腸管ベーチェット病と単純性潰瘍
腸管ベーチェット病と単純性潰瘍 病理像
太田 敦子
1
,
岩下 明徳
,
池田 圭祐
,
田邉 寛
,
大重 要人
,
今村 健太郎
1福岡大学医学部附属筑紫病院 病理部
キーワード:
Behcet症候群
,
回腸疾患
,
鑑別診断
,
腸疾患
,
小腸疾患
,
単純性潰瘍
Keyword:
Behcet Syndrome
,
Diagnosis, Differential
,
Ileal Diseases
,
Intestinal Diseases
pp.555-559
発行日 2014年11月20日
Published Date 2014/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2015106042
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腸管(型)ベーチェット病・単純性潰瘍は,いずれも典型例では,大型の円形または類円形の深掘れ潰瘍を回盲弁やその近傍に,また随伴する潰瘍を回腸末端に,ともに腸間膜対側にみることが多い.組織学的に主潰瘍は慢性活動性の非特異性炎症所見を示すUl-IVの深い潰瘍であり,潰瘍底は壊死層,肉芽組織層と線維組織層の3層からなる.両疾患の肉眼像および組織所見はきわめて類似しているため,組織学的な鑑別は困難である.鑑別診断として回盲部にみられる種々の腸疾患があげられるが,腸管(型)ベーチェット病・単純性潰瘍には特異的な組織所見はない.臨床情報も含めた典型例では診断を確実にすること,非定型例ではクローン病など他の疾患を鑑別するために検査所見,症状や経過などの臨床情報を総合的に判断することが肝要である.
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