険病院
pp.801
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101293
- 販売していません
- 文献概要
ちょっと前のことになるが,今年の春,新入職の医師・看護師を相手に採血の指導を行なった。主催は看護部だったが,そこに2年目以降の研修医も加わって,ああでもないこうでもないと知った顔をして説明したり,腕を貸して練習台になったりした。その一方で,額に汗を浮かべ,指先を震わせながら針を刺す彼ら彼女らの様子を見ていると,自分の1年目の頃を思い出して,なんだかちょっと懐かしくなった。
私が看護師1年目として入職した当時は,採血のための練習時間などとってはもらえなかった。初日から他の看護師たちと一緒に病棟を回り,翼状針を使って点滴を刺していた。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.