総合診療 27巻10号 (2017年10月)

特集 めまいがするんです!─特別付録Web動画付

上田 剛士
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「めまい」は若手医師が苦手な症候の代表です。「めまい」に対する苦手意識を克服するうえで、まず臨床医は臨床的頻度が高いBPPV(benign paroxysmal positional vertigo:良性発作性頭位変換性めまい症)に対して、しっかりとしたアプローチを行えることが大変重要です。また持続的な眼振を呈する患者において、本当に脳梗塞の見落としを減らすためには、逆説的ではありますが、MRI検査に頼った診療からの“脱却”が必要です。繰り返すめまいに対して、安易に「メニエール病」と病名が付けられたり、また片頭痛によるめまいや頸性めまいは、頻度が高いにもかかわらず軽視されている現状もあります。

本特集は、一般内科医がよく遭遇するであろう「めまい」の上記状況に対して、臨床的観点に基づいた、めまい診療のコツやピットフォールに言及し、読者の皆さんに“めまい診療の実践力”を身に着けてもらうことを目的に企画しました。

今月の「めざせ! 総合診療専門医!」問題
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本問題集は、今月の特集のご執筆者に、執筆テーマに関連して「総合診療専門医なら知っておいてほしい!」「自分ならこんな試験問題をつくりたい!」という内容を自由に作成していただいたものです。力試し問題に、チャレンジしてみてください。

【総論】

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Case

患者:71歳、女性。

現病歴:数カ月ほど前より徐々に“めまい”がするようになった。朝起きた時に“めまい”は強く、その時はグルグルと回る。昼間はフワフワとした“めまい”が残存しており、特に立位で強いと感じるが、常に“めまい”は持続している。倦怠感もあるが、食欲不振はない。夕方には“めまい”は改善する。頭痛・しびれ・嚥下障害・構音障害・複視・難聴はない。

既往歴:高血圧症、脂質異常症、不眠症。カルシウム拮抗薬、サイアザイド系利尿薬、スタチン製剤、短時間作働型ベンゾジアセピンを数年来服用している。

身体診察:眼振は認めず、継足歩行は年齢相当で、Romberg試験陰性。その他特記すべき異常所見は認めない。

Q:さて、めまいの原因は何でしょうか?

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Case

病歴からBPPVを疑い、身体所見より右後半規管型BPPVと診断、Epley法により治療した1例

患者:52歳、女性。

現病歴:今朝起床時より、めまいを自覚。寝返り・起立・振り向く、などの動作によりめまいが起こるが、動くのをやめてじっとしていると、1分以内にめまいは改善する。しかし、再度動くとめまいが出現する。複視・構音障害・頭痛は伴わない。数時間後も症状が改善しないため、救急要請され、当院に搬送された。

 病歴からBPPVを疑い、Dix-Hallpike試験を行った。座位になった患者の頭部を右側に水平に45°回旋した後に患者を後ろに倒したところ、数秒の潜時の後、回旋成分を伴う右側耳方向への数十秒持続する眼振が出現した。座位に戻した際に反対方向の眼振が出現、また左側の懸垂頭位では眼振が出現しないことを確認した。右患側の後半規管型BPPVと考え、Epley法を施行したところ、症状は消失した。

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Case

寝返りで一過性の方向交代性向地性頭位眼振とめまいをきたした1例

患者:44歳、女性。

主訴:寝返りでの回転性めまい。

現病歴:2日前起床時にめまいを自覚。その後、寝返り(特に右耳下)で回転性めまいが出現する。仰向けに戻ると次第にめまいはとれた。再び右耳下になると同様のめまいがあり、真っ直ぐ寝ていた。嘔気はあるが、嘔吐まではなかった。真っ直ぐ起き上がり、そのままじっとしているとめまいはなく、何とか日常生活は可能だった。しかし、前かがみになったとたん強いめまいがあり、倒れてしまった。不安になり脳外科を受診した。頭部MRに異常はなく、耳鼻咽喉科受診を勧められた。その後、頭を動かさないようにしているので強いめまいはないが、フラツキが持続し、本日受診した。自覚的に難聴・耳鳴・耳閉感などの蝸牛症状はない。明らかな脳神経・小脳障害を疑わせる自覚症状もない。

既往歴:特記事項なし。昨年も同様のめまいがあったが、1日で軽快した。

現症:鼓膜所見に異常はない。注視眼振検査では眼振や異常眼球運動はない。閉眼足踏み検査(約30歩)では左に約30度偏倚したが、明らかな失調はない。赤外線フレンツェル眼鏡を装着し、ビデオ記録をしながら頭位・頭位変換眼振検査を行った。坐位では自発眼振はない。坐位から仰臥位正面へ頭位変換を行ったが、眼振やめまいは観察されなかった。仰臥位正面から右耳下頭位あるいは左耳下頭位へ頭位変換を行うと、一過性(1分以内)の方向交代性向地性頭位眼振が観察された。右耳下頭位と左耳下頭位との間で頭位変換(Head roll test)を行うと、右耳下頭位でめまいと強い右向き(向地性)水平性眼振が出現し、次第に減弱消失した。その後、第2相性眼振と考えられる左向き水平性眼振が出現した。左耳下頭位では右耳下頭位より弱い左向き(向地性)水平性眼振が出現し、やはり減弱消失した(動画1、2)。Head roll testで一過性(1分以内)の方向交代性向地性頭位眼振が観察され、右耳下頭位が左耳下頭位より眼振やめまいが強いことより、「右外側半規管型BPPV-半規管結石症」と診断した。

治療:診断に続いて、右耳下頭位から、左耳下頭位、さらに左耳下135度頭位、最後に坐位に、頭位や体位を変換する健側下135度法(動画3)を1回行った。当日は就寝まで頭部を強く曲げない、また就寝時は患側を上にして寝てもらうように指導した。翌日再診したが、めまいは消失し、Head roll testでも眼振やめまいは観察されなかった。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年9月30日まで)。

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Case

外側(水平)半規管型BPPVクプラ結石症をHead tilt hopping法で治療

患者:64歳、女性。

現病歴: 2年前より寝返りで、3カ月前より上下方を向くとめまい感が出現してきたので来院した。難聴や耳鳴りはなく、複視や構音困難、顔面のしびれなどの脳神経症状もなかった。

臥位頭位眼振検査(図1):めまいを伴う方向交代性背地性(上向性)眼振が潜時なく2分以上持続し、強さは右より左耳下頭位で優位であった。また、仰臥位正面では右向き水平性眼振が認められ、右下約20°の頭位で消失した。

診断:右の外側(水平)半規管型クプラ結石症。

治療:Head tilt hopping(Yamanakaホッピング)法を施行した。診察室で左右頭位傾斜で10回ずつのホッピングを3セット行った。直後より、方向交代性背地性眼振は向地性に変化した。クプラから耳石粒/塊が剥がれて半規管脚に浮遊していると考え、頭位治療(Half Roll法)を行ったところ、眼振とめまいは完全に消失した。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年9月30日まで)。

え?まさか! BPPV診療の落とし穴 城倉 健
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Case

急性発症した、めまいと悪心

患者:80代、女性。

既往歴:高血圧。

現病歴:起床時に突然めまいと悪心が生じ、動けなくなったために救急車で来院した。ベッド上で仰臥位の状態のまま診察したところ、構音障害や感覚障害は認めず、Barré徴候は陰性(麻痺なし)で、指鼻試験も正常(小脳性運動失調なし)であった。Frenzel眼鏡を装着して観察すると、右下頭位で左向き、左下頭位で右向きに眼振が出現する方向交代性背地性眼振を認めた。そこでまず、良性発作性頭位めまい症の外側半規管型クプラ結石症を疑った(動画1)。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年9月30日まで)。

【起立性低血圧】

本当に頭位性ですか? 西口 潤
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Case1

BPPVと間違いやすい例 ・1

患者:79歳、男性。

既往歴:心筋梗塞、高血圧、脂質異常症。

服薬歴:アスピリン、アムロジピン、リバロ。

現病歴:数日前から布団から起き上がる時、めまいを自覚していた。来院当日、起床時に布団から起き上がった時にめまいが起こり、転倒したため、当院に救急搬送された。

来院時のバイタルサイン:血圧108/83mmHg、心拍数107回/分、呼吸数22回/分、体温36.1℃、SpO2 97%(room air)。

身体所見:眼瞼結膜蒼白、呼吸音清、心音整、心雑音なし、眼振なし。

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Case

患者:69歳、男性。

現病歴:X月9日夕方より、嘔気・嘔吐・右難聴・後頸部痛が出現し、自宅で様子を見ていた。翌10日朝3時頃からしゃべりづらさも出現したため、当院の救急外来を受診、同日朝5時に脳のCTとMRIを撮影したが、明らかな急性期の脳血管障害は認められなかった(図1)。初療医によりしゃべりづらさは嗄声と判断され、めまい・難聴・嗄声の精査目的で、同日耳鼻科を受診した。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年9月30日まで)。

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Case

患者:72歳、男性。

主訴:繰り返す回転性めまい。

現病歴:もともと難聴の指摘があり、普段より補聴器を使用している。5年ほど前より特に誘因なく回転性のめまいを認め、救急受診を繰り返している。最終受診は3カ月前。今回もテレビを見ている際、同様の回転性めまいが出現。悪心・嘔吐を伴い、動けなくなり、救急要請となった。

既往歴:高血圧。老人性難聴。繰り返すめまい症(過去に施行された頭部MRIでは異常を認めず、「末梢性めまい症」と診断されている)。

内服:アムロジピン。

身体所見:意識声明。血圧144/82mmHg、心拍数80回/分(整)、呼吸数22回/分、体温 36.8℃、SpO2 98%(room air)。

難聴のため、耳元で大声を出してようやく理解される(補聴器の持参なし)。全眼位で右上回旋性水平方向性眼振を認める。複視や構音障害をはじめとした神経所見に異常は認められなかった。HIT(head impulse test)を施行したところ頭位眼球反射は正常(中枢パターン)であった。

【片頭痛】

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Case

患者:46歳、女性。

現病歴:2年前より、めまい発作を自覚。耳鼻科、神経内科にて診察上の異常はなく、頭部MRIでの白質病変から「radiological isolated syndrome疑い(多発性硬化症におけるMRI所見はあるが、無症状の状態)」として、半年ごとに頭部MRIフォロー中であった。症状は仕事中に起こることが多く、“グワーン”と頭が膨張する感じで、週に1回は出現し、月に2回は強いふらつきで早退が必要になる程であった。繰り返す症状に改善がないため受診された。

【頸性めまい】

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Case

患者:45歳、女性。

現病歴:20代の頃にも回転性のめまいを自覚していたが、数日で治まるため放置していた。数カ月前より勤務時間が長くなってから、頭痛・首こり・目の疲労を自覚。また自宅ではペットの介護をしており、不眠気味でもあった。ある日洗濯を干す際に、突然グラッと回転性のめまいが生じ、以後通勤電車も怖くなり、休職することとなったため、近医耳鼻科、脳外科を受診。特に異常を指摘されず、心療内科へ紹介されたため、自分は精神疾患ではないと考え、当院を受診。頸部の緊張および頸部X線にて後屈不全を認め、長時間同姿勢であることを注意するなどの生活習慣の改善を指導された。2週間後には症状がほぼ改善していた。

【対談 エビデンス付!】

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上田(司会) 「めまいに効く薬」はいろいろあるけど、「めまいを起こす薬」もいろいろあります。たくさんの薬を目の前に、めまいがしているようではめまい診療はできません!

 ということで、今日は“若きエビデンスの達人”高岸先生をお招きし、エビデンスを踏まえながら、めまいの実臨床でどのような薬を使い分ければよいかについて対談したいと思います。

 エビデンスといえば、私は『ジェネラリストのための内科診断リファレンス』(2014、医学書院)を執筆しましたが、高岸先生も『ホスピタリストのための内科診療フローチャート』(2016、シーニュ)(本誌p.1346)という素晴らしい本を書いておられます。まず最初に、どうやってこの本を書くに至ったか、その経緯からお話しください。

【コラム めまい小咄】

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 「突発性難聴」は、原因不明の急性発症の感音性難聴で、内科医としては時間外外来や救急外来で診察することが多いと思います。疾患の特徴をまとめると、以下のようになります1)

❶難聴は、3つ以上の周波数で閾値が上昇(30dB以上)。

❷発症は、通常72時間以内に増悪する経過となる。

❸大半が片側性で、両側性は5%のみ。

❹好発年齢は40〜50歳台、性差はない。

❺28〜57%で、一過性の前庭症状を伴う。

❻他に、難聴をきたす疾患が除外される。

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Case

患者:59歳、女性。

現病歴:10年以上前からめまい発作と難聴があり、「(両)メニエール病」と診断され、耳鼻咽喉科に通院加療中である。お店に立って並んでいたところ、急激に世界が回り出し、転倒した。意識は失っておらず直ぐに回復したが、あまりの突然のことに手をうまくつくことができず、顔面を打ったため、念のため救急外来を受診した。

 1カ月前には椅子に座っていたところ、急に椅子が動いたため、転びそうになっている。この時の椅子は横幅が広く、椅子が不安定となったことが不思議であった。

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 「phobic postural vertigo」(恐怖性姿勢めまい)は、めまい外来患者の8〜17%を占め、BPPV(良性発作性頭位めまい症)に次いで多い原因ですが1,2)、その割に軽視されているように思われます。

 診断基準からわかるように、心因性要因が強く関与しますが、実はその病態は、誰もが経験したことがあるものです(表1)1)

Editorial

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 “めまい”は非常によく遭遇する症状で、一般外来を受診する患者の2%が、1年以内に“めまい”を経験するとされます1)。そこで本特集では、日常診療において避けては通れない“めまい”を取り上げることにしました。

 “めまい”の語源は「目が回る」とされていますが、漢字で表記すると、「眩暈」や「目眩」となります。「玄」には「黒、闇」という意味があり、「暈」とは太陽または月のまわりに見える輪のような光を指します。つまり、同じ“めまい”という言葉の中に、前失神や回転性めまいが含まれていることになります。このことからもわかるように、“めまい”を起こす病態にはさまざまなものがありますが、“めまい”の性状による分類は、必ずしも病態を正確に反映しないことが、診療をより難しいものにしています。

What's your diagnosis?[178]

ドクターGの功罪 溝畑 宏一 , 上田 剛士
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病歴

患者:独居でADL(activities of daily living)は自立している82歳、女性。

主訴:左上下肢脱力。

現病歴:3週間前に下痢が3日間持続し、近医でウイルス性腸炎として対症療法を行ったところ、下痢は速やかに改善していた。受診前日の朝から構音障害を認め、夕方に軽度の左上肢の脱力を自覚した。翌朝ベッドから起き上がろうとしたところ、左上下肢脱力のためバランスを崩して滑り落ち、体動困難のため救急要請された。頭痛、複視や、先行する生もの摂取歴、胃腸炎の流行歴はない。

既往歴:陳旧性心筋梗塞、高血圧症、脂質異常症、慢性腎臓病。

内服歴:バルサルタン、ニフェジピン、アテノロール、プラバスタチンナトリウム、アスピリン。

生活歴:喫煙・飲酒歴なし、アレルギーなし。

オール沖縄!カンファレンス・10

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CASE

患者:自宅で長男夫婦・孫と生活している、89歳、男性。

主訴:胸痛。

既往歴:前立腺癌(T3aN0M0)術後9年、多発性大腸ポリープ切除後4年。

内服薬:アミトリプチリン塩酸塩20mg、アビラテロン酢酸エステル1,000mg、プレドニゾロン10mg。

家族歴:特記事項なし。

生活歴:元重機修理工。大酒家で喫煙歴なし。

現病歴:前立腺癌術後で泌尿器科通院中。2カ月前から上記内服薬を開始している。来院4日前に両足痛で整形外科を受診し、両足関節炎の診断を受けた。来院3日前から臥位で深吸気時に増強する左前胸部痛を自覚。自宅にて経過をみていたが、痛みが徐々に強くなり、安静時呼吸困難も出現したため、深夜に救急外来を受診。痛みは座位にて軽快するが、前傾姿勢では変化なし。嘔気・冷や汗・頭痛・放散痛は認めなかった。

診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・7

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はじめに

FoCUSとは?

 今回から「心臓領域」のテーマに入ります。検査室で行われる系統的心臓超音波検査は、循環器疾患や血行動態を把握するために不可欠な検査です。これまでさまざまな手法や多くの評価項目の有用性が明らかにされ、系統的心臓超音波検査に組み込まれてきました。その結果、系統的心臓超音波検査は複雑かつ専門的となり、専門家以外は手を出しにくいものとなりました。一方、プライマリ・ケアや急性期診療の現場では、循環器系に問題を抱えた患者の診療を行うことが多く、的確な循環器系の評価が求められます。

 近年、「Focused Cardiac Ultrasound(以下、FoCUS)」という概念が普及し、2014年にはFoCUSの国際推奨が発表されました1)。FoCUSは、急性期診療に従事する医師により、ベッドサイドにおいて、問題解決型アプローチで、短時間で行われる手法であり、得られた所見は他の臨床情報と併せて解釈されます。FoCUSでは、急速に普及しているポータブル装置やポケットエコーでも施行可能で、一定のトレーニングで習得でき、日常診療のレベルで技量の維持が可能なものが求められます。また、FoCUSの特徴としては、Point of Careに適した観察断面(表1)と、評価項目(表2)が「絞られる」ことにあります。評価項目としては、難易度は高くなく、緊急度・重要度が高いものが選出されます(図1)。また、評価方法は目測が中心で、心電図・ドプラ・詳細な計測は必須とされません。 発足して1年半になる「Point-of-Care超音波研究会」では、FoCUSの到達目標を定めていますので参考にしてください(表3)。

*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年9月30日まで)。

みるトレ Special・10

熱はないけど、要チュ〜意! 佐田 竜一
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患者:70歳、男性。

主訴:倦怠感、両肩痛、労作時呼吸困難。

生活歴・既往歴:ADL・IADL自立。特記すべき既往なし。

薬剤歴:ワルファリン、オルメサルタン、アゼルニジピン、カルベジロール、フレカイニド、ロルノキシカム(3日前より)。

現病歴:4日前から、倦怠感と両肩痛、労作時の軽度の呼吸困難、臥床時の咳嗽が出現。3日前に当院整形外科を受診し、「肩関節周囲炎」の診断で鎮痛薬を処方されたが、症状は改善せず。2日前に近医を受診し、両肩に関節内注射をされた。1日前に右肩痛は消失したが、倦怠感が持続するため、当院救急外来を受診した。

身体所見:血圧110/70mmHg、心拍数80回/分、呼吸数20回/分、体温36.2℃、SpO2 97%(室内気)。GCS(Glasgow Coma Scale)E4V5M6。

頭頸部に異常なし。心尖部にLevineⅡ度の汎収縮期雑音。腹部に異常なし。脊柱叩打痛なし。

左肩関節に圧痛・熱感あり、左painful arc sign陽性、右肩は明らかな異常なし。

下腿伸側から足底にかけて点状出血あり(図1)、触知はしない。

検査:血液検査;WBC 12,400/μL、Hb 14.2g/dL、Plt 15×104/μL、PT-INR 2.76、TP 5.5g/dL、Alb 2.4g/dL、AST 83IU/L、ALT 64IU/L、BUN 42mg/dL、Cr 1.91mg/dL、Na 135mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 104mEq/L、CRP 17.5mg/dL。尿検査;異常なし。

I LOVE Urinalysis|シンプルだけどディープな尿検査の世界・7

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Case

患者:78歳、女性。

現病歴:3日前から39℃台の発熱と悪寒戦慄があったが、自宅で様子を見ていた。意識が悪いことに気づいた家人が救急車を要請した。

既往歴:慢性心房細動、心不全。

服薬歴:フロセミド、スピロノラクトン、ワルファリン、ACE阻害薬。

バイタルサイン:血圧92/56mmHg、心拍数108回/分。

        検査値

比重      1.012

血清Na     141mEq/L

血清Cr     2.6mg/dL

BUN       43mg/dL

尿Na      52mEq/L

尿Cr      48mg/dL

尿UN      263mg/dL

FENa      2.0%

FE-UN      33.1%

尿細管上皮細胞 1〜5/HPF

顆粒円柱    1〜5/LPF

国試にたずねよ・10

「ショック!」再び 山中 克郎
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 歳を重ねるにつれて、次第に記憶が曖昧になっていく。

 わが家の楽しい夕食時、ちょっとした事件が起こったことがある。妻が近所の奥様方と小田和正のコンサートに行くという。付き合っていた頃に、妻と一緒に出かけたコンサートや演劇の話になった。

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 東日本大震災後1年の時点で、約2,000戸の仮設住宅群にプレハブの診療所を開設した時から、メンタルヘルスへの対応は非常に大きな課題と考えていた。現在まで震度3程度の地震はしばしば起きていることもあり、潜在的に「不安」を抱えている方が非常に多い。PTSD(心的外傷後ストレス障害)の方が地震でパニック発作を起こし、緊急搬送されてくるケースも未だにある。また、3月11日の前後や、熊本地震や各地の水害などの報道を見ることでも、「1人でいることが怖い」、特に「夜、怖くて眠れない」といった方が少なくない。先の見えない生活が、不安の要因でもある。

西伊豆発!画像読影道場|これくらい読めてもいいんでナイカイ?・10

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 「膝が痛い」と訴える高齢患者さんは、内科でも少なくありません。その診断の多くは「変形性膝関節症」「関節リウマチ」「偽痛風」「大腿骨骨壊死」などで、その見極めができれば内科医としては十分です。また、「膝関節液貯留」もX線でわかります。見逃したくない「Segond骨折」を含め、今回は膝のX線の「これだけは!」を押さえます。

苦手克服|野獣のリアル勉強法・10

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 沖縄県立中部病院感染症内科の回診では、個人情報保護に配慮しながらpatient profileを明らかにすることが、伝統的に重要とされている。電子カルテシステム全盛の昨今、患者情報の基本である病歴・身体所見を中心に考えてみたい。

こんなときオスラー|超訳『平静の心』・10

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◦結束

 同じ人種でも、同じ土地で生活をしていても、人の個性は1人ひとり違うように、日常診療でよく見かけるコモンな疾患でも、病歴や診察所見、重症度、経過も、患者ごとに違う。そのため、それぞれの患者に合わせた治療が必要である。さらに、総合診療医は、個人の医師が生涯1、2例しか経験しないであろう稀な疾患の診断・治療が必要となることがある。一昔前であれば、その疾患に気づかれないまま、不幸な転帰となっていた患者も少なくないであろう。コモンな疾患でも、非典型的な経過をたどる患者や、診断が非常に難しい稀な疾患に遭遇した場合、皆さんはどのようにして情報収集を行っているだろうか?

 約110年前、オスラー先生はこんな言葉を残した。

総合診療専門医(仮)セルフトレーニング問題・7

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セッティング

ここは郊外にある200床の市立病院の夜間救急外来。今日は内科2次救急の輪番日で、院内に医師はあなたと病棟担当医1名のみ。夕方から立て続いた患者さんが一段落ついた22時過ぎ、救急隊から以下のような連絡が入った。

55歳からの家庭医療|明日から地域で働く技術とエビデンス・10

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 現代的なプライマリ・ケアチームにおけるキーポイントは、今までのような他職種との“連携”をしっかりと行うというよりは、むしろ「チームメンバーの“多様性(ダイバーシティ)”をどのように活かすか」、そして、ダイバーシティのあるチームとして「どうしたら課題や目標に一緒に向かい合えるか」ということにあると考えています。今回は、そういう視点からの取り組みの手がかりとなる理論を紹介したいと思います。

#総合診療

#今月の特集関連本❶

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#今月の特集関連本❹

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 最近、書店で医学書を眺めていると、「するべきこと」と「してはいけないこと」、それだけがてっとり早くわかるガイドライン・マニュアルの類いと、疾患単位ごとに病態と治療が詳細にまとめられた重厚な成書に二極化している感がある。長文を読まず最低限のことだけスマホ感覚で知っておきたい人種と、深く深く掘り下げたいオタク的な人種に起因した二極化に思われる。そのほかに、買っただけで安心してほとんど読まず、読んでも拾い読みの私のような中途半端な人種も少なからずいるのだろう。

 本書は、私のような中途半端な人種でも、一度眺めてみたら第1章から読み進んでしまう不思議な本である。具体的な症例呈示が多いからかもしれない。

#医学書院の新刊

#参加者募集

#今月の連載関連本

#編集室に届いた執筆者関連本

#今月の連載関連本

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 2015年、1991年に創刊した弊誌は、下記の「編集方針」を掲げて、『JIM』より『総合診療』に誌名を変更いたしました。以来、この2年間のうちにも高齢化はさらに進み、社会構造や価値観、さらなる科学技術の進歩など、日本の医療を取り巻く状況は刻々と変化し続けています。地域医療の真価が問われ、ジェネラルに診ることがいっそう求められる時代となり、ますます「総合診療」への期待が高まってきました。これまで以上に多岐にわたる知識・技術、そして思想・価値観の共有が必要とされます。そこで弊誌は、さらなる誌面の充実を図るべく、リニューアルいたしました。本誌は、今後も既存の価値にとらわれることなく、また診療現場からの要請に応え、読者ならびに執筆者のみなさまとともに、日本の総合診療の新たな未来を切り拓いていく所存です。

2017年1月  『総合診療』編集委員会

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基本情報

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総合診療
27巻10号 (2017年10月)
電子版ISSN:2188-806X 印刷版ISSN:2188-8051 医学書院

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