Japanese
English
特集 歩行訓練のエビデンス
人工股関節置換術
Total hip arthroplasty
梅原 拓也
1
,
田中 亮
2
,
金口 瑛典
3
Takuya Umehara
1
,
Ryo Tanaka
2
,
Akinori Kaneguchi
3
1済生会呉病院リハビリテーション室
2広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科
3森整形外科リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Saiseikai Kure Hospital
2Hiroshima International University, Department of Rehabilitation, Faculty of Rehabilitation
3Department of Rehabilitation, Mori Orthopaedic Clinic
キーワード:
人工股関節置換術
,
エビデンス
,
歩行練習
Keyword:
人工股関節置換術
,
エビデンス
,
歩行練習
pp.217-223
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200880
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はじめに
変形性股関節症(hip osteoarthritis;股OA)患者は,長い罹患期間を経て股関節の機能障害が進行し歩行障害を呈する.運動療法は,機能障害の改善に有効であるというエビデンスがある1).しかしながら,運動療法が実施されても跛行が残存することや人工股関節置換術(total hip arthroplasty;THA)後においても円滑な歩行を獲得できない場合もある.これらの事実は,運動療法の効果が得られにくい患者が存在することを示唆する.運動療法の適応・適応外を判断するためには,歩行能力が改善するための条件,すなわち歩行の予後を予測する要因も知る必要がある.なぜなら,歩行の予後予測要因は,運動療法の効果を左右する要因になると考えられるからである.
そこで,本稿は股OAに対してTHAを施行した患者の歩行練習の効果や歩行に対する予後予測について最新のエビデンスを概観する.さらにTHA後の歩行練習に関する今後のエビデンスの発信について私見を述べる.本稿が股OAに対するTHA患者を施行した患者に対する運動療法研究のさらなる発展に寄与できれば幸いである.
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