特集 おなかの病気を診る〜機能性消化器疾患への誘い—つらいおなかの痛み、張り、下痢、便秘への処方箋
【機能性疾患mimic〜アタマの片隅に置いてほしい疾患】
❸正中弓状靱帯圧迫症候群・上腸間膜動脈症候群
春田 英律
1
,
梅澤 昭子
1
1四谷メディカルキューブ 外科・内視鏡外科
キーワード:
正中弓状靱帯圧迫症候群
,
上腸間膜動脈症候群
,
腹痛
,
血管関連腹部疾患
Keyword:
正中弓状靱帯圧迫症候群
,
上腸間膜動脈症候群
,
腹痛
,
血管関連腹部疾患
pp.746-749
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350070746
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CASE 1
患者:34歳、女性。
現病歴:4年前、夕食後に左上腹部に激痛があり救急要請した。諸検査で異常を認めず、症状が軽快したため帰宅。その後も月に1〜2回の食後の腹痛を自覚していた。1年前より食後に1〜2時間持続する上腹部痛、胃膨満感、悪心が増悪。内視鏡検査に異常はなく、機能性ディスペプシアと診断され治療を開始するも症状改善せず。次第に左胸部痛・背部痛も出現したため、他疾患鑑別目的に腹部造影CT検査を施行。腹腔動脈起始部の狭窄を確認し、正中弓状靱帯圧迫症候群(MALS)と診断した。正中弓状靱帯切離術が施行され、全症状が消失した。

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