徹底分析シリーズ 大血管手術後の脳・脊髄合併症
脳灌流の比較:逆行性脳灌流vs順行性脳灌流
金 信秀
1
,
蜷川 純
1
Nobuhide KIN
1
,
Jun NINAGAWA
1
1東京大学医学部 麻酔学教室
pp.114-117
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100856
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弓部大動脈の再建を伴う手術では超低体温循環停止下に手術が行われるが,長時間の超低体温循環停止は術後の脳神経障害につながるため,超低体温循環停止を安全に行える時間は限られている1)。その時間的制約を解決する方法として,超低体温循環停止中の脳灌流が行われる。現在行われている超低体温循環停止中の脳灌流には,逆行性脳灌流と選択的順行性脳灌流の2通りの方法があるが,どちらの方法が脳保護の観点から優れているか,現時点で結論は出ていない。本稿では主に逆行性脳灌流を中心に,超低体温循環停止下の脳灌流法について述べる。
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