Japanese
English
研究と報告
在宅脳卒中患者における質問紙を用いた転倒予測の検証―前向きコホート研究
Predicting falls among patients after post-stroke in community dwelling using questionnaire;prospective study.
吉本 好延
1
,
浜岡 克伺
1
,
橋本 豊年
1
,
佐藤 厚
2
Yoshinobu Yoshimoto
1
,
Katsumi Hamaoka
1
,
Toyotoshi Hashimoto
1
,
Atsushi Sato
2
1厚生年金高知リハビリテーション病院リハビリテーション科
2高知県立大学健康栄養学部健康栄養学科
1Department of Rehabilitation Medicine, Koseinenkin Kochi Rehabilitation Hospital
2Faculty of Nutrition, Department of Nutrition, University of Kochi
キーワード:
脳卒中
,
質問紙
,
転倒
Keyword:
脳卒中
,
質問紙
,
転倒
pp.373-377
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102442
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要旨:〔目的〕本研究では,簡便に転倒危険因子を評価できる質問紙を考案し,質問紙を用いて歩行可能な在宅脳卒中患者の転倒を予測することができるかどうかを検討した.〔対象・方法〕対象は,転倒危険因子の評価から1年後に追跡できた歩行可能な在宅脳卒中患者97名であった.研究デザインは前向きコホート研究とした.転倒危険因子は,歩道横断の可否,椅子からの立ち上がりの可否,5秒以上の麻痺側片脚立位の可否,バス・電車の利用の可否,過去1年間の転倒の有無,投薬の有無,転倒恐怖感の有無,視力障害の有無,めまいの有無の計9項目を調査した.統計解析は,目的変数を1年間の転倒の有無,説明変数を上記9項目としてロジスティック回帰分析を行った.〔結果〕転倒に関連する因子は,過去1年間の転倒の有無,めまいの有無,麻痺側片脚立位の可否が抽出され,これら3因子の組み合わせによって,判別的中率81.3%,HosmerとLemeshowの検定p=0.900の回帰式を得た.〔結語〕本研究で考案した質問紙では,簡便に調査可能な3項目の質問において,高い予測精度の回帰式を得ることができた.本結果は,人手不足に困窮する在宅でのリハビリテーションや地域の保健事業において,職種を問わず,簡便に転倒予測が可能な手法として有効である.
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