Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
ラッセルの『幸福論』—厭世観の自己治療
高橋 正雄
1
1筑波大学人間系
pp.88
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201206
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1930年に発表されたラッセルの『幸福論』(安藤貞雄訳,岩波書店)の第1章「何が人びとを不幸にするのか」では,幼少期に厭世的だったラッセルが,後に人生を肯定的に捉えられるようになった経緯が述べられている.
ラッセルは,「私は,幸福に生まれつかなかった」として,5歳のころには「行く手に横たわっている長い退屈は,ほとんど耐えがたいものに思われた」というし,思春期には「生をいとい,いつも自殺の淵に立たされていた」と語る.
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