症例検討 血管内治療の麻酔
巻頭言
松永 明
1
1鹿児島大学医学部 麻酔・蘇生学講座
pp.165
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100867
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- 文献概要
低侵襲手術は医療技術や医療器材の進歩とともに発展し,今日,対象疾患も飛躍的に広がっている。なかでも内視鏡下手術やカテーテルを用いた血管内治療は,従来の標準的な手術法を凌駕する勢いで進歩している。このような現状に沿って今回の症例検討のテーマは「血管内治療の麻酔」である。
血管内治療の侵襲度の低さ,基礎疾患の動脈硬化に伴うさまざまな心血管病変の合併から,血管内治療の麻酔は局所麻酔を選択したいところである。しかし,血管損傷に伴う大量出血の可能性を考慮すれば,全身麻酔が有利かもしれない。このように,われわれ麻酔科医にとって血管内治療の麻酔はさまざまな問題を抱えている。
今回,各血管内治療に精通した外科医および麻酔科医に豊富な臨床経験に裏打ちされた手術および麻酔のポイントを述べていただいた。また,周術期の抗凝固療法が問題となっているDESの最新の知見を循環器内科医に紹介していただいた。今後も遭遇する機会がさらに増加すると思われる血管内治療の麻酔を行う際,本特集がその一助となれば幸いである。
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