特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health
【スペシャル・アーティクル】
医療現場における「クレーム」を読み解く—多目標理論モデルに基づく“診断”と“治療”
杉本 なおみ
1
1慶應義塾大学看護医療学部
キーワード:
クレーム
,
自己イメージ
,
社会的体面
,
葛藤解決における多目標
Keyword:
クレーム
,
自己イメージ
,
社会的体面
,
葛藤解決における多目標
pp.1534-1537
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201218
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Case
高齢患者の死後、別居家族が「医療過誤ではないか」と申し立てた一例
患者:86歳、男性。末期の胃がんにより短期入院後、昨日死亡退院。
経過:地方都市で、63歳の長男夫婦と長年同居。長男は、自身も当院がかかりつけで、「父が大往生を遂げられたのも、先生のおかげです」と手厚く礼を述べた。
ところが翌日、臨終に間に合わなかった長女が、「父が亡くなったのは医療過誤ではないか」と怒鳴り込んできた。長女は、35年前に結婚後、ずっと県外の大都市に住んでおり、父親の介護は長男夫婦に任せていた。「医療過誤の可能性は考えられない」と担当医(女性)が説明しても、「田舎の病院は信用できない。私の通っている○○大学病院とは大違いだ」と耳を貸さない。ついには、長男の制止も聞かず、院長自身による謝罪を要求する始末である。
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