特集 今そこにある、ファミリー・バイオレンス|Violence and Health
【子ども虐待】
「プライマリ・ケア外来」でも子ども虐待を見逃すな!—「家族をすべて診る」という視点で
高村 昭輝
1
1金沢医科大学 医学教育学
キーワード:
衣服
,
成長・発達
,
慢性疾患管理
,
沈黙、言葉遣い
Keyword:
衣服
,
成長・発達
,
慢性疾患管理
,
沈黙、言葉遣い
pp.1498-1501
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201208
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Case
家庭で「祖母」から虐待を受けていた一例
患者:3歳、男児。
主訴:咳、鼻水。
経過:待合室では静かに遊んでいる。診察室でも特に問題ある行動などはないが、「衣服」が身体に合わず小さい。また、年齢に比して「身長」と「体重」の伸びが悪く、「発語」も少ない。母親との関係に違和感はなく、むしろ、いつもべったりとくっついて、こちらの顔色をうかがっている。
経済的な問題があるのかもしれないと想定して母親に確認したところ、同居の祖母(本児の父親の母)が本児の姉だけを非常にかわいがり、本児にはけがをしない程度の身体的虐待があり、食事も別テーブルで食べさせられ、新しい衣服も買い与えられていない状況であった。しかし母親は、姑である本児の祖母に意見できる関係ではなかった。緊急入院とし、児童相談所に通告し、姑とは別居するに至った。
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