特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health
【被害者支援】
—これだけは知っておきたい—虐待防止法のしくみと、臨床医に求められること
野村 武司
1
1東京経済大学 現代法学部
キーワード:
早期発見
,
通報・通告
,
養育者の援助
,
情報提供
,
守秘義務
,
個人情報保護
Keyword:
早期発見
,
通報・通告
,
養育者の援助
,
情報提供
,
守秘義務
,
個人情報保護
pp.1511-1515
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201212
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「虐待」の背景
虐待は、一般には「むごく取り扱うこと」「残虐な待遇」といった意味に使われる用語であるが(広辞苑 第6版)、とりわけ、これが養育関係において行われている場合、しばしば、養育に苦しみ、それを解決できないまま追い詰められている養育者の姿に出会うことがある(p.1504)。
言うまでもなく虐待は、これを受ける者にとって人権侵害に当たり、これにより時として重大な被害が生じ、さらに死に至ることすらある。他方で、その背景に思わず手をあげてしまう養育者の「苦しみ」があることを考えると、虐待防止のためのしくみとしては、虐待を受けた者を早期に発見し確実に保護するものであることに加えて、「予防」や「防止」も含めて、こうした養育者の苦しみを軽減するための支援に厚いものでなければならない G1。
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