特集 おなかの病気を診る〜機能性消化器疾患への誘い—つらいおなかの痛み、張り、下痢、便秘への処方箋
【機能性疾患mimic〜アタマの片隅に置いてほしい疾患】
❹腹部の皮神経絞扼症候群(ACNES、LACNES、POCNES)
本村 和久
1
1まどかファミリークリニック
キーワード:
皮神経絞扼症候群
,
ACNES
,
LACNES
,
POCNES
,
Carnett徴候
,
ピンチテスト
Keyword:
皮神経絞扼症候群
,
ACNES
,
LACNES
,
POCNES
,
Carnett徴候
,
ピンチテスト
pp.750-754
発行日 2025年7月15日
Published Date 2025/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350070750
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CASE1 急性胃腸炎と思ったら…
患者:生来健康な9歳女児。
現病歴:来院当日、朝食後に嘔吐が2回あり、同日外来受診となった。全身状態は良好で、水分摂取はできていた。診察直前に腹痛と水様便があった。発熱はなく、腹部の圧痛もはっきりせず、急性胃腸炎の診断で帰宅となった。翌日、嘔吐・下痢は消失、食欲低下もなかったが、腹痛は持続しているため再受診となった。臍の左側(Th10のレベル)、腹直筋外縁に限局した圧痛部位が認められた。Carnett徴候1) 陽性。左の圧痛部位にリドカイン1% 2mLで局所麻酔注射を行ったところ、圧痛点を含め腹痛は改善した。

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