徹底分析シリーズ 麻酔科医とタンパク質の一生≪番外編≫
巻頭言
岩坂 日出男
1
1大分大学医学部 麻酔学講座
pp.143
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100860
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- 文献概要
生命活動の発現であるタンパク質の生体内での振る舞いについて,その合成から分解までを「タンパク質の一生」として1月号の徹底分析シリーズで概説していただきました。今回は,具体的に麻酔科医にとって今後さらに注目されると考えられる個々のタンパク質について「番外編」として概説していただきます。
全身麻酔の機序はいまだ不明ですが,オレキシンは睡眠と麻酔の架け橋になる可能性があります。輸液は現在もなお麻酔科医にとっては古くて重要なテーマですが,アクアポリンはノーベル化学賞の受賞対象となった水を透過させるチャネルとして重要です。敗血症はいまだ致死率の高い病態の一つですが,HMGB1は生死を決定する因子として注目されています。グレリンは日本で発見され,hot paperにも選ばれた成長ホルモン分泌因子ですが,種々の病態改善効果が注目されています。ほかにも多くの注目すべきタンパク質があると考えられますが,今回取り上げたタンパク質を通じて,1月号と合わせ臨床・研究のお役に立てていただければと考えています。
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