LiSA 17巻2号 (2010年2月)

徹底分析シリーズ 大血管手術後の脳・脊髄合併症

巻頭言 垣花 学
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 大血管手術では,大動脈遮断・解除に伴い必ずいくつかの臓器が虚血・再灌流に曝される。この虚血・再灌流は,曝された臓器の細胞に対してその防御機構をも凌駕する莫大な侵襲を与え,その機能を失わせる可能性を秘めており,特に虚血・再灌流に対し最も脆弱な中枢神経系(脳・脊髄)は,この侵襲により何らかの症状(意識障害,痙攣,高次脳機能障害,麻痺など)を呈し,患者のQOLを著しく損ねる。

 それに対し,周術期管理のプロフェッショナルである麻酔科医には,大血管手術中の中枢神経保護を念頭に入れ,それに積極的に関与する責務がある。しかし,中枢神経保護に関して,いまだに標準的な保護方法というものがなく,そのために各施設において独特な方法を駆使しているのが現状ではないだろうか。

 本徹底分析シリーズでは,「大血管手術における中枢神経保護」という観点から,低体温,脳灌流(脳脊髄圧管理も含む),中枢神経モニタリングに関し,その適応,方法,利点・欠点,そして麻酔科医が注意すべき点を述べてもらった。本特集により,大血管手術における中枢神経保護への関心が高まり,また今後の臨床麻酔に役立ち,よりよい周術期管理の一助となればと願っている。

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 心臓手術後に脳合併症を発生するリスクは他の手術と比較して高い。特に大血管手術となると,他の心臓手術よりも高率となる。そのため大血管手術では,予防・早期発見・対処がより重要となってくる。本稿では,脳障害発生のメカニズムと脳虚血のモニタリングについて解説した後,術中脳虚血が疑われた場合の対処法ならびに術後の管理について述べる。

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 脳保護法として広く受け入れられた超低体温循環ではあったが,これも決して完成されたものではなかった。本稿では,超低体温循環の利点ならびに欠点を示し,実際の症例をとおし,その限界ならびに適応を考える。

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 弓部大動脈の再建を伴う手術では超低体温循環停止下に手術が行われるが,長時間の超低体温循環停止は術後の脳神経障害につながるため,超低体温循環停止を安全に行える時間は限られている1)。その時間的制約を解決する方法として,超低体温循環停止中の脳灌流が行われる。現在行われている超低体温循環停止中の脳灌流には,逆行性脳灌流と選択的順行性脳灌流の2通りの方法があるが,どちらの方法が脳保護の観点から優れているか,現時点で結論は出ていない。本稿では主に逆行性脳灌流を中心に,超低体温循環停止下の脳灌流法について述べる。

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 大血管手術においては,動脈硬化や脳血管障害などのリスクファクターを有する患者が多いだけでなく,手術操作自体が脳傷害発生の大きな因子となる。特に,大動脈弓置換術などでは,一時的に脳循環を停止させたり,人工的な脳灌流が必要となるなど,手術症例のなかでも最も脳障害発生のリスクが高い。本稿では,大血管手術時に使用する麻酔薬やその他の薬物にさらなる脳保護効果を期待できないか,どのような薬物を使用すればよいか,という点について述べる。

 しかし残念ながら,現時点では大血管手術での脳保護効果を示す薬物のエビデンスはなく,どのような薬物をどのように使用すべきかという指針はないのが現状である。古い教科書などに載っている迷信的な薬物の使用を迷う場合も多いのではないだろうか。少なくとも脳障害のメカニズムと麻酔薬や各種薬物の関連性を理解することで,予防法や治療法の手がかりに,また麻酔管理上での薬物選択の一要因になればと考える。

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 下行大動脈手術後の対麻痺は,患者のQOLや予後に大きく影響する重大な合併症である。この脊髄虚血による対麻痺の発生頻度は減少しつつあるものの,下行大動脈手術後で10%前後1),胸腹部大動脈瘤術後では10~20%2)と報告されている。

 脊髄は1本の前脊髄動脈と1対の後脊髄動脈からの血流を受けており,前脊髄動脈は運動領域である脊髄前面の2/3を,後脊髄動脈は知覚領域である脊髄後面の1/3に血液を供給している。これらの脊髄動脈は上位から椎骨動脈,上行頸動脈,深頸動脈,肋間動脈,腰動脈などから血流を受けているが,特に胸髄領域の前脊髄動脈は,ごく一部の前根動脈から血流を供給されており,これをAdamkiewicz動脈あるいは大前根動脈という。Adamkiewicz動脈は神経根に沿って脊髄レベルに到達し,ヘアピンカーブを描きながら前脊髄動脈に流入する。この特徴的な走行が術前の造影MRIやCTによる同定の決め手となっている。下行大動脈手術後に運動麻痺をきたすのはこの動脈の血流が障害を受けるためとされている。

 脊髄保護は心筋保護に例えると理解が容易となる(表1)。脊髄のkey arteryはAdamkiewicz動脈であり,心筋における冠動脈に相当する。虚血には虚血時間,遮断中の側副血行路や灌流圧の維持,虚血中の酸素消費量などが関係し,今回のテーマである脳脊髄液(CSF)ドレナージは遮断中の灌流圧の維持を目的に行われる。ここではCSFドレナージの意義について概説する。

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●脊髄機能モニタリングの歴史(SEPからMEPへ)

 胸部下行大動脈手術では,胸腹部大動脈瘤手術(ミニ知識1)(図1)と同様に,脊髄障害による対麻痺が発症する危険がある。術中に脊髄機能モニタリングを行うことにより,早期に脊髄虚血を発見し対処することが必要である。

徹底分析シリーズ 麻酔科医とタンパク質の一生≪番外編≫

巻頭言 岩坂 日出男
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 生命活動の発現であるタンパク質の生体内での振る舞いについて,その合成から分解までを「タンパク質の一生」として1月号の徹底分析シリーズで概説していただきました。今回は,具体的に麻酔科医にとって今後さらに注目されると考えられる個々のタンパク質について「番外編」として概説していただきます。

 全身麻酔の機序はいまだ不明ですが,オレキシンは睡眠と麻酔の架け橋になる可能性があります。輸液は現在もなお麻酔科医にとっては古くて重要なテーマですが,アクアポリンはノーベル化学賞の受賞対象となった水を透過させるチャネルとして重要です。敗血症はいまだ致死率の高い病態の一つですが,HMGB1は生死を決定する因子として注目されています。グレリンは日本で発見され,hot paperにも選ばれた成長ホルモン分泌因子ですが,種々の病態改善効果が注目されています。ほかにも多くの注目すべきタンパク質があると考えられますが,今回取り上げたタンパク質を通じて,1月号と合わせ臨床・研究のお役に立てていただければと考えています。

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●オレキシンとは?

 オレキシンorexinは,1998年に日本人のSakurai, Yanagisawaらにより報告された内因性のペプチドである。オレキシンA(33個のアミノ酸)とオレキシンB(28個のアミノ酸)に細分され,その受容体はⅠ型とⅡ型に分かれる。オレキシンAは双方の受容体に作用するが,オレキシンBはⅡ型受容体に作用する。オレキシン神経系は視床下部を起始として中枢神経系に広く投射する。機能は生理的睡眠-覚醒,鎮痛,摂食行動,交感神経系機能亢進など多岐にわたり,またオレキシン神経系の機能不全がナルコレプシー(メモ1)を惹き起こす。

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 水を通過させるチャネルとして発見されたアクアポリンaquaporin(AQP)が,近年,脳浮腫の発症に関与していることがわかってきた。脳浮腫は麻酔や集中治療領域でよく遭遇する病態であるが,発症機序は十分にわかっていなかった。ノックアウトマウスなどのさまざまな動物モデルを用いた研究により,AQPは脳浮腫の発症・進行,場合によっては治癒に関与することが示唆されている。今後,AQPは新規脳浮腫治療薬の標的になる可能性がある。さらに,水の通過以外の新規機能も注目されている。

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 われわれ生体にとっての侵襲には,感染症や外傷,手術侵襲などの外的なものと,虚血や悪性腫瘍,自己免疫疾患などの内的なものがある。いずれも局所化・終息化するか時間的空間的に拡大するかのベクトルを持ち,後者の制御がつかなければ,臨床上予後の悪い多臓器不全へと進行していく,と考えられる。1999年に,「核タンパクであるhigh mobility group box protein 1(HMGB 1)は敗血症後期における致死的メディエータである」という衝撃的な論文1)が世に出てから約10年が経過している。にわかに脚光をあびたこのタンパクはさまざまな分野や角度からの研究が続けられており,HMGB1は局所の病態が全身化・慢性化する際の介在因子(メディエータ)として,重要な役割を持つことがわかってきている。

 本稿ではおもに,周術期管理に難渋する敗血症や急性肺障害(acute lung injury : ALI, acute respiratory distress syndrome : ARDS)・播種性血管内凝固症候群disseminated intravascular coagulation(DIC)という重篤な病態におけるHMGB1の生体内での動態について述べ,加えてHMGB1を治療標的とした今後の展望について触れる。

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●グレリンとは?

 グレリンghrelinは,1999年に国立循環器病センターの児島将康,寒川賢治らによって発見された比較的新しいホルモン物質である1)。グレリンは胃に存在しているX/A-like細胞と呼ばれる内分泌細胞により合成・分泌されている。最近の研究では,胃以外にも,腸管,視床下部,下垂体,膵臓,腎臓,胎盤,精巣などで,少量ではあるが産生が認められている。

 グレリンはペプチドホルモンであり,下垂体に働き成長ホルモン(GH)の分泌促進や,視床下部に働いて食欲を増進させる働きを持つことが知られている2)。分子量3370.9であり,28個のアミノ酸(1 GSSFLSPEHQRVQQRKESKKPPAKLQPR 28)より構成されている(図1)。

 普段は不活化された状態で存在しているが,3番目のセリンがオクタノイル化修飾をうけることにより,生理活性を示すようになる。また,オクタノイル修飾がされない不活性型グレリンをデスアシルグレリンと呼び,血中では大部分がこの型で存在している。

症例検討 血管内治療の麻酔

巻頭言 松永 明
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 低侵襲手術は医療技術や医療器材の進歩とともに発展し,今日,対象疾患も飛躍的に広がっている。なかでも内視鏡下手術やカテーテルを用いた血管内治療は,従来の標準的な手術法を凌駕する勢いで進歩している。このような現状に沿って今回の症例検討のテーマは「血管内治療の麻酔」である。

 血管内治療の侵襲度の低さ,基礎疾患の動脈硬化に伴うさまざまな心血管病変の合併から,血管内治療の麻酔は局所麻酔を選択したいところである。しかし,血管損傷に伴う大量出血の可能性を考慮すれば,全身麻酔が有利かもしれない。このように,われわれ麻酔科医にとって血管内治療の麻酔はさまざまな問題を抱えている。

 今回,各血管内治療に精通した外科医および麻酔科医に豊富な臨床経験に裏打ちされた手術および麻酔のポイントを述べていただいた。また,周術期の抗凝固療法が問題となっているDESの最新の知見を循環器内科医に紹介していただいた。今後も遭遇する機会がさらに増加すると思われる血管内治療の麻酔を行う際,本特集がその一助となれば幸いである。

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 脳血管内治療とは,マイクロカテーテルと呼ばれる細いカテーテルを用いて,血管内部から脳疾患を治療する新しい領域の治療の総称である。この新しい治療法によって,今までは治療困難と考えられた疾患,あるいは直達手術では治療侵襲が大きかった疾患を「切らずに治す」ことができるようになってきた。

 この治療法の大きな利点はその非侵襲性であり,特に高齢者や重症例に対してはメリットが大きく,高齢者や重症患者が多数を占める脳卒中診療において欠かすことができない存在となりつつある。わが国では,日本脳神経血管内治療学会が認定した約600名(2009年10月現在)の学会認定医が中心となり,この治療の普及と発展に努めている。

 脳血管内治療の適応範囲は広く,脳動脈瘤をはじめとする脳血管病変の塞栓術のほか1,2),脳塞栓急性期の血栓溶解療法3),脳主幹動脈の動脈硬化性狭窄病変やくも膜下出血後脳血管攣縮に対する血管拡張術,脳腫瘍に対する腫瘍塞栓術,外傷性血管損傷に対する塞栓術にまで多岐に及ぶ。この脳血管内治療の大きな柱となるのが,脳動脈瘤に対するコイル塞栓術と,頸動脈狭窄症に対する頸動脈ステント留置術(CAS)である。

 本稿では,上記の2疾患に絞って,脳血管外科における脳血管内治療の役割について述べる。

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 近年,血管内治療が目覚ましい進歩を遂げている。その低侵襲性から血管内治療の適応が拡大し,各科の治療戦略を大きく変貌させている。大動脈瘤においても例外ではなく,従来,開胸や開腹による人工血管置換術で対応していた胸部大動脈瘤や腹部大動脈瘤が,ステントグラフト(SG)で治療が可能となった。わが国では,2006年に腹部大動脈SGでCook社“Zenith”,2008年に胸部大動脈SGでW.L. Gore社“TAG”が,企業製造SGとして承認され,その後,腹部で2種類(W.L.Gore社“Excluder”, Endologix社“PowerLink”),胸部で1種類(Medtronic社“TALENT”)が追加承認され,SG手術件数が飛躍的に伸びている(図1, 2)。

 本稿では,大動脈瘤,主に胸部大動脈瘤,腹部大動脈瘤に対するSG内挿術治療の位置づけと今後の展望について解説する。

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 分岐部病変では,DESそのものが心筋梗塞,血栓症発生の予知因子であるため,1ステントの手技が推奨される。しかし,2ステント・テクニックが避けられない症例も数多く存在する。昨年承認された次世代DES, Endeavor(R)は,側枝へのプラークシフトのリスクが軽減できる特性を有している。本稿では,Endeavorの特性を説明し,側枝閉塞率を検討した自験例を示し,岐部治療でのよりシンプルな手技の可能性を探る。

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症例

76歳の男性。身長160cm,体重60kg。20年前より高血圧および糖尿病を指摘され,3年前に左冠動脈回旋枝の狭窄に対して金属ステントが留置された。数週間前より歩行時のふらつき,視力低下を認めたため脳神経外科を受診し,左内頸動脈の完全閉塞,右内頸動脈の90%狭窄と診断され,右内頸動脈へのステント留置術(CAS)が予定された。

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症例

80歳の女性。身長155cm,体重50kg。60歳頃から高血圧に対し内服加療を行っていた。農作業中に突然の頭痛を発症し,脳神経外科を受診した。CT検査,脳血管撮影にて左内頸動脈瘤破裂によるくも膜下出血と診断された。意識は清明で,緊急動脈瘤コイル塞栓術が予定された。

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症例

75歳の男性。身長165cm,体重60kg。3年前に陳旧性心筋梗塞後狭心症に対し,冠動脈バイパス術が施行され,現在日常生活に制限はなかった。1か月ほど前より,ときどき腹痛があったが放置。前日より下腹部痛が増悪したため受診した。CT検査にて径8cmの腹部大動脈瘤を認めたが,腹腔内出血は認めなかった。腹部大動脈瘤の切迫破裂の診断にて緊急ステントグラフト留置術が予定された。

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症例

85歳の男性。身長165cm,体重50kg。数年前より胸部下行大動脈瘤を指摘され,経過観察中であった。今回,動脈瘤径が6cmと急速に拡大したため,ステントグラフト留置術が予定された。患者は1日40本,40年間の喫煙歴があり,胸部CTで両肺野に多発性のブラを認めた。

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連載

Editorial拝見
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The New England Journal of Medicine

Editorial:

Fang JC. Rise of the machines ― left ventricular assist devices as permanent therapy for advanced heart failure. N Engl J Med 2009 ; 361 : 2282-5.

Article:

Slaughter MS, Rogers JG, Milano CA, et al. Advanced heart failure treated with continuous-flow left ventricular assist device. N Engl J Med 2009 ; 361 : 2241-51.

 わが国には約250万人の慢性心不全患者が存在するが,その数は年々増加している。慢性心不全患者の予後は内科的治療によっても不良である。心臓移植は年に数えるほどしか行われていない。左室補助人工心臓(LVAD)は,主として心臓移植を待つ患者のつなぎの治療(bridge therapy)として用いられてきたが,最近では機器の改良により長期間使用も可能となっている。拍動型LVAD装着と内科的治療を比較したRandomized Evaluation of Mechanical Assistance for the Treatment of Congestive Heart Failure(REMATCH)トライアルでは,1年生存率(52% vs. 25%)も2年生存率(23% vs. 8%)もLVADのほうが勝っていることが示された。しかし,拍動型LVADでは感染や機器の交換,脳卒中といった重大な問題が起こりうる。一方,定常流型LVADは,拍動型LVADに比べ,小型軽量であり,耐久性も優れ,合併症も起こりにくいと報告されている。

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連載 知識をいかに体系化するか

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 ふとしたことで,自分の日常活動,特に知的活動の部分がパソコン,特にノートパソコンに大幅に依存していることに気づき,「もしノートパソコンがないとしたら,活動の様子はまったく変わるはず」と愕然としました。

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 今月は(3R)-3-Amino-1-[3-(trifluoromethyl)-5, 6, 7, 8-tetrahydro-5H-[1, 2, 4]triazolo[4, 3-α]-pyrazin-7-yl]-4-(2, 4, 5-trifluorophenyl)butan-1-one monophosphate monohydrateを取り上げる。

 [3-(trifluoromethyl)-5, 6, 7, 8-tetrahydro-5H-[1, 2, 4]triazolo[4, 3-α]-pyrazin-7-yl]をX,(2, 4, 5-trifluorophenyl)をYと置くと,基本骨格はブタン(図1a)であり,この3位にアミノ基,1位にケトン基が結合しておりさらにX,4位にYが結合している。Xの内容は3-(trifluoromethyl)-5, 6, 7, 8-tetrahydro-5H-[1, 2, 4]triazolo[4, 3-α]-pyrazin-7-ylであるが,この構造の中心はpyrazin(図1b)である。

連載 ヒューストン留学記(その後):47

刑事コロンボに納得… 石黒 達昌
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from LISA
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■日本語の誤用ということがよくいわれます。誤用ではないにしても,言い間違いというのはよく起きるもので,サクシンとサクシゾンの言い間違い,聞き間違いは困りますが,話している本人たちは気づかないものの,第三者的に耳にはいると,あれっと思わせ,また笑いを誘うことが多々あります。

 それは,先日,新幹線で大阪に向かう途中の車内放送でした。雪のための徐行運転で到着時刻が5分ほど遅れるというアナウンスがあったしばらく後に,徐行運転解除の知らせ。そこで,「徐行運転が解除されましたので,本列車は到着時刻に到着します」とのアナウンス。「到着時刻に到着?」,その後に「所定の到着時刻に」とのアナウンスが流れました。在来線ではこんなのがありました。駅を出たあとの車内放送です。「発車直後のご乗車は危険ですのでおやめください」。「発車直前」の間違いでしょうけど,直後であれば,それ以上に危険です。言い間違えといえるかどうか,電話で書籍を注文したときです。「ご連絡がきましたらレジのほうにお願いします」と言われたのには驚き,書き取ってしまいました。注文の本が入荷したら電話連絡するから取りにこいということなのですが,今日日の若者の丁寧語による混乱でしょう。

基本情報

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LiSA
17巻2号 (2010年2月)
電子版ISSN:1883-5511 印刷版ISSN:1340-8836 メディカル・サイエンス・インターナショナル

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