構造式で語る医学│薬物の交差反応や意外な副作用を学ぼう!・2
ペニシリンとセファロスポリン
上田 剛士
1
1洛和会丸太町病院 救急・総合診療科
pp.204-206
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350020204
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β-ラクタムとは何か?
ラクタムとは、ラクトン(環状エステル)とアミド基(-CO-NR-)から命名されたものです。そして三員環がα-ラクタム、四員環がβ-ラクタム、五員環がγ-ラクタムと呼ばれます。β-ラクタム構造は細菌の細胞壁を合成する酵素を阻害するため、β-ラクタム系抗菌薬の中核となる構造です。β-ラクタム系抗菌薬はβ-ラクタムの隣接環の種類により分類されます。隣接環が5員環のペニシリン系、6員環のセファロスポリン系、硫黄(S)や酸素ではなく炭素(カルバ)だけで5員環(ペネム)を形成しているカルバペネム系、隣接環がないモノバクタム系が主な分類です(図1)。
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