総合リハビリテーション 46巻1号 (2018年1月)

特集 リハビリテーションにおけるICFの活用

今月のハイライト
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 国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)は,2001年5月に世界保健機関(World Health Organization;WHO)総会で採択されて以来,普及を促進するための研究開発が行われてきており,現在では2006年にWHO国際統計分類(WHO Family of International Classification;WHO-FIC)ネットワークの中に設置された専門家会議である生活機能分類グループ(Functioning and Disability Reference Group;FDRG)において,その改善や普及啓発,具体的な活用事例などの活発な議論が続けられている.また,ICFはわが国においても「疾病」と「生活機能」の両面からの評価を可能とする共通言語として注目を集め利用が進み始めている.こうした動向をふまえ,本特集では,各分野でのICFの具体的な活用事例に焦点をあて,ICFを実際に活用している専門家に,各方面からの解説をお願いした.

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はじめに

 「人は一人では生きていけない.また,人は作業なしでは生きていけない」.作業を行うことで,自分らしさを確認し,生きる糧を得,役割や価値,自己と他者など社会人として個人としての存在を自覚できる.

 「人は作業を行うことで元気になれる」という作業療法の考え方は普遍的であり,そんな作業療法の素晴らしさを届け,国民の健康に寄与できたらと考えている.

 本来作業療法には,対象者を「障害者」として固定的に捉えるのではなく,対象者を「生活者=生活する主体」として捉え,さまざま治療・援助・支援を行うという基本的な視点が備わっている.

 国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)の活用と課題,展望の中での作業療法士の果たす役割は,「作業」の保障につきるのではないかと考える.日本作業療法士協会(以下,当会)の取り組みを通し生活機能の考え方の概説を行う.

ICFコアセット日本語版 山田 深
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ICFコアセットとは

 ICFコアセットとは,国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)の分類全体から選択された複数のカテゴリーの組み合わせであり1),ICFの利用拡大を促進するためのツールとして開発が進められてきた.数あるICFコアセットの1例として「急性期ケアにおける呼吸循環系健康状態のためのICFコアセット(短縮版)」を表1に示す.「急性期ケアにおける呼吸循環系健康状態のためのICFコアセット(短縮版)」は第2レベル(3桁のコード)までの31種類のICFカテゴリーによって構成されている.ICFコアセットを臨床で用いる際は,評価を行う時期としての医療背景(急性期ケア,亜急性期ケア,長期ケア)と健康状態(例えばうつ病,多発性硬化症など)に適したコアセットを選択し,それぞれ生活機能を遺漏なく詳細に記述するための「包括版」,もしくは生活機能を浅く広く記述するための「短縮版」を用途によって使い分けることが基本となる.なお,すべてのICFコアセットと併せて用いることが推奨されている最小限必要なICFカテゴリーの組み合わせとして,「一般セット2)」(表2)も定義されている.

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ICFに基づく評価システム

 国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)は世界保健機関(World Health Organization;WHO)の国際疾病分類(International Classification of Diseases;ICD)と対をなす障害分類の枠組みとして,2001年にWHO総会において採択された1).ICFは生活機能にかかわる多岐にわたる評価項目により構成され,生活機能にかかわる領域を網羅的にカバーしている.分類は全部で1,400項目以上の項目からなっており,心身機能,身体構造,活動と参加,環境因子の項目がある.さらにそれぞれの項目における問題の有無と程度を詳細にコード化する仕組みも用意されており,これらを用いることにより対象者の生活機能の詳細について共通の形式で記載をし,対象者の生活機能の包括的な評価を行うことが可能となっている.これまで,導入に向けた取り組みが各国で進められ,日本においてもICFを用いた多くの臨床研究が行われ,教育にも取り入れられてきた.

 しかし,臨床への普及にはまだ課題があるのも事実である.例えば,ICFは第4レベル項目までを含めると上述のように1,400以上の項目が存在するが,当然のことながら一人一人の患者を対象にすべての項目を評価することは不可能である.また評価項目を絞るとしても評価項目を選定するだけでも分類全般についての知識が必要であり,簡単には行えない.また,ICFの各項目には詳細にわたる定義文が用意されているが,臨床で使用するうえでは直感的に理解しにくいものも散見される.例えば,心身機能項目であるb「活力と欲動の機能」の定義文は,「個別的なニーズと全体的な目標を首尾一貫して達成させるような,生理的および心理的機序としての全般的精神機能」となっているが,項目名が臨床家には馴染みがないものであるのに加え,定義文もやや難解であり,直感的とは言いがたいものとなっている.さらに上述のように障害の程度などを記載することができるコード化の仕組みが用意されているが,公式のガイドラインではシンプルなコード化の基準〔評点1:軽度の問題(5〜24%),評点2:中等度の問題(25〜49%)など〕が提示されているものの,%表示の解釈の仕方についても明確な記載はない.採点基準が明記された臨床スケールの使用に慣れている臨床家にとっては馴染みにくい仕組みであるかもしれない.

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はじめに

 一般社団法人日本脳損傷者ケアリングコミュニティ学会(http://caring-jp.com/wp/)の研究委員会の1つに,「コミュニティにおける脳損傷者の回復プログラムと機能評価研究部会(以下,研究部会)がある.この研究部会では,退院後も長期的に変化する脳損傷者の生活の場は地域であるという視点に立ち,事例検討を中心としてそれぞれの地域のなかでどのような支援プログラムが脳損傷者の回復に向けて効果を生むのかを多職種で検討している.同時に,研究部会では障害当事者の障害状況や生活状況などの情報を共有しやすく,地域での支援方法を具体的に検討することができ,当事者とその家族にもわかりやすい事例検討シートの作成を行ってきた.

 本稿では,「国際生活機能分類(International Classification of Functioning,disability and Health;ICF)」を研究部会が独自に改編した事例検討シートである「ICFを基に作成した事例検討シート(nearly-ICF;n-ICF)」について,その作成の経緯と実際の活用方法を紹介する.

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はじめに

 石川県立高松病院(以下,当院)は精神科単科の県立病院であり,400床の病床のうち,50床を認知症対応の急性期病棟として運用している.認知症対応の急性期病棟では年間約200人が入院し,平均在院日数は約90日,退院先は46.7%が自宅,16.3%がグループホーム,13.9%が有料老人ホームである(2016年度実績).入院と同時に精神科作業療法の指示が出され,入院による廃用症候群を防止するため,病棟で約60分以上の運動プログラムを実施し,入院直後の精神行動障害(behavioral and psychological symptoms of dementia;BPSD)の華々しい状態の時期から,プログラムに参加できるよう配慮している特徴がある.

 また,当院の精神科作業療法では,精神科作業療法計画を作成する際,精神機能をはじめとする生活機能の評価および残存能力のアセスメントツールとして,国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)を活用している.

 本稿では,ICFを活用した作業療法計画策定の取り組みと実際の事例をいくつか紹介する.

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はじめに

 小児リハビリテーション領域における診療の目的は心身機能の改善に限らず,発達段階に応じて日常生活全般を遂行するのに必要な能力を獲得し,社会参加可能な環境を整備することである.そのため,一般的な身体診察や精神運動発達評価だけでなく,日常生活や社会参加状況を含めた包括的な評価を行う必要がある.得られた情報の整理,構造化,問題点の抽出を行うためには,成人と同様に国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health;ICF)の構造(図1)を用いることが有効である.18歳未満の児を対象に2002〜2005年にわたって開発されたICFの児童版International Classification of Functioning, Disability and Health for Children and Youth(ICF-CY)は,日本語版1)が2009年に刊行されて以後,教育現場を中心に活用されてきた.成長発達期の特性についての配慮が行き届いていることからICFよりも評価に適している2)といわれてきたが,2017年現在,ICFの中に含まれることになっており,ICF自体が全世代を対象とする国別,専門性の枠を越えた共通言語ということができる.今後は,小児医療の現場においてもICFを十分に活用し,ICF構造の核である「心身機能・身体構造」に対する治療成果やリハビリテーション効果だけでなく,「活動と参加」の質自体の変化に着目する必要があると思われる.われわれは,その必要性に対応すべく,小児医療における支援内容や成果の指標として「活動と参加」について反映された簡易的評価尺度の開発を進めてきた.今回,その活用について実例を交えて紹介する.

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 第55回日本リハビリテーション医学会学術集会は佐賀大学の浅見豊子先生を会長として2018年6月28日から7月1日まで福岡国際会議場と福岡サンパレスで開催されます.

 本学術集会のテーマは「再生を羽ぐくむリハビリテーション医学」です.リハビリテーション医学・医療は「再びその人らしく生きること」を支援する「再生の医学・医療」であり,親鳥がひなを羽で包んで大切に育てるように,「再生」をしっかりと暖かく羽ぐくんで(育んで)いくという浅見先生の決意がこのテーマには込められています.このメッセージを拝見し,私は,女性初の学術集会会長として臨まれる先生の力強いお気持ちを感じ,身の引き締まる思いがしています.

入門講座 認知症の画像診断・1【新連載】

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はじめに

 認知症は臨床経過や症状,認知機能検査で診断する病態であり,画像検査はあくまで補助検査である.しかしながら,症状や理学的所見のみでは診断困難な病態や治療可能な病態の診断に画像検査は欠かすことができない.また,近年の画像検査技術の発達やエビデンスの蓄積により,アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD)など神経変性疾患の早期診断や予後の推定が可能となり,さらに治療効果のモニタリングに用いるバイオマーカーなど画像検査は以前よりも多くの役割を果たすに至っている.

 本稿では,一般臨床で施行可能な画像検査である磁気共鳴画像診断(magnetic resonance imaging;MRI)の認知症の画像診断における役割や,代表的な疾患の画像所見について解説する.

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はじめに

 前回は主にアタッチメントに重要な時期である,乳児期の健診におけるポイント(主に発達面)を記した.今回は言語社会性の発達が大きくみられる幼児期前半の健診のポイントに関して,デンバーⅡ発達判定法を参考に各時期のアセスメントについて紹介する.

実践講座 脳卒中患者の体力評価・1【新連載】

筋力の評価 生駒 一憲
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脳卒中患者の麻痺と筋力

 脳卒中により脳組織は損傷を受けるが,生じる脳卒中の部位によりその症状はさまざまである.代表的な症候は片麻痺(片側の運動障害)であるが,その他,感覚障害,運動失調,脳神経領域の障害など詳細にみれば多様な症状を呈する.本稿では,脳卒中患者にみられる最も多い症候で,本実践講座のテーマである体力評価に密接に関係する片麻痺に絞って話を進めたい.

 脳卒中の片麻痺は脳の障害により起こる随意運動の障害である.一方,筋力は随意運動による筋収縮の結果生じる力である.随意運動の障害により筋収縮が十分行えなかった場合は筋力低下が生じる.脳卒中の麻痺の評価であるBrunnstrom Recovery Stageと筋力の評価であるMotricity Index(後述)とは相関するとの報告がある1)ものの,麻痺と筋力低下とは同一の概念ではないことに注意をしなければならない.

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要旨 【目的】近年,二重課題の実験パラダイムにより,姿勢制御における認知的関与が報告されている.本研究の目的は,姿勢バランス課題(主課題)と注意課題(副課題)の併用による二重課題トレーニングについて両課題の干渉効果を検証し,効果的な姿勢バランスおよび認知機能獲得に向けた二重課題トレーニングの可能性を検討することである.【方法】健常成人20名を二重課題群10名,対照群10名の2群に分けた.主課題は立位姿勢バランス課題であり,仙骨部に小型三軸加速度計を装着し身体動揺量を計測,副課題は聴覚性注意課題とし正答率を算出した.二重課題群の1回目は主課題と副課題を各々単独で行い,2〜4回目は主課題と副課題を同時に実施した二重課題トレーニングを実施,5回目は,1回目と同様に両課題をおのおの単独で行った.対照群は1〜5回目まで両課題をおのおの単独で行った.二重課題トレーニングの効果は,身体動揺量と聴覚性注意課題の正答率について,トレーニング中(1〜4回目)およびトレーニング後(5回目)を対照群と比較した.【結果】二重課題トレーニング中では,身体動揺量が増加し聴覚性注意課題の正答率が低下,トレーニング後(5回目)は身体動揺量が減少,聴覚性注意課題の正答率が向上した.【結語】姿勢バランス課題(主課題)と注意課題(副課題)の併用による二重課題トレーニングは,効果的な姿勢バランスおよび認知機能獲得に貢献できる可能性が示唆された.

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要旨 【目的】本研究の目的は術前リハビリテーション期間と人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty;TKA)後1か月の膝機能との関連を検討することである.【方法】2013年にあんしん病院(以下,当院)でTKAを施行した患者71名を術前リハビリテーション8週未満群36名(男性6名,女性30名,年齢75.8±7.1歳),術前リハビリテーション8週以上群35名(男性6名,女性29名,年齢74.9±5.5歳)で比較した.評価時期は術前,術後1か月とし,評価項目は膝関節可動域,膝関節伸展筋力とした.統計学的解析は,術前と術後1か月の差(術前〜術後1か月)の比較を,対応のないt検定を用いて検討した.【結果】術前と術後1か月の差は屈曲可動域,伸展可動域では2群間で有意差を認めなかったが,膝関節伸展筋力では術前リハビリテーション8週以上群で8週未満群と比較し有意に小さかった(8週以上:0.18±0.23,8週未満:0.32±0.23,p=0.02,効果量=0.27).【結論】8週以上の術前リハビリテーションを行うことでTKA後1か月の膝関節伸展筋力低下を防止できる可能性が示唆された.

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要旨 【目的】パス解析を高齢者の転倒恐怖感に応用し,各要因の相互関係を分析した.【対象】介護予防施設シニアセンターを利用する高齢者59名とした.【方法】調査項目は,過去1年間の転倒歴,転倒恐怖感,主観的健康感,Motor Fitness Scale,成人用運動有能感尺度とした.高齢者の転倒恐怖感に関連する要因のパス・モデルを作成し,パス解析によって最終モデルを構築した.【結果】解析後のパス図の適合度は,統計学的な採択基準を満たしていた.転倒恐怖感に関連していたのは運動有能感と運動機能であり,それぞれのパス係数は−0.36(p<0.05),−0.32(p<0.05)であった.また,運動有能感は運動機能と主観的健康感に関連しており,それぞれのパス係数は0.36(p<0.05),−0.46(p<0.05)であった.【結語】高齢者の転倒恐怖感には運動機能だけではなく,運動有能感が直接的に関連していた.そのため,転倒恐怖感の生起を予防あるいは低減させるという観点では,運動機能を高めることに加えて,運動に対する自信や統制感といった内発的動機づけにも着目すべきだと考える.

連載 職業リハビリテーション関連機関の知識

公共職業安定所 井上 かおる
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はじめに

 障害者が地域で自立した生活を送るためには,その能力と適性に応じた雇用の場に就くことも重要である.そのため国は,50名以上を雇用する一般企業に対して,常用労働者の2.0%の障害者を雇用することを義務づけている(障害者雇用促進法).また,障害者本人に対しては職業訓練や職業紹介,職場適応援助者などの職業リハビリテーションを実施し,それぞれの障害特性に応じた支援がなされるよう施策を展開している.

 本稿では,就職を希望する障害者(ここでは障害者手帳を所持している者)への支援を行っているハローワークについてその役割と支援のながれを解説する.

連載 患者会・支援団体の活動

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組織の概要

 NPO法人日本脳外傷友の会(以下,当会)は2000年の4月に発足した.発足当時は交通事故が年間100万件を超え,死亡者も1万人を超えていた.また九死に一生を得ても,脳に重大なダメージを受けて,日常生活に難渋している若者たちへの支援策が皆無の時代であった.

 そのようななか,1997年4月に名古屋で「脳外傷友の会・みずほ」,10月に神奈川で「脳外傷友の会・ナナ」が発足し,1998年わが国最初の「頭部外傷交流シンポジウム」が横浜で開催された.さらに1999年札幌に「脳外傷友の会コロポックル」が発足した.そして,これら3団体の代表者がアメリカの頭部外傷(traumatic brain injury;TBI)事情を視察したところ,アメリカでは家族会の活動が連邦政府を動かして「脳外傷法」を成立させ,支援策が進展したことを知り,帰国後,連合体結成が急務と決心した.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 1930年に発表されたラッセルの『幸福論』(安藤貞雄訳,岩波書店)の第1章「何が人びとを不幸にするのか」では,幼少期に厭世的だったラッセルが,後に人生を肯定的に捉えられるようになった経緯が述べられている.

 ラッセルは,「私は,幸福に生まれつかなかった」として,5歳のころには「行く手に横たわっている長い退屈は,ほとんど耐えがたいものに思われた」というし,思春期には「生をいとい,いつも自殺の淵に立たされていた」と語る.

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 「パーフェクト・レボリューション」(監督/松本准平)は,車椅子生活を送る身体障害者の性へのアクセスを描いた作品として喧伝されていた.ところがその正体は,私たちの周囲に見出すことができる<市井の人格障害者>が醸し出す物語.

 四肢などに障害のある身体障害者の性へのアクセスというテーマは,これまで何度か取り上げられている.1966年の「赤い天使」は孤高の一作として別格だが,性を楽しむ権利に象徴される生活の質をめぐる議論が活発化する1990年代以降は,「ウォーターダンス」,「マイ・レフトフット」,「ヴァージン・フライト」,「ナショナル7」,「オアシス」,「ジョゼと虎と魚たち」,「セッションズ」,「君と歩く世界」,「暗闇から手をのばせ」など,話題作が並ぶ.本作はここに現代の難題ともいえる「人格障害」を持ち込む.筆者にとっては,好感のもてる裏切りだ.

私の3冊

私の3冊 安部 恵理子

お知らせ

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 著者の植村研一氏は,いうまでもなく著名な脳神経外科医である.しかも,神経科学の諸分野にも幅広い見識を持つ碩学である.私のようなふつうの脳神経外科医からすれば,稀有の存在であるといっていい.それゆえに,臨床医としてのあり方にも独特の重みがある.そのことが多くの臨床医を魅了してきた.

 本書は,著者の大学での講義を基にしたものである.そう聞くと,誰しも教科書のような書物を想像するのではなかろうか.しかし,本書には,そうした書物にありがちな味気のない語句の羅列はない.医学生や若手の臨床医が目を輝かせて著者の講義に聴き入る姿を想い浮かべてしまう.

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 長年にわたり呼吸リハビリテーションのエキスパートとしてご活躍の高橋仁美先生(市立秋田総合病院リハビリテーション科・技師長)が『この30題で呼吸理学療法に強くなる』を出版された.

 本書は,臨床に出たばかりの新人や数年目の若手理学療法士を対象に企画された《理学療法NAVI》シリーズの新刊である.

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文献抄録

次号予告

編集後記
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 「もう新年かい.1年経つのが早いこと,早いこと! まだ若いから,1年なんてあっという間とか,昔に比べて1年が短くなったなーとか思わないべ?」先日80歳台の義父から言われました.いやいやお義父さん,嫁はもう若くはございません.もうずいぶんと1年が短くなっておりますです.というわけで,早いものです.もう新しい年の幕開けです.

 さて,今月の特集はICFを取り上げました.ICFの目的は「健康状況と健康関連状況を記述するための,統一的で標準的な言語と概念的枠組みを提供するもの」とあります.上田敏先生は「生きることの全体像」についての「共通言語」と表現されています.多職種間のそして,専門家と当事者の「共通言語」である「ICF」.医学,福祉,工学,介護,教育……リハビリテーションにかかわる,あらゆる職種の方々に読んでいただいている「総合リハビリテーション」にとって,新年最初の特集にふさわしいテーマではないでしょうか.

基本情報

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総合リハビリテーション
46巻1号 (2018年1月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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