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はじめに
FoCUSとは?
今回から「心臓領域」のテーマに入ります。検査室で行われる系統的心臓超音波検査は、循環器疾患や血行動態を把握するために不可欠な検査です。これまでさまざまな手法や多くの評価項目の有用性が明らかにされ、系統的心臓超音波検査に組み込まれてきました。その結果、系統的心臓超音波検査は複雑かつ専門的となり、専門家以外は手を出しにくいものとなりました。一方、プライマリ・ケアや急性期診療の現場では、循環器系に問題を抱えた患者の診療を行うことが多く、的確な循環器系の評価が求められます。
近年、「Focused Cardiac Ultrasound(以下、FoCUS)」という概念が普及し、2014年にはFoCUSの国際推奨が発表されました1)。FoCUSは、急性期診療に従事する医師により、ベッドサイドにおいて、問題解決型アプローチで、短時間で行われる手法であり、得られた所見は他の臨床情報と併せて解釈されます。FoCUSでは、急速に普及しているポータブル装置やポケットエコーでも施行可能で、一定のトレーニングで習得でき、日常診療のレベルで技量の維持が可能なものが求められます。また、FoCUSの特徴としては、Point of Careに適した観察断面(表1)と、評価項目(表2)が「絞られる」ことにあります。評価項目としては、難易度は高くなく、緊急度・重要度が高いものが選出されます(図1)。また、評価方法は目測が中心で、心電図・ドプラ・詳細な計測は必須とされません。 発足して1年半になる「Point-of-Care超音波研究会」では、FoCUSの到達目標を定めていますので参考にしてください(表3)。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年9月30日まで)。
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