Japanese
English
短報
高齢者の転倒恐怖感とその関連要因の相互関係—パス解析を用いた検討
The correlates of the relevant factors and fear of falling in the elderly using a path analysis
小林 薰
1
,
野村 高弘
1
,
柊 幸伸
2
Kaoru Kobayashi
1
,
Takahiro Nomura
1
,
Yukinobu Hiiragi
2
1国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科
2了德寺大学健康科学部理学療法学科
1Department of Physical Therapy, International University of Health and Welfare
2Department of Physical Therapy, Faculty of Health Science, Ryoutokuji University
キーワード:
転倒恐怖感
,
運動有能感
,
パス解析
Keyword:
転倒恐怖感
,
運動有能感
,
パス解析
pp.79-82
発行日 2018年1月10日
Published Date 2018/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201203
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要旨 【目的】パス解析を高齢者の転倒恐怖感に応用し,各要因の相互関係を分析した.【対象】介護予防施設シニアセンターを利用する高齢者59名とした.【方法】調査項目は,過去1年間の転倒歴,転倒恐怖感,主観的健康感,Motor Fitness Scale,成人用運動有能感尺度とした.高齢者の転倒恐怖感に関連する要因のパス・モデルを作成し,パス解析によって最終モデルを構築した.【結果】解析後のパス図の適合度は,統計学的な採択基準を満たしていた.転倒恐怖感に関連していたのは運動有能感と運動機能であり,それぞれのパス係数は−0.36(p<0.05),−0.32(p<0.05)であった.また,運動有能感は運動機能と主観的健康感に関連しており,それぞれのパス係数は0.36(p<0.05),−0.46(p<0.05)であった.【結語】高齢者の転倒恐怖感には運動機能だけではなく,運動有能感が直接的に関連していた.そのため,転倒恐怖感の生起を予防あるいは低減させるという観点では,運動機能を高めることに加えて,運動に対する自信や統制感といった内発的動機づけにも着目すべきだと考える.
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