症例は60 歳代,男性.下部消化管内視鏡検査にて,下行結腸に発赤調を呈する8mm 大のⅠs+Ⅱc 病変を認めた.クリスタルバイオレット染色下の拡大観察では,陥凹内隆起部にⅤI 高度不整およびⅤN 型pit pattern を呈する領域を認めた.NarrowBand Imaging 併用Endcytoscopy(EC)ではEC-V3,クリスタルバイオレットとメチレンブルーによる二重染色下でのEC 観察ではEC 3b と診断されたことから,SM 深部浸潤以深の癌病変と考えられた.病理組織所見では,表層からの浸潤距離は3,088μm であり,EC により病変の深達度を正確に診断しえた興味深い症例であるため,文献的考察を交えて報告する.