Japanese
English
特集 頸肩腕部痛へのアプローチ
頸肩腕障害
Occupational cervicobrachial disorder.
小野 雄一郎
1
Yuichiro Ono
1
1藤田保健衛生大学医学部公衆衛生学
1Department of Public Health, Fujita Health University School of Medicine
キーワード:
頸肩腕障害
,
作業関連
,
運動器障害
,
筋骨格系障害
Keyword:
頸肩腕障害
,
作業関連
,
運動器障害
,
筋骨格系障害
pp.351-357
発行日 2012年4月10日
Published Date 2012/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102437
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はじめに
職場で反復や不自然な上肢姿勢を伴う作業者にみられる頸肩腕の痛みや苦痛などの健康問題は,わが国において1950年代末からキーパンチャー病として社会問題化した.当時,この問題に対応すべく日本産業衛生学会では頸肩腕症候群委員会が組織され,1970年代初頭にこの健康障害が頸肩腕障害と命名されるとともに,その定義と病像分類がまとめられた.その後,1980年代後半から欧米豪などの諸国でも同様な障害が職場で多発したことから,海外でも研究や対策が進展し,やがて産業現場での筋骨格系の障害を包括的にwork-related musculoskeletal disorders(作業関連性運動器障害,または作業関連筋骨格系障害)と呼ぶようになった.また,わが国の整形外科の分野でも作業関連の要因が原因と考えられる症例を頸肩腕障害と判断するとの考え方が提案されるようになった1).
近年,このような国内外の動向や70年代にまとめられた定義・病像分類の問題点を吟味して,日本産業衛生学会頸肩腕障害研究会(現・作業関連性運動器障害研究会)が作業関連性(職業性)の頸肩腕障害の定義,概念,病像,診断基準などの考え方を提唱した2).
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