Japanese
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研究と報告
二重課題トレーニングが姿勢バランスの安定化と注意課題の処理能力に与える影響
Effect of dual task training on stabilization of posture balance and processing ability of attention task
成田 秀美
1
,
佐井 謙太
2
Hidemi Narita
1
,
Kenta Sai
2
1弘前医療福祉大学
2介護老人保健施設すずかけの里
1Hirosaki University of Health and Welfare
2Geriatric Health Services Facility, Suzukakenosato
キーワード:
二重課題
,
認知機能
,
姿勢バランス
Keyword:
二重課題
,
認知機能
,
姿勢バランス
pp.65-71
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201201
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要旨 【目的】近年,二重課題の実験パラダイムにより,姿勢制御における認知的関与が報告されている.本研究の目的は,姿勢バランス課題(主課題)と注意課題(副課題)の併用による二重課題トレーニングについて両課題の干渉効果を検証し,効果的な姿勢バランスおよび認知機能獲得に向けた二重課題トレーニングの可能性を検討することである.【方法】健常成人20名を二重課題群10名,対照群10名の2群に分けた.主課題は立位姿勢バランス課題であり,仙骨部に小型三軸加速度計を装着し身体動揺量を計測,副課題は聴覚性注意課題とし正答率を算出した.二重課題群の1回目は主課題と副課題を各々単独で行い,2〜4回目は主課題と副課題を同時に実施した二重課題トレーニングを実施,5回目は,1回目と同様に両課題をおのおの単独で行った.対照群は1〜5回目まで両課題をおのおの単独で行った.二重課題トレーニングの効果は,身体動揺量と聴覚性注意課題の正答率について,トレーニング中(1〜4回目)およびトレーニング後(5回目)を対照群と比較した.【結果】二重課題トレーニング中では,身体動揺量が増加し聴覚性注意課題の正答率が低下,トレーニング後(5回目)は身体動揺量が減少,聴覚性注意課題の正答率が向上した.【結語】姿勢バランス課題(主課題)と注意課題(副課題)の併用による二重課題トレーニングは,効果的な姿勢バランスおよび認知機能獲得に貢献できる可能性が示唆された.
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