追悼
大川嗣雄氏の死を悼む
明石 謙
1
1川崎医科大学リハビリテーション科
pp.1112-1113
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107221
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大川嗣雄氏が8月4日に亡くなった.死因は胃癌だったと聞いている.具合が良くないという噂は聞いていたが,それが現実となってみると惜しい人を無くしてしまったといういら立ちや,いろいろな思い出が胸をよぎり,つらく悲しい.告別式に出席したかったが都合がつかず欠席せざるを得なかった.拙文を顧みず本誌に追悼記事を書かせてもらった理由の一つにはそれがある.
大川氏は,ほとんど同じ頃に亡くなった土屋弘吉氏の自慢のお弟子さんだった.土屋氏の「大川君という人集めの天才」という言葉を聞いたものは私だけではないはずである.事実,学年定員の少ない横浜市立大学医学部から多くの優れた人達がリハビリテーション医学を目指して入局した.しかし土屋氏の言いたかったのはそれだけではない,人は人集めのみの天才のところでは育たない.大川氏の人柄とビジョンの良さ,さらに優れた頭脳とリーダーシップを自慢したかったに違いない.
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