総合診療 27巻11号 (2017年11月)

特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health

藤沼 康樹
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WHO(世界保健機関)が2002年に発表した『World Report on Violence and Heath』以降、さまざまな暴力の問題が「健康問題」として重視されてきている。

しかし日本では、「健康問題としての暴力」に対応している医療者教育は十分とは言えない。

本特集では、総合診療に関連した医療現場で遭遇しうる、さまざまな暴力の問題について、多角的に学べるように編集した。

今月の「めざせ! 総合診療専門医!」問題
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本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

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 ファミリー・バイオレンス(family violence:FV)とは、「家族メンバーや親密な関係にある他者を、支配したり害したりするために、虐待的行為を行うこと」を指す1)。従来のドメスティック・バイオレンス(domestic violence:DV。配偶者などからの暴力、または親密なパートナーからの暴力〔intimate partner violence:IPV〕。p.1483・1488)、子ども虐待(p.1492・1498)、高齢者虐待(p.1502)、親子間暴力、きょうだい間暴力などを含む「私的で親密な場における暴力」のことである(p.1475・1507)。

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Case

 2014年2月上旬から中旬にかけて、生後0カ月の男児が父親から暴行を受け重症となった事件。父親は逮捕・起訴され、2015年3月大阪地方裁判所で実刑判決を受けた。

 夫婦は他市から転入してきたが、若年夫婦で経済的問題もあり、そのため市保健センターが支援を申出。2014年1月男児を出産したが、出産医療機関が不安を感じて市保健センターへ家庭訪問を依頼。2月12日家庭訪問の際、男児の顔に傷を発見するも、児童相談所に通告せず。家庭訪問の3日後、男児が心肺停止状態で救急医療機関を受診。翌日転院し、「低酸素脳症」「慢性硬膜下血腫」と診断された。

 現在では「父親の育児参加」についての広報・啓発が各自治体で盛んであるが、価値観のみ先行している傾向がみられる。若年の父親には「乳児とはどのようなものか、どのように扱うか」の知識がなく、出産後退院時などにすべての父親に対して研修が必要ではないか。

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世界中で暴力が健康を脅かしている

 「暴力」は、世界中に広く存在する社会問題であり、健康を脅かす重要な課題である。

【パートナーからを含むDV】

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 救急(ER)において、配偶者だけでなく親密なパートナーからの暴力(intimate partner violence:IPV)を含む「ドメスティック・バイオレンス(domestic violence)」(以下、IPVと併せてDVと総称する)の診療には、大きく2通りのパターンがあります。

 1つは、❶受傷患者がDVの存在を隠そうとする、あるいはDVであると認識していないパターンです。これらは、DVの存在そのものが明るみに出にくい、という共通点を有しています。したがって、このパターンに対する救急診療においては、「DVを見逃さないこと」が課題となります。見逃さないことで、継続的な相談・支援へとつながる可能性が生じるからです。

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Case

不眠と頭痛で受診した患者の「家族関係」を聞き、DVを疑った一例

患者:27歳、女性。

現病歴:「数カ月前から、夜眠れずに頭痛がひどい」とのことで外来を受診。問診と身体診察により器質的疾患は否定的であり、うつ病の2質問法 G1 でも陽性ではなかったが、表情が暗く、やや抑うつ的なことが気になった。

 家族構成を確認したところ、夫と8歳・6歳・3歳の子どもの5人暮らしであり、「夫との関係がうまくいかず、子どもにもつらく当たってしまう」「夫から子どもへの暴力もある」とのことで、話を聴いているうちに流涙が見られる状態であった。「つらい状況をお話しいただき、ありがとうございます」とお伝えしながら、暴力の深刻度と頻度をうかがい、緊急対応の必要性は低いことを確認。今後の対応法について本人と話し合い、ソーシャルワーカーにも相談することとした。

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見逃すわけにはいかない

 普段、成人を診療しているみなさまにとって、「見逃したら予後不良となる疾患」というと、どのようなものが思い浮かぶでしょうか? 急性喉頭蓋炎でしょうか。脳卒中でしょうか。急性心筋梗塞でしょうか。小児においては、「虐待」が見逃してはならない疾患群の代表です。

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Case

家庭で「祖母」から虐待を受けていた一例

患者:3歳、男児。

主訴:咳、鼻水。

経過:待合室では静かに遊んでいる。診察室でも特に問題ある行動などはないが、「衣服」が身体に合わず小さい。また、年齢に比して「身長」と「体重」の伸びが悪く、「発語」も少ない。母親との関係に違和感はなく、むしろ、いつもべったりとくっついて、こちらの顔色をうかがっている。

 経済的な問題があるのかもしれないと想定して母親に確認したところ、同居の祖母(本児の父親の母)が本児の姉だけを非常にかわいがり、本児にはけがをしない程度の身体的虐待があり、食事も別テーブルで食べさせられ、新しい衣服も買い与えられていない状況であった。しかし母親は、姑である本児の祖母に意見できる関係ではなかった。緊急入院とし、児童相談所に通告し、姑とは別居するに至った。

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虐待ケースを語る困難さ

 在宅現場における高齢者虐待についてというテーマだが、いざ自験例を含めて考えようとすると非常に困難があることに気がつく。

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ファミリー・バイオレンスの事件

 ソーシャルワークは、親から子への「子ども虐待」に早くから注目してきた。英国では、「児童虐待防止協会」が1884年に設立されている。その一方、わが国では長い間、子ども虐待への介入の弱さが批判されてきた。

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「虐待」の背景

 虐待は、一般には「むごく取り扱うこと」「残虐な待遇」といった意味に使われる用語であるが(広辞苑 第6版)、とりわけ、これが養育関係において行われている場合、しばしば、養育に苦しみ、それを解決できないまま追い詰められている養育者の姿に出会うことがある(p.1504)。

 言うまでもなく虐待は、これを受ける者にとって人権侵害に当たり、これにより時として重大な被害が生じ、さらに死に至ることすらある。他方で、その背景に思わず手をあげてしまう養育者の「苦しみ」があることを考えると、虐待防止のためのしくみとしては、虐待を受けた者を早期に発見し確実に保護するものであることに加えて、「予防」や「防止」も含めて、こうした養育者の苦しみを軽減するための支援に厚いものでなければならない G1。

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 わが国で保健医療福祉職場における「暴力」が注目され始めたのは、2000年初頭からである。対人接触の多い看護職の取り組みは早く、日本看護協会は2001年また2003年に全国の病院調査1, 2)を行い、看護職員を含む病院職員また医療福祉施設者が少なからず患者から暴力を受けているという実態を明らかにした。これらを踏まえ、同協会は2006年、「保健医療福祉施設」における暴力対策指針3)を作成し普及に努めてきた。

 一方、「訪問看護」の場で看護師が受ける暴力については、トラブルやクレーム(p.1524・1534)の一部として徐々に問題視はされてきたが、サンプリングやサンプル数の限界もあり、その実態は未だ十分に解明されたとは言えず、予防も含めて対策の検討は進んでいないのが現状である。

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Case

 6年前になる。30代の看護師が、脳血管障害後遺症の60代女性の家庭を訪問した時、ご家族に「寒いから温まっていってね」とお茶を勧められた。日頃より訪問先で茶菓子をいただくことは禁止しているのだが、その日は断り切れなかったという。そのお茶に「違法薬物」が混入されていたのである。

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Case

職場のストレスで「うつ病」になった一例

患者:38歳、女性。医事課職員。

家族歴:特記すべきことなし。

現病歴:1年前に転職して、病院の医事課に勤務し始めた。やっと仕事を覚えて自信も出始めた半年前より、「院外の研修会に参加するように」と強く上司から言われるようになった。また、上司が不在になる時には、その代行を任されることが多くなり、そのストレスもあり不眠になった。そのうち、複数名で担当していた業務を1人で担当させられるようになった頃には、「同僚や先輩たちからのいじめじゃないか」と気づくようになった。仕事にも行きたくなくなり、メンタルヘルス科を受診した。「うつ病」と診断され、抗うつ薬の治療を開始するとともに、3カ月間の自宅静養が必要であるという診断書を提出した。

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Case

「膝をぶつけたから早く診ろ」と受付ですごんでいる酩酊状態の男性

患者:40歳、男性。

現病歴:飲酒後に転倒して左膝をぶつけたために、徒歩で来院。受付で「早く診ろ」「以前来た時は30分も待たされたんだぞ」と言って、今にも殴りかかってきそうな勢いである。カルテを確認すると、以前に何度か受診した際にも脅かすような言動があったとの記載がある。「僕がビシッと言ってやりますよ」と自信満々の後期研修医が、腕を組みながら「他の患者の迷惑だから静かにしてください」と注意したところ、「なんだ、お前は! えらそうに!」と言って殴られた。どのように対応すればよかったのだろうか?

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Case

高齢患者の死後、別居家族が「医療過誤ではないか」と申し立てた一例

患者:86歳、男性。末期の胃がんにより短期入院後、昨日死亡退院。

経過:地方都市で、63歳の長男夫婦と長年同居。長男は、自身も当院がかかりつけで、「父が大往生を遂げられたのも、先生のおかげです」と手厚く礼を述べた。

 ところが翌日、臨終に間に合わなかった長女が、「父が亡くなったのは医療過誤ではないか」と怒鳴り込んできた。長女は、35年前に結婚後、ずっと県外の大都市に住んでおり、父親の介護は長男夫婦に任せていた。「医療過誤の可能性は考えられない」と担当医(女性)が説明しても、「田舎の病院は信用できない。私の通っている○○大学病院とは大違いだ」と耳を貸さない。ついには、長男の制止も聞かず、院長自身による謝罪を要求する始末である。

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 「家庭医=地域基盤型プライマリ・ケア担当総合診療医」にとって、比較的大きな拠点病院の強力な「総合診療科=病院基盤型総合診療医集団」にアクセスできる環境があると非常に仕事がしやすいことを、僕は身をもって経験している。たとえば、以下のような事例である。

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 伊藤さんの最新刊『つらいと言えない人がマインドフルネスとスキーマ療法をやってみた。』が出版された。認知行動療法の新しいアプローチ「マインドフルネス」と「スキーマ療法」に、医療者自身が取り組む内容だ。本書の姉妹編『ケアする人も楽になる マインドフルネス&スキーマ療法』では看護師のマミコさんが主役だったが、今回は医師のヨウスケさんが登場する。ヨウスケさんは一見“普通の内科医”だ。でも実は、長年「背部痛」に悩んでいて……。伊藤さんは、なぜ「医師」をクライアントに選んだのだろう?

 一方、総合診療系の学会などでは、診断精度を高めたり、医師としてのパフォーマンスを向上する技術の1つとしても注目される「マインドフルネス」。Google社などの名だたる企業も取り入れており、“ビジネススキル”のようにもとらえられている。果たして、マインドフルネスとは何なのか? その効果は? 「医師」がマインドフルネスを取り入れる意義を聞いた。

What's your diagnosis?[179]

テキサスでデラックスを! 酒見 英太
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病歴

患者:71歳、女性。

主訴:間歇的背部〜右脇腹痛。

患者プロフィール:23歳で3回疼痛発作を起こした尿路結石(高カルシウム尿症と言われた)、30代で急性腎炎、1.5年前に膀胱瘤切除、8カ月前に迷路炎と言われた以外は著患を知らない、初老の専業主婦。夫と2人暮らし。喫煙せず、アルコール常飲なく、アレルギーなし。常用薬はビタミン剤と湿布のみ。父に「脊椎カリエス」、娘に「肺門リンパ節炎」の家族歴あり。

現病歴:4年前から背部中央から右脇腹にかけてshooting pain が間歇的に起こり、徐々に回数が増えてきた。特にここ1年半は>3回/週の頻度となっている。それについて8カ月前から複数の近医を受診し、婦人科的診察、血液・尿検査、超音波検査、CT、上下部消化管内視鏡による検査を受けたが、6週間前にCRP 1.7mg/dLを指摘された以外に異常なく、鎮痛薬の頓用を処方されるだけで原因不明ゆえ、精査加療を求めて紹介受診した。悪寒・発熱・寝汗、食欲不振・便通変化・体重減少、不眠、咳・胸痛・呼吸苦、腹痛・腹満、悪心・嘔吐、頻尿・残尿感・帯下、皮疹、四肢関節痛・浮腫、脱力・痺れはない。

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 2017年6月25日、医学書院(東京)にて『総合診療』リニューアル記念セミナー「外来診療を劇的に変える 総合診療教育ライブ!」を開催した。

 本誌『総合診療』がこの1月号から大きくリニューアル(表)したことを記念して企画した本セミナーでは、松村真司氏(松村医院/同誌編集顧問)、藤沼康樹氏(医療福祉生協連家庭医療学開発センター/同誌編集委員)、徳田安春氏(臨床研修病院群プロジェクト群星沖縄/同誌編集委員)、山中克郎氏(諏訪中央病院総合内科/同誌編集委員)の4名のジェネラリストが講師としてそろい踏み。医学生からベテラン医師まで幅広い年齢層の参加者が全国各地から集まり(写真1)、4時間にわたって熱気溢れるレクチャーが3部構成で行われた。

オール沖縄!カンファレンス・11

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CASE

患者:74歳、男性。身長160cm、体重58.8kg、BMI 23.0。

主訴:呼吸困難。

既往歴:膵囊胞腫瘤、気管支拡張症、高血圧症、逆流性食道炎。

家族歴:特記事項なし。

生活歴:喫煙歴なし。若い頃は大酒家であったが、現在は飲酒なし。

アレルギー歴:特記事項なし。以前の造影CT検査でアナフィラキシー様症状なし。

現病歴:X年3月某日に、1年に1度の膵囊胞腫瘤フォローのため造影CT施行。造影剤注入後に咳嗽・くしゃみが出現。その後、呼吸困難とSpO2の低下を認めたため、早急に救急外来へ移動となった。

I LOVE Urinalysis|シンプルだけどディープな尿検査の世界・8

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Case

患者:57歳、女性。

現病歴:数年前に他院でSjögren症候群と診断されているが、通院はしていなかった。脱力で受診され、Na 137mEq/L、K 2.2mEq/L、Cl 110mEq/L、Cr 0.8mg/dL、HCO3- 13.7mEq/Lのアニオンギャップ(AG)正常な代謝性アシドーシスを認めた。

        尿定性

比重      1.008

pH       7.0

蛋白      +

糖       -

ケトン体    -

潜血      -

ウロビリノゲン ±

ビリルビン   -

白血球     -

尿Na      98mEq/L

尿K       30mEq/L

尿Cl      113mEq/L

西伊豆発!画像読影道場|これくらい読めてもいいんでナイカイ?・11

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 前回は、主に高齢者の「膝」の痛みを伴う代表的疾患を押さえました。今回は膝の下、すなわち下腿〜足関節・足趾の代表的疾患を診断できるようになりましょう。膝から下の病変は、高齢者だけでなく、過度の運動を行った場合などに「若年者」にも多く生じます。

みるトレ Special・11

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患者:40歳代、男性。

主訴:咳嗽、喀痰、発熱。

現病歴:1週間前から「鼻汁」と「咽頭痛」などの感冒様症状が出現し、4日前から「咳嗽」と「喀痰」が出現し、増悪している。昨日から39℃台の「発熱」が出現したため受診した。

身体所見:体温38.2℃、呼吸数18回/分、SpO2 94%(室内気)。

両下肺野で呼吸音の減弱とcoarse cracklesを聴取する。

血液検査:WBC 10,800/μL(Stab 14%、Seg 78%、Lym 5%、mono 3%)、CRP 14.5mg/dL。

喀痰グラム染色:図1。

国試にたずねよ・11

筋力低下、ありやなしや。 山中 克郎
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 デンマークの「hygge」という生き方が、ヨーロッパでちょっとしたブームになっているようだ。家族や友人と「ホッコリした幸せな時間」をもつことが大切、という考えである。

 デンマークは、「幸福度」が非常に高い国だと言われている1)。赤々と燃え盛る暖炉の前で、キャンドルを灯しながら、友人たちとデザートを食べお茶をする。キャンドルの揺らぐ炎を見ていると、それだけで心が豊かになる。

診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・8

左室収縮能低下を疑った時 亀田 徹
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はじめに

目測で包括的に左室収縮能を評価します!

 前号ではFoCUS(focused cardiac ultrasound)の概念と基本断面の描出について解説を行いました1)。今月からFoCUSの主要評価項目・病態を、1つずつ取り上げていきます。今回は「左室収縮能低下」がテーマです。

 呼吸困難やショック、胸痛に対して、FoCUSでは目測で包括的に左室収縮能を評価します。できるだけ多くのFoCUS観察断面1)で左室収縮能を評価することが望ましいのですが、左側臥位困難、時間的制約などにより、限られた断面で評価せざるをえない時もあります。系統的心臓超音波検査では、左室収縮能の指標、左室駆出率(ejection fraction:EF)は、左室径で計算するTeichholz法が用いられてきましたが、現在は心尖部四腔断面と心尖部二腔断面で左室内腔をトレースして計算するmodified Simpson法が標準となっています。一方、FoCUSでは(詳細な)計測を必須とせず、目測で半定量的に左室収縮能の評価を行います。目測の利点は素早く評価できることにありますが、検者依存性が高くなり「専門家以外の臨床医が行うFoCUSで、果たして役立つのか?」という疑問が生じますが、この点については後述したいと思います。

 なお、左室機能の両輪である拡張能は、ドプラ法を用いた総合的な判断が必要であり、通常FoCUSには含まれません2)。しかし、左室肥大や左房拡大などの基本的な形態情報は、拡張不全の指標として参考になります。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年10月31日まで)。

こんなときオスラー|超訳『平静の心』・11

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CASE 1

 A医師は市中病院の指導医である。2人の研修医を従えて、病棟の回診を、1日2回朝と夕行っている。A氏は患者の状態が良くならない時には、しばしば焦りが見られた。患者の状態が悪くなると、怒りを爆発させることもあった。

 ある日の夕方、研修医のプレゼンテーションを聞いていたAは、突然怒り出し、そばにあった物を地面に投げつけた。病棟の雰囲気が凍り付いた。「血清クレアチニン値が1.2mg/dLの患者さんのCT検査で、造影剤を使用した」と言う研修医に対して、怒りが爆発したのだ。

苦手克服|野獣のリアル勉強法・11

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 常夏のバンコクから帰ってきて、かれこれ1年が経過しました。私は、島根大学医学部内で、医局に属していない唯一の臨床医です。そのため、赴任すると、よく「何科の医師ですか?」と聞かれました。悩んだ挙句、その答えに困ることも、最近はなくなりました。

 医学生の時、ポリクリ(病院実習)の指導医たちに、「ジェネラリストになりたい」と将来の夢を話すと、あからさまに怪訝な顔をされる先生が多く、自分の目指す医師像を全否定され続けたことを鮮明に覚えています。強いて言えば、それが僕の記憶に残っている“卒前教育”のイメージですが、逆に、これが未だに自分のジェネラル・マインド普及活動へのモチベーションにつながっていると感じます。

 今回、野獣クラブから機会をいただきましたので、自らを振り返り、どこから来てどこへ向かうのか、考えてみたいと思います。

55歳からの家庭医療|明日から地域で働く技術とエビデンス・11

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 近年、医療者教育や日常臨床において、「振り返り(省察)」というタームが普及してきたように思います。歴史的には看護領域が先駆的に「省察」と「実践」を結びつける教育を展開してきましたが、2000年代に入って、医学領域においても、特に初期臨床研修やプライマリ・ケア関連の教育において、「振り返り」はかなり重視されてきたと思います。

総合診療専門医(仮)セルフトレーニング問題・8

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セッティング

あなたは都市郊外の無床診療所で、医師2名体制で勤務している。この診療所では、採血(血算のみ)、尿検査(定性のみ)、単純X線、心電図、呼吸機能検査、超音波検査ができる。CT、MRI、内視鏡検査および入院による治療は、車で20分の総合病院に依頼している。

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 誰でも健康でいたい、病気にはなりたくない。だから、患者が診察を受けに来たのには、何かの理由がある。これが、医師と患者との関わり方だ。

 患者を「診る」ことは、初診時の全身の第一印象をみて、会話し(問診)、ちょっと丁寧な観察(診察)から始まる。なぜ患者が来院したのか、何が起こりつつあるのか、頭が回転し始める。外来・病棟・救急などで、患者を観察し、話を聞きながら状況判断し、すぐに対応するべきことなどを検討しながら推論や仮説を設定、対応し、身体診察を行い、次の選択肢や指示を出さなくてはいけない。特に時間的制限の高い救急やインテンシブケアでは、診療のプロセスが凝縮されている。これらのプロセスこそが臨床の醍醐味だ。

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 2015年、1991年に創刊した弊誌は、下記の「編集方針」を掲げて、『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。以来、この2年間のうちにも高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされます。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、リニューアルいたしました。本誌は、今後も既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。

2017年1月  『総合診療』編集委員会

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基本情報

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総合診療
27巻11号 (2017年11月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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