今月の主題 水・電解質と輸液
疾患・病態での治療法
乳酸アシドーシスの診断と治療
鈴木 洋通
1
1埼玉医科大学腎臓内科
pp.1864-1866
発行日 2003年11月10日
Published Date 2003/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402102272
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ポイント
・乳酸アシドーシスは最も臨床でよくみる代謝性アシドーシスである.
・2つの型(type Aとtype B)がある.
・type Aは主に酸素の供給不足,すなわち,ショックや循環不全により引き起こされる.しかし,慢性肺疾患のときには比較的この型の乳酸アシドーシスは起こりにくい.治療は原病の治療が中心となる.重炭酸の使用に関しては決定的な証拠が得られていない.
・type Bはさまざまな疾患で起こる.これはtype Aと異なり,さまざまな代謝異常が関連してくることによる.臨床上重要なものは,肝疾患,糖尿病,ビタミンB1欠乏症,メチルアルコール中毒,悪性腫瘍などが挙げられる.治療は原病の治療が中心となる.
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