特集 全身性疾患における腸管病変─腸管ベーチェット病とその鑑別疾患
Ⅲ.腸管ベーチェット病の治療
谷田 諭史
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学
キーワード:
腸管ベーチェット病
,
コンセンサス・ガイドライン
,
TNFα抗体薬
Keyword:
腸管ベーチェット病
,
コンセンサス・ガイドライン
,
TNFα抗体薬
pp.495-498
発行日 2019年11月20日
Published Date 2019/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/INT.0000000414
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腸管ベーチェット病に対する治療は,高いエビデンスレベルに基づいた確立した治療はなく,全身性のベーチェット病あるいはクローン病の治療経験に基づいて,5-アミノサリチル酸(ASA)製剤,ステロイド薬,免疫調節薬による治療がこれまで行われてきた.近年,抗TNFα抗体薬(インフリキシマブ,アダリムマブ)は,腸管ベーチェット病患者に対して有効であることが前向き試験で示され,臨床応用されている.現在作成されている腸管ベーチェット病診療に関する診療ガイドラインでは,腸管ベーチェット病に対する寛解導入療法としては,軽~中等症例には5-ASA 製剤,中等症~重症例には副腎皮質ステロイド薬,TNFα抗体薬,栄養療法,寛解維持療法としては,5-ASA 製剤,チオプリン製剤,TNFα抗体薬,栄養療法がある.本稿では,これら治療薬,さらには外科治療の適応についても概説した.
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