総合リハビリテーション 40巻4号 (2012年4月)

特集 頸肩腕部痛へのアプローチ

今月のハイライト
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 頸肩腕部痛を呈する非特異的病態として肩こり,五十肩や肩手症候群(複合性局所疼痛症候群)などがあり,頸肩腕症候群として総称されることが多い.これらの病態は原因を特定しにくいうえに日常生活や社会生活活動を制限することが多く,治療としてのリハビリテーションの必要性は極めて高いと言える.しかし,頸肩腕症候群をはじめとする病態の定義や概念に関しては,症状や障害の複雑な実態を反映して,診療に当たる医療スタッフや学会レベルでも考え方の相違がみられている.今回,頸肩腕部痛を生じる病態に対するリハビリテーションの考え方を最新の知見をもとに整理し解説していただいた.

総論 山鹿 眞紀夫
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はじめに

 頸肩腕部痛は,日常診療で遭遇する機会の多い愁訴であるが,その病因・病態は多様である.最近の診断技術の進歩によりかなり判別できるようになってきたものの,十分な説明もないまま画一的な治療が漫然と続けられ遷延化・難治化している例も見受けられる.頸肩腕部痛を来すものには,肩こりや頸肩腕症候群,五十肩,肩手症候群など非特異的な疾患範疇も多く,各診療科間や診療に当たる医療スタッフ間でも考え方に相違がみられる.後述するように日本人に多い愁訴であり,日常生活や社会活動を制限することも多く,治療としてリハビリテーションの必要性が強調されているものの,その効果検証が十分に行われてはおらず,標準化されたアプローチが定まっていない疾患もある.治療ニーズは高いものの現在の診療報酬体系では算定が難しい面もあり,実際には物理療法以外のアプローチが行われている施設も多くはなく,このため鍼,灸,整体やマッサージなどの民間療法を転々としている患者も少なくないのが現実である.頸肩腕部痛を来している病態を適切に把握して,病態に応じたリハビリテーションアプローチを行っていくことが求められる.

 本稿では,頸肩腕部痛を来す疾患の概略を述べ,各疾患の病態・評価・治療の実際については担当執筆者の先生に解説していただく.

肩こり 竹井 仁
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はじめに

 肩こりとは,生体に対する過負荷が原因で生じる症候名(症状)であり,原因となる器質的病変がなく神経症状も明らかでない原発性の肩こりと,症候性疾患(整形外科疾患,内臓器疾患,眼科・耳鼻科・歯科疾患)や心因性のものに大別できる.本稿では,いわゆる肩こりとして,この原発性のものを取り上げ,その病態・原因・評価・治療(リハビリテーション)について概説する.

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はじめに

 いわゆる五十肩とは,肩関節周囲炎に含まれる疼痛性の肩関節制動症である(表1)1,2).しかし,可動域制限が進んだその他の肩関節周囲炎では原因疾患の特定は難しい.そのため,肩関節周囲炎のなかでも,年齢が中年以降であり,さらに疼痛と可動域制限を伴う病態の総称として,現状では五十肩という診断名が用いられている.

 五十肩に対するリハビリテーションでは,疼痛と可動域制限に対する治療が重要となるため,本稿では,病期に応じた疼痛と可動域制限への対応に絞って説明する.

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はじめに

 肩手症候群(shoulder-hand syndrome)は,外傷や片麻痺後に肩関節と手指の疼痛と腫脹,運動制限などを示す原因不明の疾患で,1947年Steinbrockerによって報告された.肩手症候群と同様に,反射性交感神経性ジストロフィーやカウザルギー,Sudeck骨萎縮など,原因から説明できない疼痛過敏や腫脹,発汗や色調変化を伴う症候群が多数報告され混乱を生じていた.1994年世界疼痛学会は,これらの原因不明の症候群を複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome;CRPS)に統一した1).肩手症候群もCRPSに含まれており,本邦のCRPS診断基準も示されている(表1)2)

頸肩腕障害 小野 雄一郎
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はじめに

 職場で反復や不自然な上肢姿勢を伴う作業者にみられる頸肩腕の痛みや苦痛などの健康問題は,わが国において1950年代末からキーパンチャー病として社会問題化した.当時,この問題に対応すべく日本産業衛生学会では頸肩腕症候群委員会が組織され,1970年代初頭にこの健康障害が頸肩腕障害と命名されるとともに,その定義と病像分類がまとめられた.その後,1980年代後半から欧米豪などの諸国でも同様な障害が職場で多発したことから,海外でも研究や対策が進展し,やがて産業現場での筋骨格系の障害を包括的にwork-related musculoskeletal disorders(作業関連性運動器障害,または作業関連筋骨格系障害)と呼ぶようになった.また,わが国の整形外科の分野でも作業関連の要因が原因と考えられる症例を頸肩腕障害と判断するとの考え方が提案されるようになった1)

 近年,このような国内外の動向や70年代にまとめられた定義・病像分類の問題点を吟味して,日本産業衛生学会頸肩腕障害研究会(現・作業関連性運動器障害研究会)が作業関連性(職業性)の頸肩腕障害の定義,概念,病像,診断基準などの考え方を提唱した2)

巻頭言

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 「ハビリテーションクリニック」という名前の発達障害専門の医院を2011年の5月に開設した.“児童精神科”と“リハビリテーション科”を組み合わせ,発達障害の精神・運動系の全般をカバーできる体制にした.このような診療構造は,民間の医院としては珍しいと医療コンサルタントや金融機関の担当者から聞かされた.裏を返せば,経営的には手をつけたがらない組み合わせということかもしれない.発達障害の診療ができる医療機関はどこも受診希望者で溢れ,予約待機期間が何か月にも及ぶ事態であることはもう何年も前から耳にしている.肢体不自由児の診療を担ってきた療育医療機関も受診の半分以上を発達障害が占めるようになってきた.しかし,採算部門を備えている医療機関か,公的な経営的保証がなければ,発達障害診療に腰を据えるには,まだまだ困難な時代だということを医院経営に従事してみると改めて実感する.発達障害の医療を充実させるのであれば,診療報酬の見直しは必須事項だというのが多くの医療関係者の本音であろう.

 自分の医院も毎日何件かの初診申し込みがあり,例に漏れず開院して半年で初診待機は1か月になっている.受診者の年齢に制限を設けないでいると,還暦前の受診者から自身の発達診断を求められることもあった.ここにいると,診断されずに社会に抱えられてきた発達障害の人たちや,発達障害という概念が曖昧な時代に,自分自身の特性に翻弄され傷つきながら暮らしてきた当事者らがいるという現実を垣間見ることができる.発達障害の診療は,乳幼児期に重きが置かれているが,適切な支援を受けずに年齢を重ねてこざるを得なかった人たちへの落とし前をこの社会はまだつけていないし,発達障害が人の生涯にかかわる支援を必要とするものであるという認識は,まだまだ現実味を伴って施策には反映されていない.医療機関も乳幼児期以外のライフステージにかかわる地域資源も,そして人材も,どれも全く足りていない.

講座 ポストポリオ症候群・第4回

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はじめに

 ポリオ感染症は「今から約60年前に多数の運動麻痺患者を生じさせたが,その後のワクチン接種によって本邦ではほぼ撲滅された疾患」と認識されており,医学教育でも,「過去の病」,「ワクチン関連疾患」として触れられるに過ぎない.

 一方,実際の臨床では,1980年ごろからポリオ罹患後15~50年を経てポリオ経験者に生じる新たな筋力低下,筋萎縮,疲労感増大が報告されるようになり,ポストポリオ症候群(post-polio syndrome;PPS)として一定の注目を浴びてきた.

 PPS発症の原因は現時点でも確定されていないが,誘因として,残存した運動単位(前角細胞とそれが支配する筋線維の一組)に対する長期間の過用が重要である点については諸家の意見がほぼ一致している1-3)

 PPSはいわゆる「患肢」だけではなく,それまで「健常肢」と思われていた肢にも生じることがある(幼少期のポリオ感染によって「健常肢」側の前角細胞も減少していたと考えられている).

 PPS発症・進行のリスクについて,定期的に評価を行い,その程度や変化への対応が可能な医療機関は多くない.その理由は,先述のごとく医療関係者にPPSの理解が浸透していないことと,対応には相当の時間と技術が必要であることによる.

 このような現状では,まずポリオ経験者に対応可能な地域の中心となる医療機関が必要である.現在,国内数か所において,患者会との共同のポリオ定期検診(以下,検診)が行われているものの,全国を網羅できていない.

 検診を中心とした「包括的PPS対策プロジェクト」を実施するメリットは以下の通りである.

・定期的に検診を受けることで,ポリオ経験者が自身の身体機能の現況および変化について把握できる.

・PPS発症・進行のリスクを早期発見,介入する契機として活用できる(外来へ繋げることができる).

・相当の時間と技術が必要であるPPS対応をより多くのポリオ経験者へ集約して実施できる.

実践講座 性機能障害・第4回

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はじめに

 本稿では,リハビリテーションに携わる医療関係者が知っておくべき性機能障害のうち,障害を持つ男性および女性患者の性行為と子づくり(生殖機能)にかかわる問題とその対策につき,脊髄損傷(脊損)と脳血管障害患者の場合について概説したい.

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要旨:〔目的〕本研究では,簡便に転倒危険因子を評価できる質問紙を考案し,質問紙を用いて歩行可能な在宅脳卒中患者の転倒を予測することができるかどうかを検討した.〔対象・方法〕対象は,転倒危険因子の評価から1年後に追跡できた歩行可能な在宅脳卒中患者97名であった.研究デザインは前向きコホート研究とした.転倒危険因子は,歩道横断の可否,椅子からの立ち上がりの可否,5秒以上の麻痺側片脚立位の可否,バス・電車の利用の可否,過去1年間の転倒の有無,投薬の有無,転倒恐怖感の有無,視力障害の有無,めまいの有無の計9項目を調査した.統計解析は,目的変数を1年間の転倒の有無,説明変数を上記9項目としてロジスティック回帰分析を行った.〔結果〕転倒に関連する因子は,過去1年間の転倒の有無,めまいの有無,麻痺側片脚立位の可否が抽出され,これら3因子の組み合わせによって,判別的中率81.3%,HosmerとLemeshowの検定p=0.900の回帰式を得た.〔結語〕本研究で考案した質問紙では,簡便に調査可能な3項目の質問において,高い予測精度の回帰式を得ることができた.本結果は,人手不足に困窮する在宅でのリハビリテーションや地域の保健事業において,職種を問わず,簡便に転倒予測が可能な手法として有効である.

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要旨:〔目的〕女性高齢者の生活動作指導の指針として,女性高齢者が荷物挙上動作を行う際の腰椎前彎角の変化について比較し,どの程度の上肢挙上角で腰椎前彎角が増加するか検討した.〔対象〕地域在住の女性高齢者32名(年齢75.9±6.0歳,身長145.8±6.3cm,体重48.9±7.6kg)とした.〔方法〕両上肢で,2kgの錘を入れた箱を把持し,上肢を0°,60°,90°,120°挙上した姿勢での腰椎前彎角を測定し,各挙上肢位で比較した.〔結果〕腰椎前彎角は,上肢挙上角90°以上で有意な増加が認められた.〔結語〕女性高齢者が立位姿勢で荷物挙上動作を行う際は,上肢挙上角を90°未満とすることで,腰椎前彎角の維持が図れることが示唆された.

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要旨:〔目的〕表面筋電図(EMG)によって示される筋活動の特徴を明らかにするために,本研究では,浅指屈筋と橈側手根屈筋および長橈側手根伸筋の随意収縮力と筋活動との関係を分析し,各筋の筋活動増加の時期および増加の推移を比較することで,把握動作における筋活動のメカニズムを検討した.〔対象・方法〕健常成人男女17名(男性4名,女性13名)を対象とした.握力測定時の最大随意等尺性収縮(MVC)を算出し,100%MVCを基準に浅指屈筋と橈側手根屈筋および長橈側手根伸の10%・20%・30%・40%・50%・60%・70%MVC時の積分筋電図(IEMG)を求め,それらを各%MVC間で比較した.〔結果〕浅指屈筋と橈側手根屈筋は30%MVC以降に,長橈側手根伸筋は20%MVC以降に有意な差が認められ(p<0.01),各随意収縮力に応じて段階的にIEMGの増加が認められた.〔結語〕把握動作を行う場合,浅指屈筋および橈側手根屈筋のみならず,長橈側手根伸筋がより早期より活動することで手関節に安定性をもたらし,強力な把握動作が可能となることが示された.また,70%MVCでは各筋が同程度の活動量で働いていることが示唆された.

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要旨:脳卒中に用いる短下肢装具のなかで,調節式足継手付き短下肢装具が増加している.しかし,病態の変化に対し足継手をどのように調節したらよいかの明らかな指針は未だないと考えている.それは脳卒中の病態が多様であること,それぞれの装具の足継手に機能的な特徴があることなどによると思われる.今回は,固定,遊動,制限,制動,補助の足継手の機能で,脳卒中の短下肢装具として有用な機能の組み合わせを5種類と考えて,それぞれの適応病態を考えた.さらに,現在わが国で使われている主な調節式足継手付き短下肢装具を6つのカテゴリーに分類した.早期歩行訓練での調節式足継手付き短下肢装具の選択法は,平行棒内の起立,歩行の態様より判断し,足継手の望ましい機能について述べた.さらに,病態の変化に応じた足継手の調節法,本装具装着での歩行に問題点を発見した場合の対処法として足継手をどのように調節したらよいかについて言及した.

連載 リハビリテーション関連書類の書き方

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 身体障害者の場合,電動車いす,座位保持装置については,適合判定を身体障害者更生相談所が直接行うことになっている(来所判定).車いすは医師の作成する意見書をもとにオーダーメイドの場合は更生相談所が判定し(文書判定),レディメイドの車いすは市町村が判断する.しかし,現状では,来所判定の取り扱いは更生相談所によって異なり,電動車いす,座位保持装置について医師意見書をもとに文書判定とされる場合もある.なお,意見書を作成する医師の要件はほかの補装具と同様,各自治体が具体的に示している.

 身体障害児の場合は指定自立支援医療機関や保健所(実際は子ども専門病院や療育機関)の医師が作成する意見書をもとに市町村が判断することになっている.

連載 汎用IT機器とリハビリテーション

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 神経難病は,種々の運動障害,感覚障害および認知機能障害を呈する神経疾患である.治療としては,薬物療法に加えリハビリテーションが併用されるが,症状は年単位で緩徐に進行することが多い.

 これまで,リハビリテーションでは,劣った機能を集中的に強化する「disability-oriented rehabilitation」が行われることが一般的であった.この方法は,交通外傷や脳卒中の急性期には極めて有効であるが,症状が年単位で進行する神経難病患者に対しては有効とは言えない面がある.すなわち,同患者が次第に衰えていく自分の運動機能を意識したとき,リハビリテーション開始当初の意欲を維持することは極めて困難となる.

連載 印象に残ったリハビリテーション事例

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 高機能広汎性発達障害(高機能自閉症,アスペルガー症候群;AS)と診断される子どもたちが急増している1).しかし発見・介入時期は早まっているものの,就学後まで見過ごされ学齢期になって発見されることも多い2).これらの子どもたちは,就学後の環境変化に適応しづらく,本来の症状である一次障害とは別に,「反抗する,怒りを爆発させる」といった二次障害3)を示すようになることがあり,そのために就学後に医療機関へ訪れることも稀でない.

 筆者の勤務するリハビリテーション外来部門では教育機関との連携の必要性から“こども発達支援室”を設置し,学齢期の二次障害への対応にも取り組んでいる.筆者は発達臨床に携わるようになり20年が過ぎたが,院内療育業務に加えて,教育機関との連携業務を担っている.

Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション

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 マキャヴェリは1513年に書いた『君主論』(池田廉訳,中央公論新社)のなかで,困難な状況こそが偉大な行為の母体になるとして,モーゼやキュロスなど,歴史上・伝説上の人物の例を挙げている.

 例えば,モーゼが偉大な王となるためには,「イスラエルの民が,エジプト人によってエジプトで奴隷の身分に落し入れられ,しいたげられていた状況とめぐりあう必要があった」.そうした状況があったればこそ,イスラエルの民は奴隷の身分から抜け出してモーゼに従おうという決意を固めたのである.また,ペルシアのキュロス王による征服も,ペルシア人がそれまでのメディア王の統治に不満を持つという状況が必要だったし,ギリシア神話に登場するアテナイの英雄テセウスにしても,その力量を発揮するには,当時の四分五裂していたアテナイ人との出会いが必要だった.これら偉大な王たちは,こうした機会に恵まれたからこそ,その抜群の力量を発揮することができたのである.すなわち,「モーセの力量をうかがい知るには,イスラエルの民が奴隷としてエジプトにある状況が必要だった」し,「キュロスがどんなに偉大な心の王かを知るためには,ペルシア人が,メディアの民に抑圧されていなくてはならなかった」.そして,「テセウスの卓越した手腕を知るには,アテナイの人々は支離滅裂の状態でなければならなかった」のである.

Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション

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 太田堯(おおた たかし).93歳.東京大学名誉教授.日本教育学会会長,都留文科大学学長などを歴任.時代や社会と格闘してきた教育学者として著名である.ドキュメンタリー「かすかな光へ」(監督/森康行)は,太田の軌跡を辿ることで戦後教育史を語り,いま,ここにいる太田の言葉と活動に光を当てることで進むべき未来を語る.

 本作には,時折,暗い海のショットが挿入される.それは,戦争中,南方戦線に向かう輸送船が魚雷によって撃沈され,36時間も漂流することになった太田の原風景として解釈できる.漂流の先に待っていたのは,「無」から始まるジャングルでの生活.ここに太田の教育学研究の原点がある.漁民・農民兵士の優れた働きぶりを目の当たりにしつつも,人々の魂を圧殺する戦争という現実に対して,教育は何ができるのか? という問いを自らに発したのだ.

学会印象記

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はじめに

 2011年3月に未曾有の被害をもたらした東日本大震災から約半年が経過した10月22日,23日に東京のお台場にあるTFTビルにて山本澄子大会長(国際医療福祉大学大学院)のもと第27回日本義肢装具学会学術大会が開催された.「新たな社会ニーズへの対応を考える」という大会テーマで126演題の発表が行われ,参加者は1,200名を超えた.大会プログラムは,大会長講演,特別講演1本,特別企画2本,教育講演1本,パネルディスカッション1本,マニュファクチャラーズワークショップ3本,飯田賞記念講演,ランチョンセミナー5本と盛りだくさんの企画であった.

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 2011年12月10日(土),11日(日)に,第6回日本リハビリテーション医学会専門医会学術集会が開催された.開催前日から急激に寒さが増し,当日は底冷えする気温であったが晴天に恵まれた神戸国際会議場にて開催された.

 初日は代表世話人の菅俊光先生(関西医科大学附属滝井病院)による開会の辞により幕を開けた.初日の午前中は,「がんのリハビリテーション」をテーマとしたシンポジウムであった.2010年度の診療報酬改定でがん患者リハビリテーション料が新設されたばかりのトピックスであり,期待通りの盛況ぶりであった.がんセンター,大学病院,地域基幹病院におけるがんのリハビリテーションの現状と問題点が報告され,活発なディスカッションが行われた.がんのリハビリテーションは,本邦ではまだ新しい分野であり,各施設とも試行錯誤している様子がうかがわれた.臨床,研究,教育の充実が切望されるなか,今後がんのリハビリテーション体制を確立させたい専門医にとっては大変有益なシンポジウムだったのではないだろうか.

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 第41回日本臨床神経生理学会学術大会が,2011年11月10~12日の3日間にわたって木村彰男大会長(慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター所長)のもと,静岡市のグランシップで開催されました.「役立てよう深めよう臨床神経生理学」がテーマとして掲げられ,特別講演を木村淳先生が,招聘講演をDr. Marciniakと川人光男先生がされたのをはじめ,16の教育講演,16のシンポジウム,3つのワークショップ,ハンズオンセミナー,300題に及ぶ一般演題(口演・ポスター)などが行われました.

 本学術大会から会期が技術講習会を含め3日間に短縮されたことから,プログラムに苦慮されたとうかがっていましたが,上記の内容を関心領域が重複しないようにと工夫が凝らされていました.また,大会場であるグランシップは,1つの建物内ということもあり9つの会場の移動は容易であり,日本の象徴である霊峰富士山を望むこともできました.普段は噴火する山をみているせいか(桜島は1日3回ペースで噴火しています),壮大で素晴らしい富士山に本学術大会の内容と同様に胸を打たれました.

ニュース/お知らせ

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文献抄録

投稿規定

投稿および著作財産権譲渡承諾書

次号予告

編集後記
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 昔からの猫背と,近眼,乱視,さらについにはじまった老眼のせいか,最近肩こりに拍車がかかってきました.肩こりはつらくて嫌なものです.というわけで,結構な頻度でマッサージを利用しています.マッサージへ行くとよく言われるのが,「お客様,すごくこってますね!お疲れですね」.こう言われると何だか得意でいい気分になるのは私だけではないはずです.逆に何も言われないと物足りない気分にすらなります.そういえば酒飲みが健康診断で「まいったなーこんなに高いよ~」と肝臓の数値を自慢げに見せる姿にも通じるものを感じます.その裏にあるのは「飲まなきゃやってられないほど,ストレスフルな社会でがんばってるんだぞ」というアピールでしょうか.肩こりは嫌なのに,「肩がこってますね」と言われたい.「こんなにこって大変だったね.頑張ったね」と認めてもらいたい.なるほど肩こりをほぐすためだけでなく,そんな心の癒しを求めて人はマッサージに行くのですね.たぶん「すごくこってますよ」は営業トークなのでしょう.

 さて,今月もなんとか四苦八苦しつつも編集後記を書き上げたし,「お客様!すごくこってますね!」と言われにちょっとマッサージに行ってきます.

基本情報

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総合リハビリテーション
40巻4号 (2012年4月)
電子版ISSN:1882-1340 印刷版ISSN:0386-9822 医学書院

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