medicina 40巻11号 (2003年11月)

今月の主題 水・電解質と輸液

輸液の原理・原則

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ポイント

・人間の水分量は体重の約60%を占め,細胞内,血液,間質の3つの部分に分布する.

・脱水とは,生命維持に必要な体液量(血液,細胞外液,細胞内液),特に循環血漿量が不足している状態をいう.脱水は体内からの喪失量が摂取量を上回るときに起こる.脱水は大きく分類して2つのタイプに分けることができる.水欠乏型脱水(高張性)とNa欠乏型脱水(低張性,等張性)で,臨床症状も治療法も異なる.

水・電解質異常へのアプローチ 須藤 博
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ポイント

・水・電解質異常に関連した臨床状況を知っておく.

・水・電解質を考えるときにはマクロとミクロの両方の視点で考える.

・とにかく“最初の尿”をとっておくことは重要である.

・簡便に結果が得られる尿検査をベッドサイドで活用すること.

・いくつかの尿検査のピットフォールを理解すること.

・過剰障害(too much disorder)という考え方を念頭に置く.

・基本的な生理学を理解しよう.

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ポイント

・体液のpHは狭い範囲内に調整されており,そのしくみとして緩衝系が存在する.

・緩衝系のなかでは重炭酸系とヘモグロビン蛋白が重要である.

・酸塩基平衡障害の型としては代謝性アシドーシス,代謝性アルカローシス,呼吸性アシドーシス,呼吸性アルカローシスの4つ,およびそれらの混合型に分類される.

・血液ガス分析は,まずpHからみる.

・代謝性アシドーシスのときはanion gap増加の有無を確認する.

輸液療法の原理 遠藤 正之
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ポイント

・輸液の主な目的は何か.維持輸液か,補充輸液か.

・細胞内液 vs 細胞外液,間質 vs 血管内の水の分布量と電解質を知る.

・生理食塩水と5%ブドウ糖液の効果の違いを理解する.

・患者の病態に適した輸液製剤を選択する.

・in,outのバランスシートを作成して輸液の管理をする.

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ポイント

・末梢静脈栄養は,経口摂取量低下症例への水分補給,栄養補給を目的として行われる.

・末梢静脈栄養は,1~2週間程度の比較的短期間の治療法として認識すべきである.長期にわたる場合は,経管栄養,高カロリー輸液などに変更する.

高カロリー輸液の基本 竹本 文美
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ポイント

・高カロリー輸液は重症患者の栄養管理に有効である.しかしながら非生理的であるため,代謝的あるいは手技的な合併症を起こしやすい.その実施にあたっては適応を正確に判断し,合併症を起こさぬよう慎重に輸液計画を立て,病態観察を行う必要がある.また合併症が起これば迅速に対応することが重要である.

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ポイント

・高齢者では,口渇中枢が血漿浸透圧の高いほうにシフトしている.また,抗利尿ホルモン(ADH)への集合管の反応性も低下していることから,水分が不足する傾向にある.

・高齢者では,レニン・アルドステロン系の反応が低下し,さらに心房性利尿ペプチド(ANP)は上昇しており,塩分が喪失する傾向にある.すなわち,高齢者では,潜在的に等張性脱水となっている.

・高齢者では,環境の変化により高Na血症と低Na血症を起こしやすい.

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ポイント

・電解質異常はさまざまな薬剤の投与によって起こりうる.

・ループ系利尿薬は最も強力なNa再吸収の抑制を示し,Kは喪失傾向,Caについても喪失傾向がある.

・サイアザイド系利尿薬は中等度のNaの再吸収を示し,低Na血症を生じやすく,Caは排泄を抑制する.

・スピロノラクトンはK保持性利尿薬で,時に高K血症を呈するが,利尿効果は弱い.

・利尿薬以外の薬剤でも電解質異常をきたすものがあるが,患者の状態をよく把握したうえでその原因を考える.

電解質異常の把握と対策

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ポイント

・低Na血症では,急性型(発症48時間以内)か慢性型(発症72時間以上)かを判断する.

・急性型では,血清Na値130mEq/lを目標として,1時間当たり1.9~2.9mEq/lの血清Na値の上昇とし,24時間以上かけて補正する.

・慢性型では,血清Na値120mEq/lを目標として,24時間で10mEq/l以内の上昇とする.

・慢性型に急速補正を行うと,橋中心髄鞘崩壊が起こる危険がある.

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ポイント

・高K血症の原因は摂取過剰,体内での産生(細胞の崩壊),細胞外液へのシフト,腎からの排泄低下の4つに分類される.

・高K血症をきたす薬剤も数多くあり,服薬歴の聴取が必要である.

・重篤な高K血症の場合にはまず10%グルコン酸カルシウムの投与を行い,次にグルコース・インスリン療法,β作動薬,NaHCO3の投与を考慮する.

・薬剤による治療で高K血症の改善が認められない場合には,血液透析を必要とすることが多い.

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ポイント

・低カリウム血症の症例では尿のカリウム排泄を検討することが重要である.

・服用薬剤や血圧,酸塩基平衡の状態は,原因疾患の診断に参考となる.

・経静脈的なカリウム補充を行う際には投与速度に注意する.

・低カリウム血症の病態を理解することは,効果的な治療法の選択に欠かせない.

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ポイント

・高Ca血症は無症状のものから意識障害をきたすものまである.急速に進行するほど症状が顕著になる.

・Ca代謝異常は,軽度の場合は尿中Ca排泄の増加によって代償されるが,代償域を超えてはじめて血中Ca2+濃度が上昇する.

・活性型ビタミンD,カルシトニン,副甲状腺ホルモンが,腸管,腎臓,骨に作用して,血中Ca2+濃度は厳密に調節されている.

・補液・脱水の補正が基本的かつ重要な治療である.そのほか,カルシトニンやビスフォスフォネートの投与,透析療法が行われる.

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ポイント

・血清クレアチニンが上昇している症例,Na,K,Ca,Pなどの電解質異常を認める症例では必ず血清Mg濃度を測定する.

・血清Mg濃度の異常は腎不全でのMg摂取増加による高Mg血症と,腸管からの吸収障害,および尿中への喪失による低Mg血症が多い.

・経静脈栄養時にはZn,Mnなどの微量元素の欠乏を認めることがある.

疾患・病態での治療法

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ポイント

・脳梗塞急性期では禁忌がなければ降圧療法は控える.

・高齢者では輸液量やNaの過剰により容易に心不全を起こしうるので注意が必要である.

・低Na血症を急速に補正することによって橋中心性髄鞘崩壊症を起こしうる.

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ポイント

・糖尿病性ケトアシドーシスと非ケトン性高浸透圧性昏睡の病態は異なり,治療に違いがある.いずれも,迅速な病態の把握と鑑別が重要である.

・輸液管理,電解質補正,静脈内インスリン注入による血糖コントロール,および糖尿病性昏睡の誘因検索の治療を迅速に行うことがポイントである.

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ポイント

・乳酸アシドーシスは最も臨床でよくみる代謝性アシドーシスである.

・2つの型(type Aとtype B)がある.

・type Aは主に酸素の供給不足,すなわち,ショックや循環不全により引き起こされる.しかし,慢性肺疾患のときには比較的この型の乳酸アシドーシスは起こりにくい.治療は原病の治療が中心となる.重炭酸の使用に関しては決定的な証拠が得られていない.

・type Bはさまざまな疾患で起こる.これはtype Aと異なり,さまざまな代謝異常が関連してくることによる.臨床上重要なものは,肝疾患,糖尿病,ビタミンB1欠乏症,メチルアルコール中毒,悪性腫瘍などが挙げられる.治療は原病の治療が中心となる.

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ポイント

・腎尿細管性アシドーシスは,糸球体濾過値が正常もしくは軽度の低下にもかかわらずアシドーシスを呈し,その原因が尿細管での酸排泄能低下によるものをいい,高クロール血症,anion gap正常を特徴とする.

・障害部位により近位型RTA(2型RTA),遠位型RTA(1型RTA),4型遠位RTAに分類される.

・診断・分類には尿pHが重要である.

・治療の基本はHCO3-投与である.

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ポイント

・急性腎不全の原因の鑑別診断を行う.

・腎前性腎不全では治療としての輸液が重要である.

・乏尿期には破綻した水電解質調節能に応じた輸液が必要となる.

・利尿期には多尿による脱水や電解質異常をきたさないための輸液をする.

・輸液を施行していく際,体液量のモニタリングをしてこれを適正に維持する.

・急性腎不全は異化が亢進しているため,栄養補給の輸液が大切である.

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ポイント

・横紋筋融解症の原因としては,筋肉の挫滅外傷,過剰な運動,アルコールの多飲,薬剤などがある.

・crash syndromeでは,腎血流量の低下,尿細管内の円柱形成やヘム蛋白による細胞毒性などにより急性腎不全を発症する.

・crash syndromeにおいては,早期の積極的な治療が必要であり,循環血液量低下と酸性尿の改善が重要である.

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ポイント

・急性肝不全では,重篤な肝機能障害,脳浮腫,腎不全,消化管出血,血液凝固線溶異常を伴って多臓器不全を併発しやすい.

・全身的管理,特に水・電解質異常の是正がきわめて重要である.

・急性肝不全における水・電解質異常は,細胞外液量の増加と有効循環血漿量の減少が特徴であり,しばしば低Na血症と低K血症を呈する.

・輸液管理では,中心静脈の確保,Na制限,抗アルドステロン薬やループ利尿薬による水分排泄の促進,糖質中心のカロリー補給が原則となる.

急性下痢症での輸液 小林 健二
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ポイント

・コレラや毒素原性大腸菌(ETEC)の感染による下痢は分泌性下痢で,大量の下痢のため脱水に陥りやすい.このような患者への輸液は乳酸リンゲル液の投与が基本となるが,軽症から中等症の患者に対しては経口補液薬も有効である.

・旅行者下痢の原因菌として多いのはETECである.

・腸管出血性大腸菌(EHEC)感染の場合,抗生物質の投与により溶血性尿毒症症候群の発症率を高くすることが危惧されるため,同菌の感染を疑う場合,抗生物質の投与は推奨されない.

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ポイント

・出血性ショックでは,止血と輸液・輸血による循環血液量の確保が必要である.

・敗血症性ショックでは,循環動態の把握と輸液,感染症の診断と治療,呼吸管理,合併症の予防と治療が必要となる.

・グラム陰性桿菌感染症の場合,エンドトキシン吸着にてショック状態の離脱,改善が認められることがある.

熱中症での輸液療法 藤元 昭一
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ポイント

・熱中症はheat syncope/heat cramps/heat exhaustion/heat stroke に分類される.

・どの病態でもNaClと水の喪失があると考え,初期治療として経口可能であれば1%程度の生理食塩水の摂取,症状が強ければ生理食塩水か乳酸リンゲル液の点滴を行う.

・中枢神経症状と過高熱状態を呈するheat strokeは重症度が高く,輸液,体温低下のための急速冷却を行い,直ちに高次救急施設へ搬送する.

熱傷での輸液療法 横尾 和久 , 青山 久
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ポイント

・熱傷の受傷範囲が体表面積の20%を超えると,脱水ショック(熱傷ショック)に陥る危険性が高い.

・各種の熱傷輸液公式があるが,電解質輸液を主体とした方法が主流である.

・公式は参考程度とし,尿量や血清総蛋白値などを指標としながら輸液速度を調節する.

・コロイドの適切な投与が重要である.

水・電解質異常をきたす特殊な病態の解説

Bartter症候群 林 松彦
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ポイント

・Bartter症候群は,脱水,低カリウム血症,代謝性アルカローシスを呈する,先天性尿細管機能異常症である.

・習慣性嘔吐,フロセミド乱用などによる偽性Bartter症候群との鑑別が重要である.

・原因遺伝子はいずれもHenleの上行脚に局在する輸送体ないしその調節蛋白であり,これまでに4種類が確定している.

・治療には,カリウム補充,スピロノラクトン,NSAIDが用いられる.

Gitelman症候群 竹内 和久
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ポイント

・Gitelman症候群は先天的脱水疾患で低カリウム血性代謝性アルカローシス,二次性アルドステロン症,低マグネシウム血症および低カルシウム尿症を伴う.

・成人に発見される場合が多く,全身倦怠感や筋硬直症状の訴えがみられる.

・成因はサイアザイド感受性NaClトランスポーター(NCCT)遺伝子異常に基づくNCCT機能抑制である.

・治療は低カリウム血症に対する治療でKClやスピロノラクトンが投与される.

Liddle症候群 佐々木 成
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ポイント

・Liddle症候群は上皮型Naチャネル(ENaC)の遺伝子変異が原因である.

・臨床症状はアルドステロン過剰状態と同じであるが,レニン・アルドステロン系は抑制されている.

・治療はトリアムテレンが有効である.

・遺伝子変異はホットスポットがある.

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ポイント

・Dent病は特発性尿細管性蛋白尿症とも呼ばれ,小児期から近位尿細管機能障害を呈し,加齢とともに遠位尿細管障害が加わり,成人になって糸球体硬化による腎機能低下をきたすX染色体性の遺伝性疾患である.学校検尿にて無症候性蛋白尿として発見される例が多い.患者の約7割にクロライドチャネル5遺伝子の異常がみられる.

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ポイント

・低ナトリウム(Na)血症はルーチン検査で容易に発見できるが,その病態診断は必ずしも容易でない.鉱質コルチコイド反応性低Na血症(MRHE)は,腎でのNa保持能の減退を基盤にして低Na血症を惹起する病態である.MRHEは,これまでcentral salt-wasting syndromeのなかに埋もれていた病態の一つともいえる.高齢者の低Na血症の診断においてSIADHとの鑑別が重要である.

尿崩症 大山 健一 , 山田 正三
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ポイント

・尿崩症は多飲・多尿を特徴とする病態で,バソプレッシンの分泌が障害される中枢性尿崩症と,腎での作用が障害される腎性尿崩症とがある.

・多飲・多尿を生ずる他の原因を除外したうえで,水制限試験,バソプレッシン試験,あるいは高張食塩水負荷試験などを行い診断する.

・脳神経外科手術後はより早期の診断・治療が要求される.

トピックス

nutrition support team(NST)について 黒川 剛
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ポイント

・NSTは院長直属の院内組織で医師,看護師,薬剤師,栄養士,検査技師などから構成され,医療の基本である患者の栄養評価と栄養管理を専門的な立場から行う.

・栄養状態に問題のある患者のQOLの向上と入院日数の減少に貢献し,患者と病院双方に利益をもたらす.

・諸外国ではすでにNSTの重要性は認められ,多くの病院で活動しその成果を上げているが,わが国ではようやく最近になってNSTを設立する病院が増えている.

・NSTの活動に対して診療報酬点数の加算が認められるよう日本静脈経腸栄養学会が中心になって働きかけている.

理解のための30題

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蝶名林(総合司会,以下総司会) それでは,本日の症例を担当の山本先生からプレゼンテーションしてもらいます.

症例提示

山本(担当医) 症例は62歳の女性です.既往歴,現病歴を以下に示します.

救急神経症候の鑑別とマネジメント(11)

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 主要臓器が機能障害をきたすリスクは,虚血時間を直接反映する.心停止の場合の虚血時間は,心停止から心肺蘇生術(CPR)開始までの時間(心停止時間)と蘇生に要した時間(CPR時間)からなる1).CPR成功後1時間以内に意識が回復しなかった262例の検討では,心停止時間が6分未満かつCPR時間が30分を超えなければ半数例は神経学的に十分回復した.一方,心停止時間が6分以上かつCPR時間が15分を超えると生存しても常に神経学的障害が残ったという2).これは,脳重量は成人体重の約2%に過ぎないが,安静時酸素消費量は総酸素消費量の20%に達することから理解されよう.

 本稿では,蘇生後や侵襲的処置後など広範な臨床場面で発生し,法的・医療経済的にも大きな問題となるにもかかわらず,成書に記載の乏しい低(無)酸素・虚血後脳症〔posthypo(ano)xic-ischemic encephalopathy〕について述べる3)

カラーグラフ 手で診るリウマチ(11)

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 副腎皮質ステロイドは,1948年に初めて関節リウマチに対して臨床応用され,その後非常に数多くの疾患に用いられるようになった.現在に至るまで,最も効果の強い抗炎症薬であることに変わりはない.しかし副腎皮質ステロイド治療には,さまざまな副作用がつきまとう.どうしても使用しなければならないときは,効果のある最小投与量を維持するよう心がける.

 一般に,プレドニゾロン量に換算して1日量7.5mgまでは生理的用量(physiological dose)と考えられ,したがって,せいぜい1日10mgまでの量なら,やっかいなステロイドの副作用は大幅に軽減できると期待される.しかし低用量でも,長期投与を行えば,いくつかの副作用発現の可能性は免れない.これらには,白内障,緑内障,糖尿病,骨粗鬆症があり,皮膚では痤瘡,多毛,紫斑,皮下溢血,萎縮,皮膚裂傷の発生などがある.

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問題 352

 症 例:51歳,女性.

 主 訴:上肢筋力低下.

 既往歴:特記すべきことなし.

 家族歴:特記すべきことなし.

 現病歴:1998年7月頃,左手指脱力感に気づく.その後,症状は徐々に増悪.1999年5月頃,右上肢に同様の症状が出現し,同年6月当科受診.

 現 症:血圧138/90mmHg,脈拍80/min・整,体温35.8℃.意識清明で,舌の線維束性収縮と両側母指球筋,小指球筋の萎縮を認めた.眼球運動障害,嚥下・構語障害なし.両側上肢に遠位筋優位の筋力低下を認め,握力は右15kg,左7kgであった.四肢深部腱反射は両下肢で亢進していたが,Babinski徴候は陰性であった.感覚障害,協調運動障害,膀胱直腸障害,歩行障害なし.

 検査所見:頸椎X線,頭部MRI,頸部MRI検査はすべて異常なし.血算,生化学,尿検査は異常なく,CRPは0.3mg/dl以下,HTLV-1抗体,抗ガングリオシド抗体は陰性.髄液検査は細胞数正常,糖61mg/dl,蛋白20mg/dl,細胞診class2.上下肢の神経伝導速度検査では,伝導ブロックの所見は認めなかった.左短母指外転筋における安静時の針筋電図所見を図1aに,最大収縮時の針筋電図所見を図1bに示す.左尺側手根屈筋,浅指屈筋,総指伸筋,橈側手根伸筋,上腕二頭筋では安静時と収縮時に,左前脛骨筋,左腓腹筋では安静時に,図1と同様の所見が認められた.

新薬情報(34)

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適応■関節リウマチ

用法・用量■通常,成人にはレフルノミドとして1日1回100mg1錠の3日間経口投与から開始し,その後,4日目からは維持量として1日1回20mgを経口投与する(理由は薬物動態の記述を参照のこと).なお,症状,体重により維持量は適宜1日1回10mgに減量する.1日100mgの投与は,初期投与量としてのみ使用する.患者背景(例,体重50kg未満の非喫煙女性)によっては,通常投与量によってもレフルノミドの活性代謝体の血中濃度が高くなる可能性があるので注意が必要である.維持投与量は,肝障害〔ALT(GPT)として基準値の2倍以上,3倍以下〕が出現した場合には,10mgに減量する.それでもALTが基準値の3倍以上に上昇するか,10mgに減量してもALTが基準値の2~3倍の上昇が持続する場合には,レフルノミドを中止する.また,この薬物の効果は,投与開始後2週間から3カ月で発現するので,その間は継続投与をするのが望ましい.また,肝障害,血液障害は時に致命的となるので,リウマチの専門医がリスク・ベネフィットを十分勘案し,患者に説明のうえ使用するよう「警告」に明示されている.当面の間,本薬の投与症例については全例登録として,安全性を調査することが承認条件となっている.

基本情報

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medicina
40巻11号 (2003年11月)
電子版ISSN:1882-1189 印刷版ISSN:0025-7699 医学書院

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