Japanese
English
特集 頸肩腕部痛へのアプローチ
総論
Approach to a neck shoulder arm part ache―The general remarks.
山鹿 眞紀夫
1
Makio Yamaga
1
1熊本リハビリテーション病院
1Kumamoto Rehabilitation Hospital
キーワード:
頸肩腕症候群
,
胸郭出口症候群
,
五十肩
,
肩関節周囲炎
,
肩手症候群
Keyword:
頸肩腕症候群
,
胸郭出口症候群
,
五十肩
,
肩関節周囲炎
,
肩手症候群
pp.323-327
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102430
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はじめに
頸肩腕部痛は,日常診療で遭遇する機会の多い愁訴であるが,その病因・病態は多様である.最近の診断技術の進歩によりかなり判別できるようになってきたものの,十分な説明もないまま画一的な治療が漫然と続けられ遷延化・難治化している例も見受けられる.頸肩腕部痛を来すものには,肩こりや頸肩腕症候群,五十肩,肩手症候群など非特異的な疾患範疇も多く,各診療科間や診療に当たる医療スタッフ間でも考え方に相違がみられる.後述するように日本人に多い愁訴であり,日常生活や社会活動を制限することも多く,治療としてリハビリテーションの必要性が強調されているものの,その効果検証が十分に行われてはおらず,標準化されたアプローチが定まっていない疾患もある.治療ニーズは高いものの現在の診療報酬体系では算定が難しい面もあり,実際には物理療法以外のアプローチが行われている施設も多くはなく,このため鍼,灸,整体やマッサージなどの民間療法を転々としている患者も少なくないのが現実である.頸肩腕部痛を来している病態を適切に把握して,病態に応じたリハビリテーションアプローチを行っていくことが求められる.
本稿では,頸肩腕部痛を来す疾患の概略を述べ,各疾患の病態・評価・治療の実際については担当執筆者の先生に解説していただく.
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